Monday, May 30, 2011

【ボストン情報】ちょっと変わったごはん

最近、ちょっと変わっていて美味しいお店をいくつか発見した。忙しいMBA生活の中で、HULT内のバーLingoや、Cambridge Galleria内のフードコート、ボリュームとカロリー満点のCheesecake Factory、アメリカナイズされた中華P.F. Changに飽きてしまった人は、ちょっと気分転換に美味しいものを食べに行くと良いと思う。

1. HELMAND Restaurant (アフガニスタン料理)

(ウェブサイトより。実際にはビーフがもう少し大きかった)

HULTから歩いて10分とかからないCambridgeの1st Streetにある。ケンブリッジガレリアを越えた次のブロックには、この店と隣のタイレストランが並んでいる。このタイも美味しくて過去に何度が足を運んだが、レアなせいもあってインパクトではこのアフガン料理の勝ち。
アフガン料理と聞いて当初全くイメージが沸かなかったのだが、レバノン料理に少しインドのスパイスの影響が加わった感じ、というのが食べてみての印象。ラムやビーフを大きな釜で焼くので、肉類はとても美味しい。全般的に野菜も多くてヘルシーだし、付けあわせがライスなのもお腹が落ち着いて良い。3名で行ったとき、前菜を3人で分けて、メイン各1品、ワインをデキャンタでもらって、1人当たり$30 - 40。

HELMAND
143 First Street, Cambridge, MA 02141
http://www.helmandrestaurant.com/


2. RANGZEN Tibetan Place (チベット料理)

Rnagzen Cambridge Tibetan Cuisine
店内の様子 ウェブサイトより。

Cambridgeのセントラルスクエアから徒歩5分。HULTからKendallまで、朝夕に青いバス ($2) と、ガレリアから無料シャトル (20分毎) が走っているので、そこからは徒歩圏内 (10分程度)。HULTから歩けば、30分くらい。ボストンは交通機関があまり便利ではないので、いやおう無しに良く歩くことになる。
これもチベット料理のイメージがなくて、全部が精進料理のようなものだったらどうしようかと思っていたが、実際には肉類も魚介類も食べられる。食べ物は、餃子が美味しい。あと、油と化学調味料の少ない中華料理という感じ。炒め物、ヌードル、チャーハンなども、全部美味しかった。チベットらしいもので言えば、バター茶がある。少し塩味で不思議な飲み物。予算は4人でたくさん食べて1人$20だった。

Rangzen Tibetan Place
24 Pearl Street, Cambridge, MA 02139
http://rangzenrestaurant.com/
http://www.yelp.com/biz/rangzen-tibetan-place-cambridge


3. Tres Gatos (タパスバー)


(写真はYelp!より)

オレンジラインのBack Bayから39番のバスに乗れば行ける、こじんまりとしているけれど活気に溢れたタパスバー。Jamaica Plainは治安があまり良くないと聞いていたが、メイン通りを歩く限りは全然大丈夫とのこと。帰りは夜道だったが、特に危険な雰囲気も無し。
料理はイベリコ豚のハム ($12 訂正しました) がほんとに絶品。チキンのコンフィ ($10) や、エビのガーリック焼き ($10) も美味。赤ワインも美味しいものが揃っていた。本屋とレコード屋が併設されている (と言うかそちらが本業らしい) ので、今度はそちらも見てみたい。ドリンクが進むので、1人2杯飲んでしまうとして、予算は$30と少しか。

Tres Gatos
470 Centre Street, Jamaica Plain, MA 02130
http://tresgatosjp.com/

5月28日 (日) 散歩

先週くらいから、ボストンに夏がやってきている。これまで良い天気がやって来る度にいつも「ついに春が来た」と言っては、数日後だとか、酷いときには数時間後だとかに訪れるどんよりした天気裏切られ、クローゼットに仕舞いかけたジャケットを結局また引っ張り出すというパターンが続いていたのだが、この1週間くらいは、半そでで出かけられる陽気が続いている。

日曜日、気分がよいのでチャールズリバー沿いを散歩してきた。セントラルスクエア近くのFlourというカフェで、ローストラムとクコの実が入った美味しいサンドイッチのランチを食べた後、ドームのデザインが素敵なMITの図書館の前を通って、チャールズリバーにたどり着く。


HULTは、MITやハーバードと同じケンブリッジに位置している。対岸がボストン。ただし、一般にボストンというと周辺のいくつかの市を合わせた大ボストンエリアのことを指すみたいだ。ボストンの人は、ヨットやカヌーでチャールズリバーを漂うのが好きなようで、対岸には白い帆がたくさん見える。冬の間には、この広い川が完全に凍り付いてしまうのだから不思議なものだ (そうでもない、か)。


停泊中のヨット。航海に出たくなってしまう。大阪にいた頃も、1人で意味もなく自転車をこいで海を見に行ったことがあるが、水の流れの上をぷかぷかと漂う船を見ているとなぜか気分が癒される。ふとアタマをよぎったフレーズ、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」というのは、鴨長明が書いた方丈記の冒頭だが、まさかチャールズリバーを見ながら盛者必衰の無常について考えることになるとは。そんな気分転換も悪くない。


広い河を眺めて、少し写真を撮って、サイクリングを楽しむ人たちに追い越されて。私が歩くのは、せいぜい狭いサイドウォークだ。マイペースで行くしかないか。

Saturday, May 28, 2011

5月27日 (金) マーケ、HSA、中華壮行会、南米パーティー

8.30 am Solutions Marketing
3.30 pm HSA Meeting
5.00 pm Skype Conference
6.30 pm Farewell
10.00 pm Os BD

朝からソリューションマーケティングの授業があった。Thought Leadershipという少しつかみどころのない概念についての授業だ。意味を自分なりに噛み砕くと、「ある特定分野について知識を持っている者として、業界や関係者から優れた受ける承認」。例えばHULTはビジネススクールとしては珍しいNGO (Water.orgやクリントン財団) との提携でグローバルケースチャレンジを行ったことで、新しい取り組みを行い、ビジネスとソーシャルな問題を結び付けようとするグローバルなビジネススクールとしての認識を関係者から得たのかもしれない (それが得られた確証はないけれど)。

