火曜日、授業は1つだけ。
10.50 Introduction to Case Analysis
Hultの特色の1つ(とウェブサイトに書いてある内容)に、ケース・メソッドというのを使ったアクションラーニング形式による学習というのがある。実際の企業の事例を元にした「ケース」と呼ばれる10-30ページ程度の文章を読み、これにもとづいた議論によって、学生がシミュレーション形式でマネジメントを学習していくという手法だ(説明が下手なので、詳しい人に聞いてみて下さい)。
このIntro to Case Analysis (Case)という授業は、学生がケースメソッドをより実りあるものにしていくための準備だと考えれば良いと思われる。教官はジュリー・クーパー。小柄な外見のアジア系女性だが、授業は誰よりもパワフル。経歴もハーバード学士、某投資銀行、ハーバードMBAの後、戦略コンサルティングファームと、アメリカのエリートコースをひた走っている。
初回のケースは、ある若手起業家が自分の事業を競合に売却するか否かという設定。軽いウォーミングアップの後、ジュリーはクラスに向かって質問を投げる。「さて、あなたが投資家だったらこの事業に投資する?投資しない?それは何故?」。指名された学生が意見を発表すると、それに対する反対の意見、追加のコメント、様々な見解が続いて、そしてケース・スタディが始まっている。ちなみにこの発言は成績に反映されるので、学生はみんなこぞって手を上げることになる。笑
だけど、この授業はケースの内容以上に、どうやって建設的かつ内容の濃い議論をクラスルーム内に作り上げていくかがポイントなので、ある程度の意見が出たところでジュリーはディスカッションをストップし、これまでの発言や議論のやり取りについてのフィードバックを求める。
・ 自分の意見はエビデンスでサポートすること。
・ 自分の発言のポイントを明確にすること(何について、誰に賛同するのか、反対するのか、それはなぜか)。
・ 発言は回数ではなく内容によって評価されるので、クラスにとって意味のある発言を心がけること。
・ 意見を言うときには、内容だけでなくタイミングも考慮するべき。
などなどの意見が学生から出されるわけなんだけど、何が気に食わないかと言うと、この期に及んで「投資に関しては、俺達はもっとファイナンスの面をしっかり考慮すべきだ」なんていう授業の流れに沿わない発言をしてしまう学生がいること。つまり、議論や授業の流れが見えていなくて、自分の意見を言いたいがためだけにずっと前から手を上げていたわけだ。あまつさえ、実は誰かがすでに同じことを言っている。インド人の中に数名と南米系の学生の中に数名、この傾向がとても強い学生がいて、実は多くの学生から反感を買っている。私を含めた数名が思わず失笑。
Hultにいると、各国の文化的な違いというのは本当にいろいろな場面において見ることができる。私は日本を3年ばかり離れているので、今はある程度この違いを客観視することができると思うのだが、当初は確かに戸惑ったものだった。ただでさえ聞きなれないアクセントの英語で、的を射ないランダムなポイントについて授業の流れと関係なく、しかもかなり積極的に発言されると、訳が分からなくなってどんどん自分の英語のリスニングに自信がなくなってくる。不思議なもので、そのうち意味のない発言は自然と聞き流せるようになってくるんだけれど。
話はそれたけれど、こんなディスカッションがあって今日の授業は終了。韓国人ウォンとリー、日本人Kのランチに合流して軽い話をした後は、明日のQuizに向けたQuants勉強とCaseに向けたリーディング。2時ごろから7時半頃まで勉強した後、ウォンに誘われてHultの1階にあるバーに行くと、今日Quizを終えてご機嫌のメキシコ人イグナシオ、インド人アディタとスミタ、日本人のY氏が軽く打ち上げモードで飲んでいるというアクシデントが発生。1杯のはずが3杯になって帰宅。
夕飯後にケースを読み終えて、軽く眠って、早朝というか深夜起床。いま、このブログを更新してから、Quantsの最終レビューをしてQuizに臨もうと思う。明日は授業が3つもあり、しかも最後の授業が発言やクラスへの貢献の求められるCaseなので、脳の体力的にタフな勝負になりそうだ。ううむ、やっぱりバーへ行かなきゃよかった気が・・・。
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