Sunday, February 27, 2011

2月26日(土) 土曜日ハーバード & NYCから友来たる

1.00 pm Becoming an Agent of Change @Harvard Extension School
4.30 pm NYCから来た友人と合流
8.00 pm 食べすぎ

週末。午後にハーバードのExtension School (社会人用、継続学習を提供するスクール http://www.extension.harvard.edu/) で授業を受けているので、午前中は部屋の掃除をしてケースを読む。今日のテーマは特に関心のある分野で、コミュニティや大きな社会レベルでの変化の事例。1つ目がボストン郊外Roxburyという荒れた地域の復興、もう1つが、インドで貧しい労働者が企業相手に情報開示を求め、最終的に企業にこの義務を定めた法律を制定させる事例 (ケースへリンク)。企業や組織と言う枠組みではなく、これを超えたレベルでの変化を起こそうとすると、どれだけの人が枠組みを超えて協働できるかがキーになってくる。2つのケースから、「変化の媒介になる人 (Change Agent)」について学ぶ。

学んだことを印象に残っている部分からまとめるなら、まず、こういったソーシャルな運動というのは、トップダウンでの指揮権が存在しない上に、組織の垣根を越えた協働が必要。よって、どれだけ参加する人が共通の目的 (Public Value) に対してコミットできるかが重要になる。どちらのケースも草の根レベルでの人々の巻き込み、ローカルなナレッジの採用、実際に「リーダー」は存在するものの「ボス」は存在しないことなどが共通している。

リーダーとなった2人のキーパーソンは、自分はリーダーだとは言わない。変化のエージェントの役割を果たしたのだと言う。変化を起こした人たちは、それぞれが自発的な動機に基づいてアクションを起こしていて、誰かがそれを導いたわけではないからだ。エージェントは、どちらかといえばつなぐ人という印象だ。

例えば、インドのケースに登場するアルーナは、上流階級の出身で、官庁で仕事をするうちに、僻地の貧しい人たちと接することになり、職を辞して活動に関わることになる。彼女の教育のバックグラウンドや官庁での経験、ネットワークは、実際の活動が成功を果たす上でとても重要な役割を果たしている。

ローカルなナレッジとか現場の知恵というのには、とても深い部分がある一方で、彼らの思考と言うのは自己最適化に走りがちだったりする。ローランドベルガー会長の遠藤氏の著作 (たぶん「現場力を鍛える」) にもそんな記述があった。インドのケースの場合、問題は現地の貧しい労働者たちが法律で定められた最低賃金を支払われていなかったことだが、これに対し、ローカルが唱えたことは「最低賃金を払え」。

この主張は当たり前ではあるが、実は政府側の記録では賃金はしっかり払われていることになっていて、水掛け論になっている。ここで、アルーナはこれを「賃金に関する情報を請け負い業者が開示する義務を定めた法律を制定する」という運動へと昇華させる。政府側の事情も把握することで、本当の問題がどこにあるのか、大きなシステムの中のレバレッジポイントを見ることが出来る。これは、変化のエージェントの重要な資質だと思う。

授業のまとめとしては、ストラテジー、エンゲージメント、そしてアクション、と変化に求められる3つの側面があるが、どれがいちばん先に来るのか、どれがいちばん大切なのか、状況によってきちんと把握するようにアタマを働かせようという内容だった。この授業は、ほんとうに毎回学びが多い。

その後、NYCから韓国人の友人が訪ねてきたので夕飯を一緒したが、中華を食べ過ぎて注文した量の半分ほどを持ち帰る羽目になった。小桃園とかいう名前の店だったが、味も上々だったし量も多くて、しかも安い。とてもお得な感じだ。また食べに行きたいと思う。

1 comment:

  1. インドのケースめっちゃ興味あります!!!

    資料もらうこと出来ますか??m(__)m

    Tomoko

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