後半にはアクセンチュア (http://www.accenture.com/us-en/Pages/index.aspx) のはいパフォーマンス・リサーチセンターのダイレクターであるポール・ニューマン氏がゲストスピーカーとしてやって来て、自社のThought Leadershipへの取り組みについて語ってくれた。知らない分野の内容について早口で話されると、しばしばアタマが追いつかないのだが、とにかく企業としていろいろな取り組みがあることは分かった。

午後には、HSA (自治会) のミーティングがあり、スチューデントサービスやITとオペレーションの担当者などとHULTでの生活全般について話し合う。ここ数日、インターネットのサーバーに問題が起こっているらしく、この事情を聞いたりする。そのほかに、キャリアサポートに対しての学生の要望を伝えたり、また、卒業パーティーや卒業アルバムについても、学生が主体となって計画、運営するので、この予算や進捗に関する打ち合わせをしたりもする。

HSAに入っていることのメリットは、要望について自分の言葉で発信できるし、フィードバックを面と向かって受けられるので、とにかく納得感が高いということ。大きな組織では、なにがどうなっているのか分かりにくいと感じられることが多いと思うのだが、私は性格的にこれを極端に嫌う。あとは、私たちが受けとる情報を学生全体に共有していければいいのだが、今のところこれがあまりうまく行っていない。議事録は上がっているのだが、読んでいない人が多いし、読んだ上でも解決しようのない我侭ばかりを言う人もいる。

私たちの一年前にHULTでMBAを取得し、その後半年間のMFIN (Master of Finance) を先日修了、これから米国を離れることになる先輩S氏の壮行会。チャイナタウンでごはんを食べながら、米国での就職事情について聞くと、やはり状況は厳しくて、昨年、国籍もグリーンカードも無しで米国での就職を見つけた同級生は3人しか知らないとのこと。

私と同じように企業でインターンをしたあと、OPTを使って1年間滞在した学生たちも、これが本就職に当たってH1Bビザへの切り替えとなったときにうまく行かず、最近になって母国へ帰っていった人が複数いる。今のオフィスにもHULTの卒業生のインド人が1人働いていて、オフィスへ向かう電車の中で知り合ったのだが、彼もOPTが9月末で切れるようなので先行きが見えないと言う。私も今のインターン先に甘えないで、週末はもっと就職探しに時間を費やした方が良い。S氏がいちばん強調したのは、結局米国での就職において一番重要なのがネットワークだということ。誰かからの推薦なしに仕事を見つけることはとても難しいようだ。

その後、正直とても疲れていたのだが、ベネズエラのオスの誕生日パーティーへ向かう。最近、マーケのチームでも、HSAでも彼のパフォーマンスがあまり良くなくて、周りとの関係も少しギクシャクしているように思うので、こういう機会にリレーションをマネジメントしておくことはとても重要だと思ったからだ。結局、互いの人としての好き嫌いというのはチームのパフォーマンスに大きな影響を与える。世界中どこへ言っても変わらない。オスは元々とても気の良い兄貴肌なので、私にはない面倒見のよさや、みんなで何かをしようというアイデアをたくさん持っている。良い面を発揮してくれれば力になるのだが。

パーティーは正直大変だった。狭い室内2ベッドルームのマンションの1室で、騒音としか思えない音量で音楽を鳴らし、踊り、吠え、テキーラのショットを飲み干す。日本を離れてからいつも不思議に思うのは、どうしてみんなそんなにうるさいのが好きなのだろうということ。原始部族が日常を離れる機会である祭において、火を焚き、楽器を鳴らし、麻薬を吸入して、理性を失わせてトランス状態となるのと、同じような光景が目の前で繰り広げられているように見える。

12時になって隣人からクレームがきたにも関わらず、音量を下げてパーティーは続く。もちろん時間とともに音量は元通りになる。そんな中、私もテキーラを勧められ、初めは断っていたのだが、徐々に押しに負ける。部屋の中にいて断り続けるのは無理だ。結局3杯くらい飲んだ。ショットのあとにライムではなくオレンジを口にすると、ライムよりもたっぷりの果汁がテキーラの濃いアルコールを中和してくれるように感じた。

帰りは電車が終わっているのでクラスメイトがうちまで送ってくれた。とりあえずオスが私がパーティーに現れて、一緒に酒を飲んで騒いだことをとても喜んでくれているようで、次のミーティングではみんなで少し友好的な解決策に向かえるのじゃないかと思う。土曜と日曜は、少しゆっくりしながら、HSAミーティングの議事録、マーケティングのスライド作成、仕事探し、たまっているメールのレス、読書なんかをしたいと思う。

Thursday, May 26, 2011

5月25日 (水) 営利法人と非営利法人、等。

8.30 am Solutions Marketing
12.30 pm Social Innovation
7.30 pm Tibetan Restaurant

ソーシャルイノベーションの授業は、15名程度しか参加者がいないので、ディスカッションが活発で楽しい。教官のローレンスも、とても経験豊富でエネルギー溢れる女性で、いろんな質問を投げながら議論を活性化してくれる。

しかし今日の授業の前半では、経済発展と政府の役割についてムッツが少ししゃべりすぎた感があり、数人が醒め気味。よろしくない傾向だったので、「ムッツは昨日体調崩して休んだ分、今日は2日分しゃべろうとしているんです」と茶々を入れてやったら、クラスは笑いに包まれて良かったのだが、ムッツは気にしてしまったのか少し黙ってしまった。

後半の議論は、バングラデシュで事業を行っているBRAC (http://www.brac.net/) というNGOの活動の是非について。非営利法人であるこの団体が行っている事業は、農作物や海産物の販売、高級手芸品の販売など、バングラデシュの貧困層に収入を得る手段を提供する活動から、銀行の経営、大学の運営など多岐に渡り、イメージとしてはインドのタタグループのような財閥に近い。しかし、様々なプロフィットセンターを抱えていても、基本は非営利法人で、運営資金の一部は寄付金に頼っている。

