Wednesday, September 8, 2010

9月7日(火)

私のいるRed Lineグループの授業は以下の3コマ。
8.30 Quantitative Analysis
11.50Leadership & Teambuilding
3.10 Finance

Quantsでは、MBAにおける統計とはデータをマイニングすることではなく、統計を用いて数値による意思決定を行うことに主眼を置くのだと教官のDavidが大きな声で話す。ハーバードでも教鞭をとる彼の講義はとてもテンポ良く、ダイナミックなクラスになる。統計の手法を使って、より確からしい意思決定をすることでカジノで大勝ちした話などはおもしろい。
来週からはいくつかの銘柄を選択し、株価を追いながら「未来に起こりうること」を「定量的」に分析することによる、合理的な意思決定を学んでいくとのこと。私自身はファイナンスに疎いので講義に付いて行けるかと心配がないわけでもない。なるべくWall Street Journalなどに目を通し、語彙に慣れておくしかないか。

リーダーシップでは、チーム内のコンフリクトの事例についてのディスカッションを行う。会社で戦略担当になった元コンサルタントが、各部門のマネージャーを集めたチームをまとめて自社の再ポジショニングをしようとするが全くうまく行かない話。マネージャー同士の仲が悪く、元コンサルタントにはリーダーシップがなく、社長は顔を出さない。実際にこういう事例があったとしたら、手は付けられないよなあと思ってしまう。特に20年以上に渡ってビジネスの現場にいたFさんにとっては、なかなか葛藤を覚える事例だと聞いた。アカデミアと実践の差か。

後半は、対人行動パターンによって人を4つに分類する、よくあるパーソナリティ・テスト的なものを紹介。結果&タスク重視のDirector、結果&人間重視のExpressioner、プロセス&行動重視のAnalyzer、プロセス&人間重視のRelatorというカテゴリーに学生を分けると、おおよそ2:2:3:1くらいだったように見えた。こういうテストの多くはあくまで自己評価なので、実際人から見た場合とズレがあることは多いが、Directorと自己診断した面々を見ると納得。きほん、やつらは人の話を聞かないし、自分の思うことは言わずにいられない。笑

Analyzerが多かったのはMBAとしては異色だそうだが、おそらくFinanceやIT関連のバックグラウンドを持った学生が多いためではないかと教官の分析。要するに、インド人が多いという話。私を除く2人の日本人はここ。で、私自身はRelator。チームメンバーのコラボレーションを目指し、衝突を避けようとするタイプ。Relator同士が集まったミーティングは、笑ってしまうほどに平和で、円滑で、そして突飛なアイデアはあまり生まれない。Relatorの主張をまとめると、「私たち適応能力高いし、チームに調和をもたらします。でも、私たちと話すときには攻撃的にならず、そして話をちゃんと聞いて」となる、と言ったらクラスが爆笑。

Financeは、第一回の授業なのでFinanceとはなんぞや、という話から。教官のハンコックは、Wharton出身のやり手ファイナンス人間らしい。ちなみにAccountingを教えてくれているのも彼だ。どうやらFinanceの世界では、CSRとかが熱い議論になっているらしく、企業は社員の生活や、地域活動や、環境問題に責任を持つべきなのか、といった雑談もあっておもしろい。

しかし、その直後に流れたビデオが、日本の長時間通勤、長時間労働と過労死してしまった23歳の女性の話。そしてそれと対比して従業員満足度の非常に高いアメリカのSAS Softwareという企業の事例。日本の事例もかなり古く現状を反映していない上に、日本の特に待遇の悪い中小企業と米国のいちばんよい事例を比べるなんて、そんなバカな比較があるものかと、日本人としてきちんとクラスに向けて言っておいた。舌っ足らずではあったかもしれないが。

ビジネススクールにいると、日本の事例はかなり頻繁に出てくる。米国でも英国でも、自分たちと全く違う社会様式を持ちながら、ビジネスでは大きな成功を収めた日本という国は興味の対象であるらしい。しかし、バイアスのかかった情報もあふれているので、自分の国が好きなら、的外れの批判や意見にはきちんと反論していける準備が必要。

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