Friday, February 25, 2011

2月24日(木) 企業訪問、オペマネ、VIP襲来、他。

8.45 am 企業訪問 Philips Healthcare
12.50 pm Operation Management
4.00 pm K氏のHult見物
4.30 pm K氏とお茶会
8.00 pm 米国料理の洗礼

【企業訪問】
キャリアオフィスの企画で、ボストンから北へ来るまで45分の場所にあるPhilips Healthcareへツアーへ。実は私は当初このメンバーに入っていなかった。参加者枠があっという間に一杯になってしまったためだ。しかし、諸事情により今回のツアーにぜひ参加する必要があったため、担当のキャロラインにいろいろと相談してなんとかバスに乗せてもらった。

現地では社内に用意された製品案内ツアーに参加したあと、Hultの卒業生との懇親会。部屋の隅では赤いセーターを着た女性が参加者一覧用紙にしきりにチェックを付けていたので、実は採用の一環だったのだなと、のんきな私もようやく気づく。次以降に参加する人は気をつけて。苦笑。

【オペマネの授業】
昼過ぎにHultに戻り、オペレーションマネジメントの授業。以前マーケティングでも取り扱ったスターバックスのケースを、オペレーションという側面から議論する。つまりは顧客満足(CS)が極端に高い顧客が利益の多くを生み出すので、投資効果を考えるときに、何人がNot SatisfiedやSatisfiedからHighly Satisfiedに変わればよいのか、ライフタイムバリューで計算しようという内容。ツールボックスのチームメイトバクティが教官に質問。「このケースは結局、マーケティングの問題なのか、それともオペレーションの問題なのか」。教官Nickの返答は「これはビジネスの問題だ」。してやられた感じ。

後半はヘルニア・クリニックのケース。細かい計算をして、オペレーション上のボトルネックを探す。医師の数、施術の時間、施術室の数、患者用病室の数から、1週間当たりに行うことの出来る施術の最大数を考えると、実は病室の数が不足してがボトルネックになっていることがわかる。つまり現状では、他のアセットは100%使用されていない。

しかし、おもしろかったのは、この病院は結局何も変えなかったというオチだ。患者病室を増やすことでビジネスをより効率化することができるはずだったのだが、これをしなかった理由は語られなかったけれど、今も実際にこの病院は存続して、繁盛しているとのこと。オペレーション効率だけを考えてスタッフを100%ユーティライズせず、少しの余裕を持たせたことで、ビジネスにかえってサステナビリティーが生まれたのではないかと意見を言ったら、教官はそうかもしれないとだけ言った。

ケースによれば、病院の人気の理由は、患者がその入院の4日間をとても楽しむことができるフレンドリーな雰囲気だった。他の入院患者との交流があったり、ランチは医師も同じ食堂で取っていたりするとのことだったので、スタッフである医師がピリピリしているならきっと同じサービスは提供できないのではないかと思う。特にマスプロダクションではないビジネスにおいては、拡大をやめる、効率化を徹底しすぎないことで生まれるポジティブな効果と言うのもあるのかもしれない。この場合、製品やサービスが極端に差別化されていなければならないだろうけれど。

【VIP K氏現る】
この授業のあと、ボストン在住ベンチャーキャピタルのK氏がHultの見物にやってきた。HultはEFという親会社の建物内(5F)に入っていて、正直なところぐるっと全体を見るのに要する時間は10分弱といったところ。6Fにある夜食コーナーや時々借りるだけのホールを合わせて、15分。「よくビジネススクール全部の機能をこれだけのサイズに収めたねー」とお褒めの言葉を頂く。笑

ちょうどこのときに日本人同級生もたくさんいたので、みんなでお茶。思いのほかたくさんお話をしてもらうことになる。案内した時間と釣り合ってないので申し訳ない。顧問先Zipcarのビジネスの話や、クラウドやソーシャルといったITに関する話をたくさん聞いて、ITに疎い私はいまいちピンと来ない部分も多いが、少なくとも昨日のSEOトレーニングを受けていて良かったなと思ったり。あとでKが「要するに今のITの授業(システム導入などを扱う)は、全部要らなくなるかもしれないということですよね」と言っていたのがウケた。とにかく、ためになるお話をいろいろ伺えてよかった。

【アメリカごはんの洗礼】
夕飯を外食、ボストンのケンブリッジストリートにあるアメリカ人経営のイタリアンに入ったが、ここでボストン在住半年にして、アメリカの洗礼を受けることになる。

40席くらいのこじんまりとしたレストランの雰囲気は良かったのだが、まず前菜の海老のフリッター的なものだが、衣からは盛大にバターの匂いがして、そしてソースはなぜか甘い。ボストンのシーフードは新鮮なので海老は美味しいのだが、衣とソースが強烈でくらくらする。二尾目は衣をはずして食べた。

アントレはカラマリのパスタにしたのだが、出てきたのは想像していた細く切ったイカ入りパスタではなく、くたくたに茹でたスパゲッティの上に小さなイカが丸ごとごろりと乗った大皿。イメージとしては、イカ飯 on the パスタ。ボリュームももちろん半端ではなく、とりあえず皿を眺めて途方にくれる。

一緒だったKの前には仔牛と生ハム、マッシュルームのトマトソースにモッツァレラチーズが溶けた大皿と、なぜかサイドにトマトソースのかかったペンネ。「なんか見てるだけで溺れそうだよねー」とかいうのが精一杯。結局半分くらい食べたところでギブアップ。

しかし、びっくりするのは、隣のテーブルではその溺れそうな皿が、それほど太っているわけでもないアメリカ人兄ちゃんによってペロリと平らげられていること。しかも、私たちより後で来店したのに、食べ終えるのは私たちより早い。このボリューム、この濃い味を、あれだけ早く胃袋に詰め込んで、よく普通の体型を保っていられるものだと驚愕してしまう。

率直に言ってメシは不味かったのだが、このアメリカの洗礼は貴重な体験だ。普段は割とよく知った店にばかり行くので、料理ではずれを引くことは少ない。イタリアンはノースエンドのイタリア人街で食べれば美味しいし、和食も評判をチェックしながら日本人経営の店を選ぶ。アメリカンでも、パブ料理なんかはシンプルで外れが少ない。今回の体験はとても不思議なことに、自分がアメリカにいるのだと強く認識する契機になった。

No comments:

Post a Comment