参加者の中には、これはもう営利法人だと唱える者もいたのだが、私にとって重要な点は、このNGOの活動が営利か非営利かではない。着目したのは、これらの商業活動が株主にリターンをもたらすためのものではなく、地域の発展に貢献するものであるという点。市場があることで第一次産業に従事する人は収入を得ることができ、また市場では雇用が生まれる。大学で教育を受けられることは次の世代の人材を育成するし、銀行があることで新しいビジネスを生みだすのに必要な資金が手に入れられるようになる。バングラデシュは世界の最貧国の1つなので、そこに人々が自分たちの生活を向上させる機会を生み出しているBRACの活動は、組織形態がどうあれ、とてもすばらしいと思う。

私は強欲な営利法人と慎ましい非営利法人という単純なデュアリズム (二律背反って訳す?) 的な区別は間違いだと考えている。例えば英国にはCIC (Community Interest Company) という組織形態があり、コミュニティーへの貢献をミッションとする企業だ。社会的企業 (Social Enterprise, SE) と呼ばれる組織がこの形態をよく選んでいる。事業を通じて利益は出すけれど、これを配当として株主に還元するのではなくコミュニティーに貢献する事業に再投資することを条件として、税金の面で株式会社より少し優遇されるらしい。

また、CICに加えて、チャリティー団体というのも商業活動を行う。例えば、ロンドンブリッジ近くのBorough Market (バラマーケット http://boroughmarket.org.uk/) も、お店がオープンする週末には大勢の人で賑わい、そこから得られるお金で新しい設備投資を行い市場の拡大を行っている。こんな風に、地域貢献を目的としながら利益を生み出す商業活動というのは存在するのであり、営利法人は株主の方ばかりを向いて消費者を搾取するというのは、単純化しすぎた分類だと思う。

とはいえ、BRACが直面する問題は、事業があまりに多角化することで組織としてのアイデンティティがよくわからなくなることや、意思決定が遅くなることなどだと思ったので、一部単独で成り立つ事業から売却して、新しく産業振興につながるような事業を立ち上げていけばいいのではないかと提案。教官のローレンスもクラスの面々の一部もこのアイデアをとても気に入ってくれたようで気分が良い。しかし、ドイツ人のダニエルから、これを買収した後のマネジメントがとんでもない経営をしたらどうするのだと突込みが入ったのは、確かに当を得ているところもある。

夜、以前ベンチャーキャピタリストYokichiさんの呼びかけによる新年会で知り合ったマサチューセッツ大の研究助手YとエネルギーコンサルタントI氏、Yを介して知り合った脳と記憶の研究者T氏、Suffork MBAのAという日本人ばかりの面々でチベット料理を食べた。どんなものが出てくるのかと思っていたら、脂分と塩分控えめの中華料理という印象。とても健康的だし美味しかった。

Tuesday, May 24, 2011

5月24日 (火) マーケ、ソーシャル、バースデー

8.30 ソリューションマーケティング
11.30 HSAミーティング
12.30 ソーシャルイノベーション
3.30 facebookメッセージにおどろく

ソリューションマーケティングには、教官のハーレイが代表を勤めるSolutions Insight社のパートナーがゲスト講師としてやってきた。テーマはソーシャルメディア。面白いテーマだったのだが、授業のスピードが少しゆっくりで、流れに乗り切れない感じで残念。HSAミーティングは唐突にキャンセル。ムッツが風邪、ウェンディーがリハビリ、オスが空港で母親のお迎えだそうだ。ふぅん、と。

ソーシャルイノベーションでは、フィリップスの事例とP&Gの事例。ソーシャルイノベーションっていうのは何なのだと議論。BOPと呼ばれる収入の少ない顧客層をターゲットにする場合、ビジネスの仕組みとして彼らに雇用を生み出し、収入を増やしていくような仕組みがないとビジネスは持続しない。そして、細かいところに手が届く、ローカル政府やNGOとの連携が不可欠だと。昨日ケース分析を書き上げるためにケースをいつもよりしっかり読んだので、たくさん発言することができて気分が良い。

余談だけど、ビジネスというのは、利益を生み出すことも大切だが、物流や資源、そして雇用や組織を通じて、大げさじゃなく世界のあり方に影響を与えていることにも、もっと注目するとよいと思う。働き方、家族と過ごせる時間、石油の輸送とCO2の排出など、ビジネスの影響は大きいからだ。どこか途上国で取れたオレンジが何千マイルも旅しているのは、やっぱりサステナビリティーの面から見ればおかしい。Ashokaのビル氏も言っていたように、大きな枠組みでパターンを見ることができる視点が重要だと思う。

授業終了後にFacebookにログインすると、Wall上にハッピーバースデーメッセージが110件ほど着ていて笑った。なんであれ、祝われるのはよいものだ。

5月23日 (月) マーケティング、ゲスト、課題課題。

朝からソリューションマーケティングの授業。製品中心からソリューション中心の企業への転換をどのように図るかという内容。Best Buyというこっちのヨドバシカメラみたいな電化製品の販売店が、Geek Squadというアフターサービスを行う企業を買収して、販売からアフターケアまでを行える「ソリューション提供企業」を目指すのだけど、私にしてみれば、まず販売の時点でサービスが全然存在していないので、そもそも先に変えるべきところがあるだろうと思ってしまう。

日本の販売店なら、製品を見ていれば勝手に店員がやってきて、こちらの予算や需要などに合わせて、(なるべく高いものを) 選んでくれるが、こっちでネットブックを買ったときには、自分でスペックを調べて買う製品を決めた後、店員の手が空くまで30分近く待たされたからだ。修理は、お店を通じて製造メーカーに回すだけでよいから、接客をもう少し何とかすればいいのに。

そんなはなしをしながら、お昼ごはんをフィンランドのパシと食べたあと、マーケティングの課題を終わらせ、3時半からは夕方にやってくるゲストを迎える準備。マーケティングの最終プロジェクトのため、EMCというデータストーレージを初めとした、インフォメーション・インフラストラクチャーを提供する企業のマーケティング担当者が来訪。いまいち内容のつかめずにいたクラウドコンピューティングについて面白い話が聞けた。この企業も、ソリューション・プロバイダーとしての転換を図っていて、そこから付随するビジネス上の変化について分かりやすく説明してくれた。

終了はおよそ7時半くらい。ここからソーシャルイノベーションのケース分析の課題を終わらせ、締め切りが近づいていたルーム・トゥ・リードの翻訳をやって、翻訳その2に取り掛かったところで疲れてきたので家に帰ることにする。片づけをしているところで、日付が変わって誕生日になった。帰宅して、そばを食べる。美味。

Sunday, May 22, 2011

【雑文】英語の話

唐突だけど「英語が話せない」には2種類あると思っている。

1. 言いたいことが英語にならない
2. 何を言っていいのか分からない

私個人で言えば、HULTで勉強していて、2「何を言っていいのやら…」という状況は今でも良くあるのだが、1「英語で何て言おう…」は、あまり無いように感じている。ことばが出てこないときは、日本語でも何も出てこない。しかし、初めての一人旅の頃だとか、学生のときに英会話を習い始めたときには、これが逆だった。アタマの中にある日本語のフレーズをどうにも英語で表現できずに困った。

2. に関しては正直今でも、質問で返すとか、お茶を濁すとかいう方法しか取れずにいるのだが、1. に関しては、実はとても大切な学習機会だと思う。このような場面に直面するたびに、自分のスピーキング能力を向上させていくことができれば、自分のニーズにぴったりなフレーズばかりを学習できることになる。

そこで私が繰り返した英語を話すトレーニング方法は、次のようなものだ。

まず重要なことは、自分の伝えたい本当のメッセージが何なのかを突き詰めて考えること。これは、日本語で考える。要するに自分は、「何」が「どうだ」と言いたいのか、1つの文で伝えるならばどうなるのか。いちばん重要なメッセージを適切に伝えるシンプルな1文が出来上がれば、これを英語に直すのは難しくない。

注: これをやるときには上記のような「突き詰めて考える」とか形式ばった日本語を使わないことが大切。私なら「simplify (単純化する)」、「clarify (明確化する)」、あるいは単純に「find (見つける)」などの簡単なことばを選ぶ。

しかし、この問題点は当然ながら時間が掛かること。大体の場合、初めはタイミングを逃したりして、これを言えず仕舞いになってしまう。私は負けず嫌いなので、「こう言ってやればよかった」という後悔はいつまでも心に引っかかる。

そこで私は、この自分の言いたいフレーズを、次の機会で確実に使えるように練習する。悔しい気持ちが消えないうちに、ひとりでブツブツと繰り返す。傍から見れば怪しい人だが、これをやらないとまた同じ悔しい思いをするのだから、反復練習あるのみだ。

大切なことは、この自分の考えをシンプルなことばで伝える英文のパターンを、自分の中で蓄積していくことだ。すぐに口をつくくらい「自分のものにしたフレーズ」が増えていけば、自分の意見をいうための苦労はどんどん減っていく。この自分フレーズが完璧な英語である必要はないと思う。まずは伝わることが重要。うまく伝わらなければ、周囲の人にでも聞いて、間違いを修正してもらったり、もっと効果的に伝えるフレーズを身に付けていったりすると良いと思う。

私が、自分の微妙な英語でこのエントリーの内容を説明するならば、
In order to improve your spoken English, you should simplify your messages in Japanese, repeat them till you feel comfortable, and build the list of your own 'simple phrases' in your mind.
と、おおよそネイティブライクではないものの、冗長なエントリーをいちいち英訳するよりも伝わりやすい英文になる。なお、この文の間違いの修正や改善案は超歓迎。

Saturday, May 21, 2011

5月20日 (金) オフィス、リムジン、ボーゲル塾

朝からオフィスへ。MBAの学習の一環としてインターンを許可するCPTというものがもらえたので一安心といったところ。8月まで授業のない日はこのオフィスで手伝いをしながら、自分のプロジェクトを進めることになる。プロジェクトの内容についてメンターと話し、チームのアメリカ人ビルがやっているマーケット調査の一部を担当することになりそうだ。



オフィスから最寄り駅まではタクシーを使う。
今日は近くにいたという理由で黒塗りリムジンが現れて噴いた。


いつもより少し早く、4時過ぎにオフィスを出て向かったのは、セントラルスクエアの近くで行われたボーゲル塾という有志の勉強会メンバーによるパーティーに参加するため。私はつい最近になってこの私塾の存在を知ったのだが、ハーバードやMITの学生やボストン近郊の研究者や社会人が集い、ビジネス、経済、医療や教育など様々な側面から日本の将来について語り合っているとか。

このボーゲル塾については、いくつかの有名なブログでも取り上げられているので、それらを参照のこと。中でも、これが秀逸。 MIT Sloan 遊学記 「ボーゲル塾の門を敲く」 (http://sloanmit.exblog.jp/7318833/)

今回のパーティーは一年間のお疲れ様会らしく、全く部外者の私が参加するのはとてもためらわれたが、ボストンと言う地の利を活かした、志の高い人たちに会える貴重な機会をロスするのももったいないので、とりあえず飛び込んでみた。

参加者には財務省、国土交通省、総務省といった留学中の官僚の人たちや、MGHの医師、ハーバードやMITの学生、理系研究者など、幅広いバックグラウンドを持った人たちがいた。主催者のボーゲル先生が途中で現れ、短いまとめのコメントをされたのだが、日本の状況は厳しい。中でも欠けているものはリーダーシップである。そしてこれまでのリーダーには問題を起こさないタイプが選ばれていたが、今後はそうではないタイプの方が良いのではないか、と言われたのが印象に残った。

とにかく私も授業が忙しくなれば、アタマがいっぱいになるし、自分の専門外の事柄については日ごろ注意を払わなくなる。ストラテジーの教官デネフも言うように、専門家と言うのは、勉強すればするほど、専門知識が深くなり、一方で専門領域が狭くなる。この分断というのが問題であるということを私もよく感じることがあるが、このボーゲル塾というのは、より大局的な視点から、リーダーシップや当事者として何ができるか、というところに焦点を当てているように感じた。

スピーチのあと、ボーゲル先生が近くを通ったので、もし卒業後に就職がうまく決まりボストンに残れることになれば、ぜひ塾に参加させて欲しいとお願いしたら、快くOKしてもらえた。なるほどボストンにいるメリットの1つは、こういった著名なリーダーたちが近くにいることなのだなと改めて感じる。

Tuesday, May 17, 2011

5月17日 (火) ソーシャルイノベーション、試験返却

朝から雨。今週のボストンの天気は酷い。どんより暗いことで知られるロンドンではすばらしい天気が広がっているようで、何かが間違っている。

ソーシャルイノベーションの授業に向けて、デザインシンキングについての文章を読む。アイデアの生み出し方についての話。そして多くのステークホルダーや物事のいろいろなフェーズを考慮に入れることが重要だと。システムシンキングとよく似ていると思う。これも、理論を読むより実践してみてこそ腹に落ちる感じ。

ソーシャルイノベーションの授業は、PlayPumpというNPOを扱った事例で、子どもが回転式遊具で遊べば地下水がくみ上げられるというすてきな仕組みで、アフリカ各地に水道を設置した慈善事業の話。しかし、このアイデアはすばらしい一方で、一定期間が経てば遊具が壊れて水が出なくなったり、修理には数ヶ月を要したりと、持続する援助というのは難しいということを改めて認識すると同時に、持続する変化というのはやはり当事者である現地の人が自分たちの力で手に入れるものでないといけないのだと感じた。

ハーバードのチェンジ・エージェントの授業でたびたび取り上げられたが、チェンジマネジメントには、オペレーションやプランのマネジメントに加えて、意味付けのマネジメントという側面がある。変化に関わる人をエンゲイジさせるのは、彼らがそこに困難を乗り越える努力をささげるに値するだけの意味を見つけることだ。人から与えられたものというのは、物事がうまく行っているときには歓迎されるが、困難に直面したとき、もらった人は責任を取りたくないと感じてしまうからだ。現状から何かを変えようとすれば、困難は必ず現れる。これを乗り越えたいという気持ちを、どれだけの人が持っているかというのは、変化が実現するかどうかに大きな影響を与える。

さて、今週になってモジュールBの試験が返却されている。ダルコのファイナンスIIのファイナルは、16.5点/18 (15点満点と3点のボーナス問題)。このスコアは悪くないが、どうやら周りを見ると高得点が続出していて、この試験ではあまり差が付かなかった様子。成績の良し悪しは、クラスでの発言量やチーム課題が要因となっているのではないかと推測される。A(またはA-) が取れなかったのはとても残念だが、授業の内容はアタマに入っているということだと納得しておこうと思う。

デネフのストラテジーの課題2は15点/20 (平均点の少し上)、ファイナルは45点/50 (上位8%以内)。課題1で私のチームはコース最低点を記録してしまっていたので、最終成績がB+で落ち着いたのはファイナルで巻き返せたのが原因の様子。とにかく要点を絞って無駄なことを書かず、そして授業で習った理論に基づいて明確に解説を加えると、どの選択肢を選ぶかに関わらず高得点がもらえている。

Monday, May 16, 2011

5月16日 (月) マーケ、ミーティング、英作文

12時からマーケティングのチームミーティング。ソリューション提供のプロセスを、顧客のアクションやフィジカル・エビデンスの面から分析するブループリントというツールを使う。ホワイトボードになんだかんだとアイデアを落としていくプロセスは楽しい。

このチームは、フィンランドのパシ、ベネズエラのオスワルド (オス) とキャロライン、ルーマニアのダニエラとインドのパヤルという面々。チームのミーティングはうまく行ったが、オスのファシリテーションがあまり良くない。パシとパヤルのコメントが的確なように思う。パシはミーティング中に効率的にパワーポイントを作成してくれた。ミーティングを一度締めたあと30分ばかりレビューして、若干の修正を加えて完成 (コメントはまだ受け付けるけれど)。

4時から7時までマーケティングの授業。スターに選ばれるが、すっかり忘れていた質問で指名されて赤っ恥をかいた。挽回を図って手を挙げるのだが、かなり積極的に発言する面々と並んでしまったためにチャンスは得られず。同列にいたのはHSAの同僚のマレーシア人ウェンディーとオランダ (+ ラテン) 系米人のムッツのせいだ。明日ミーティングがあるので文句を言ってやろうと思う。彼らにすれば謂れのないクレームだろうけど。

その後、マーケティングの課題に急遽追加されたA4サイズに一枚の箇条書き程度の文章と、プロジェクトのメンターとなるデータ・ストーレージの大手E社の担当者へ送付するアポ依頼メールの原稿を作成。チームに投げてフィードバックをもらいつつ、英語の上手な友人に校正をお願い。Skypeで細かくチェックをもらうと、なるほど自然な英文になる。英作文に関しては、たくさん練習しているつもりだが、やっぱりネイティブの壁は厚い。

私がこの文章作成を先頭を切ってやったのは、実はチームの中にイニシアチブをとりたがるのだけど英作文が致命的に下手なメンバーがいたからだ。いつも独断でチームを代表してメールを投げるのだが、その文法やトーンやタイプミスがとても酷く、私は何度か苦言を呈している。正直、彼に外部 、しかも大手企業 向けのメールを送らせるのは絶対NGだったので、この暴走を阻止する目的は達成された。

11時の閉店間際のアメリカナイズされた中華料理店P.F Changに飛び込み、チキンの炒め物とキリンビールで夕飯。帰宅後、諸々の整理。就寝。

Friday, May 13, 2011

5月12日 (木) ASHOKA.org、社会起業について

朝からメンターのところに顔を出し、少し調べ物をしてレポートをまとめて、ボストンへ帰ってきた。いつもより一本早い電車に乗ったのは、モジュールCで履修しているソーシャルイノベーションの教官、ローレンスがSimmons Collegeと言うところで行われるイベントに招待してくれたからだ。とてもすてきな話を聞かせてもらったので、メモを残しておこうと思う。

このイベントは、スタンフォード発祥でサステナビリティーに関する活動を行っている学生中心の弾代、Net Impact (http://www.netimpact.org/) のイベントで、メインスピーカーは、ビル・ドレイトンという人。Ashoka という社会起業家支援を行う団体の設立者で、参加者はサステナビリティーに関わる人だとか社会企業家が多かった。


パネリストは、ビル氏とAhokaのフェローの社会起業家2人、NIのボストンの人が1名だったんだけど9割がたの時間はビルさんが話していた。とても穏やかかつクリアな口調で話すビル氏が、もしも自分の成功談をうれしそうに語っていたなら、きっともっとつまらないトークになったのだろうけれど、全然そうはならなかった。期待を裏切られたし、行ってよかったと思った。

ビル氏のいちばんのメッセージは、みんながチェンジメーカーであるべきだという点だと今の時点では思っている。このビジョンと違って、今の社会は繰り返されるパターンで構成されていて、個人はこのパターンをスムースに回すことに終始していると言う。

今、多くの人が何かがおかしいと思っている中で、ビジョンを実現していくために必要となるのは、現行のパターンに組み込まれてしまう人じゃなく、このシステムを見ることができて、そして変えていける人が必要。変えていける人は、家庭環境や教育を通じてリーダーシップ、チームワーク、チェンジマネジメント、そして共感することを学んでいる人。ほんとはこういう人は21歳以下でチェンジメーカーとしての経験をしてきていないとダメなんだとか。古いパターンの中でステータス・クオの番人をやってきた人が、突然変化を起こす人になるのは大変だから。

しかし、そういうビル氏がAshokaを始めたのは21歳よりずっと後。理由のひとつとして、本人の家庭環境として、両親や生まれ育ったNYCという街とかが大切だったと語る。世界の捉え方やモノの見方、要するに早期に形成される根本的な価値観というのが鍵だって言ってるのだと思う。

確かに、良いレールに乗ることの大切さや、そこから外れることの怖さを教えられて育ったチェンジメーカーというのは、なかなか想像しがたい。エリート層出身のチェンジメーカーというのはいるけれど、この人たちのマインドは、エリートしてる間もずっとチェンジメーカー側のものなんだと思う。

必要なものは新しいパラダイムで、それをみんなが見ることができることが大切なんだって言ってた。もっとこうあるべきだという考えを共有できることなのかしら。今のパターンというのが持続しないことは私たちもずっと分かってる、ただもっと共有されないといけない、だったかな。時々文脈を捉え損ねてしまったりで、どこまでこの大きなビジョンについての話を理解できているのかに自信がない。

チェンジメーカーとそのコンビネーションがキーで、このムーブメントががある時点でティッピング・ポイントに達しなきゃいけないんだと。Ashokaは、そのためのネットワークのハブだって。あと、ハブはいっぱいある。世界はTeam of teamsだと言う。

しかし、このTeam of Teamsのイメージがいまいちつかめない。チームっていうのはファンクションの結合体じゃなくて助け合えなきゃならず、だから共感できることが大事だって言ってたのは覚えている。チームのチームっていうのは、チーム内とチーム間での相互ヘルプがあるということなのかしら。

ビル氏のトークのもう1点のテイクアウェイとしては、例えばMBAの学生は、卒業後生きていく国(や業界や職種やなんやかや)を決めることはよく考えているが、生きていく「コミュニティー」を考えることっていうのも大事だと。どんな指向性を持った人と一緒にいたいかということ、か。

自分がほんとに思うことをやるのに必要なのは、ただ自分自身に許可をあたえること。P.センゲのワークショップで「私は~であることを選択します」と声にしてみるエクササイズがあったけれど、なるほど私なんかはどうにも意志が弱いのか、日和がちなのか、自分自身に継続して言い聞かせないと気持ちはすぐしぼんでしまう。

Wednesday, May 11, 2011

5月9日 (月) モジュールC開始。

11時30分よりYearbookの話し合い。雑誌の編集をしていたらしいウクライナ人のアナがいろいろと説明を加えるのだが、どうにも無駄に詳細な解説が多くて性に合わない。とりあえず使えるお金は決まっているのだから、その範囲で割り当てを考えればいいと思うのだが、人によって話の進め方が違うのは仕方ないがストレスがたまる。

その後、モジュールAでマーケティングを担当していたハーレイによるソリューション・マーケティングという授業。B to Bのマーケットでは、プロダクトとサービスを併せて、それぞれの顧客にカスタマイズされたソリューションを提供することが大事だという話だったと思う。自社が何かを売るという認識ではなくて、顧客の問題が解決された状態だとか、顧客に測定可能な価値が生まれた状態だとかを実現するのが、ソリューションの提供という概念の様子。

ソリューションを提供するためには、部門を横断した連携が不可欠で、そしてテクノロジーの果たす役割が多いとのことで、テクノロジーについて多少詳しいとこの授業では優位の様子。私は、ややこしいのは苦手なのだが。

その後、うれしいニュース。インターンの件でスチューデントサービスに話をしたところ、企業からのレターの問題が解決しそうな雰囲気だ。あとは、担当教官の許可待ちだが、ここでは問題が起こらないことを祈る。Deanには話が通っているので、担当をお願いしたハーレイの反応だけがキーになってくる。

あと、関係ないが、産業調査と呼べば、前職の仕事の内容を比較的正確に表現できることが分かった。英国での再生可能エネルギー産業の仕組み、炭素税の仕組み、政府によるコンサルティングファームの利用の仕方などを調べてレポートを作成していたので、産業調査とか、英語でIndustry Researchとか呼んでしまえばそれっぽくなる。

Saturday, May 7, 2011

5月6日 (金) ペーパーワークとコンサート

インターンの件、結論を言えば、前日から困っていたペーパーワークが結局うまく行かず、CPTというインターンを許可する書類が取れなかった。この承認を得ないままに企業で仕事をすると、法律に触れてしまうらしいので非常に面倒なことになった。

モジュールBの間は、メンターシップの一環として事務所へ出入りさせてもらっていた形だが、今後はいったん書類を整えてから出直すことになる。メンターのナンにも面倒をかけてしまい申し訳ない気分だ。とにかく月曜日にHULTのスチューデントサービスおよびキャリアサービスと話して、解決策があるのかどうかを検討したい。

そんな困っているときに、モジュールBの成績がメールで送付されてきた。全般的に振るわずモジュールのGPAは3.38 (B+ のわずかに上)、モジュールAと合わせて3.48となっている。オペレーションでA、チームビルディングでA-が取れていたが、あとはファイナンスII、CSR、ストラテジーがB+で終わっていたし、苦手なIT、マネジメントコミュニケーション、コンサルティングスキルがBで成績を下げていた。成績にこだわってもメリットはないらしいが、もうちょっとできるかなぁという印象。

帰り道に、最近知り合ったMITやハーバードの研究者の人たちと、Berklee音楽院の卒業コンサートに顔を出す。さすが世界でいちばん有名な音楽院の卒業式で、すばらしいパフォーマンスがたくさんだった。グラミー賞を受賞するような著名なミュージシャンもゲストに招かれて、数名は演奏にも参加していた。

年季の入ったプロの演奏というのは、特別なことをしていなくても存在感が違っているように思えて、何かを生業としてプロフェッショナルの領域に高めていくというのは、たとえ打ち込むものが違っても美しいものだと思った。卓越した業を自分の生き方の一部になるくらいに磨くことは、時間の掛かるプロセスで、効率の良い作業じゃないかもしれないが、とても素敵だと思う。

夕飯は、お気に入りのバーに寄った。ごたごたとしていることが多く、気分の優れないことが多かったりもするのだが、いったん肩の力を抜いて、来週からの授業とインターンに伴うペーパーワークに備えないと。

Thursday, May 5, 2011

5月5日 (木) 日本はこどもの日

今日もオフィスへ。受付のおばさんに、今日は日本じゃ子どもの日なんだと言うと、メキシコじゃ「シンコ・デ・マヨ」という記念日なんだと教えてくれた。別にこの人はメキシコ人ではないのだけど、どうやら米国では有名な記念日。グーグル先生に聞いてみると、どうやら対フランスの戦争に勝利した記念日で、別に祝日ではないらしい。国が違えば、祝日もいろいろ。

今日はなんだかんだのペーパーワークとお金をめぐって、不思議な感じにゴタゴタした日だった。

朝からメンターのナンが、別部門から頼まれているデータ入力の仕事があるがどう思うか、と聞く。私はなんでもやるよと答えるのだが、ナンが少し渋っていたのは、内容が極端な単純作業で私にやらせるべき仕事ではないと感じていたかららしい。そして、私にこのレベルの仕事をやらせるならば、経験にならないのだからせめて給与が発生するべきだと主張する。

私としては、今まで見たことのないシステムに触れることに興味がないでもなかったのだが、ナンは給料が発生するように掛け合わせてくれ、と言ってしばらく別部門の担当者と話した後、メンターとしてアキにこの仕事はさせられないわ、と結論を出した。結局午前中は、昨日までにやったリサーチの内容に、別の人がまとめた資料の内容を加え、パワーポイントにまとめる作業を行うことになった。

MBAのインターンの場合、本当は有給が基本のようだ。しかし、無給でのインターンが行われるのは、不況も理由の1つだが、業界や職種、そして何より働く国を変える場合に、多少の経験を積むため。私の場合はまさにそうで、これまで飲食系のベンチャーでの経営企画や財務経理、フリーランスでの翻訳、校正やコピーの作成、英国でのなんとも分野の定まらないリサーチ業など、特定の業界や分野に強みを持たずにやってきたため、今度のインターンは、グローバルな医療機器メーカーでの市場調査や競合分析など、汎用性の高いというか、別の企業に転職する際に評価を得られやすいであろうスキルを身に付けられることを期待している。

しかし、午後にまた書類とお金をめぐって問題が発生。HULTから正式にインターンの許可をもらうためには、申請用紙の他に受け入れ企業側からのレターが必要なのだが、この企業の法務部から、無給でのインターンシップにNGを出たらしい。最低限の賃金が支払われない労働は、米国の法律に触れることもあるらしい (そういえば英国でも同じようなことがあった)。しかも、今回の問題は、現在この会社では予算が凍結されているため、企業としてはお金を出せない様子。

で、さらにまずいことに、このインターンに関する書類をHULTに提出する期限が明日だというので、明日の朝ナンとまた相談することになった。どうなることかしら。

5月4日 (水) Mass ID、友人ボストンへ戻る。

マサチューセッツ州のIDを取りに行った。まず、ノースステーション近くのソーシャルセキュリティーオフィスなるところで、働いていないのでソーシャルセキュリティー番号 (SSN) は発行できない旨をレターに書いてもらって、その後、チャイナタウンの駅近くにある交通局的なところでIDを発行してもらう。

このときにパスポートのほかに、I-20、住所、生年月日、サインを証明できるものが必要。しかも、これらはそれぞれ別のドキュメントでないといけないらしい。パスポートを生年月日の証明に使い、大家とのリース契約書をサインの証明に使うとして、住所を証明できるものがうちになくて困った。例えば電気や水道の請求書が使えるらしいのだけど、うちの場合、それらは大家の名前宛に来るし。困って交通局スタッフに聞いてみると、銀行の残高証明書が使えるとのこと。今度、これを手に入れてまた行かなくては。

夕方、モジュールBの途中で故郷のアイスランドへ帰ってしまったヒルダから連絡があり、また無事にボストンへ帰ってきたことを知る。さっそく近くの店で落ち合って、状況をいろいろ聞いてみた。来年、モジュールBをやり直すことになるが、モジュールCとDは私たちと一緒に勉強できるらしい。同志が帰ってきたのはうれしい。モジュールCはクラスも一緒とのことだ。

明日はまたメンターのところで仕事があるので、今日は早く寝ないと。

Tuesday, May 3, 2011

5月2日 (月) 喉が痛い。月曜日オフィス。

朝からメンターのオフィス。日本についての情報を新聞なんかを中心に集めてレポートにまとめる。提出先のヘンリが今日はお休み。なんでも中間試験だとか。彼女は、2児の母、兼、パートタイム学生、兼、チームのシニアマネージャー。非常にアタマの回転が速く、仕事もできる。すごい人がいるものだなあといつも思う。

ランチは、天気がよいのでお外で食べた。日差しが強くて暑いくらいだった。隣のマーケティング部門の人たちと同じテーブルになって、3名ばかりの人を紹介してもらえた。

午後、不意にメンターのナンから声を掛けられ、人事でMBA採用を行っているジルという女性を紹介される。そして、2時間後にまさかの面接。履歴書を見ながら、HULTのことや経歴を聞かれて、今空いているポジションの説明を受けた。興味があるというと、その部門の担当者に履歴書を回して面接をする気があるかどうか聞いてみるわ、とのこと。うまく進みますように。

その後、いつもの電車に乗ってボストンのノースステーションが7時半。HULTに立ち寄って返却されたマネジメントコミュニケーションの課題を受け取るが、成績はBと振るわず。構成があまり置きに召さなかった様子だ。きちんと見直して、文章のダメなとこは直していこうと思う。

Sunday, May 1, 2011

【HULT留学情報】 エグゼクティブトラック・プログラム


HULTのMBAを含む各修士課程には、エグゼクティブトラック・プログラムというものがあり、ウェブサイトにも紹介されている (http://www.hult.edu/mba-program/our-program/executive-track)。これは私がHULTに入学する前の年から始まった試みらしいが、出願者の中からキャリアや学歴、GMATの点数などに優れた人を選んで、さらに選考で選ばれた10-15名の学生にリーダーシップ・トレーニング的なものを提供するプログラム。

私見では、このプログラムには出願者の中から、卒業後にHULTのブランディングに貢献できそうなEmployabilityに優れた学生を囲い込む狙いもあると思う。プログラムの内容は、まだまだ整備中で変化しているが、結局どの程度参加者のキャリアのプラスになるかは、本人の取り組み方と、メンターとの相性によると思う。私は去年運よくこのプログラムの2期目に参加できることになったので、このプログラムについて少し紹介する。

1. プログラムの内容
  • 地元企業のマネージャーや起業家よるメンターシップ。
  • いくつかの特別セッション (自己分析、プレゼンテーション、セルフブランディング等)。
  • 人数が限定されたイベントへの参加権 (過去の卒業生が集まるパーティーなど)。
  • ソーシャライゼーション (メンバーでのパブめぐりなど)
セッションはおもしろい。参加者が14名しかいないので内容も濃い。また、キャリアオフィスやスクールのマネジメントとのコンタクトが増えるので、キャリアオフィスとの関係がちょっと良くなったり、困ったときにディーンだとかマネジメントダイレクターに気軽に相談にいけたりする (私はこれはHULTで過ごしやすくなる点で大きなメリットだと思う)。

イベントでいえば、最近キャリアオフィスが力を入れている (ように思う) のが、ボストン近郊にいるHULT卒業生とのネットワークで、過去に2000年の卒業生の同窓会や、ローカルで勤める卒業生を集めたイベントがあった。これは、卒業生30-40名程度が集まっていたが、ここに学生180人を来させると大混乱を引き起こすので、HULT側がETメンバーとボランティアとしてオーガナイズを手伝った学生だけを招待したもの。地元で勤める卒業生とのネットワークは貴重だし、とても重要なので、今後もどんどん強くしていってほしい。

いちばん大きな売りであるメンターシップ・プログラムは、まだ仕組みを整えている最中というのが率直な印象だが、私はとても幸運なことにそのメリットを大いに享受していると思う。私のメンターは、このブログにも登場するが、ボストン郊外の欧州系大手医療機器メーカーのシニアダイレクター。私は時折事務所を訪問して、いくつかのマーケットリサーチのプロジェクトに関わらせてもらっている。実際のビジネスへ自分の作成した資料を提出し、先日のようにプレゼンテーションを行い、フィードバックがもらえるので、異国の地で経験を積むという意味ではとても貴重な機会だ。

また、メンターは私の履歴書を他の部門やHRの担当者、その他知人にも転送してくれて、私の就職活動を応援してくれている。米国での就職には日本の場合に比べて、ネットワーキング (要するにコネ) がより重要で、企業側も誰かが推薦してくれる信用の置ける人を採りたいし、誰かを紹介するマネージャーも、優秀な人材を紹介することができるというのは自分の評価においてプラスに働くらしい。

誤解がないにしないといけないのは、コネがあれば使えない人物も良いキャリアを得られるのではないということ。良くない人材を紹介することは、紹介する側にとってもデメリットになるので、結局は、誰かに推薦してあげたいと思ってもらえるように、自分の強みだとかパーソナリティーだとかをアピールできるようにしないといけない。

実際のところ、メンターシップがうまく行っているのは、私を含めて2-3名 (14人中) といったところで、中にはもう全く連絡を取っていないとか、何度かランチを食べただけ、電話で話しただけ、というメンバーがほとんどである。メンターたちは基本ビジネスに忙しく、出張で飛び回っていたりもする。スケジューリングと、メンターシップに期待する内容について、初めのうちにきちんと合意を形成しておくのがベターだとつくづく思う。

2. エグゼクティブトラック選考参加のための要件。

  • GMATの600点台後半 (最低ラインが670くらい)
  • TOEFLの100点 (英語が母国語でない場合)
  • 最低3年のフルタイム実務経験

以下、あれば良し。

  • 国際性のあるバックグラウンド
  • 学業での成績
  • MBA+α の課題をこなせる能力とやる気

3. 選考方法

  • ドバイで行われるアセスメントセンター。

上記1と2を満たした学生に、HULT側からコンタクトがあり、アセスメントセンターに呼ばれる。これはHULTのドバイキャンパスで行われ、なんと航空券と現地滞在費はHULTが出してくれる (滞在はドバイHULTの学生寮)。

アセスメントセンターの内容は、グループワークとプレゼンテーションで、2時間おきくらいに違うメンバーと組み合わされたチームで、課題に対する解決策を考える。コミュニケーション力やリーダーシップ、協調性、創造性なんかを発揮することが評価のポイント。グループワーク間、アセスメントセンターのスタッフが様子をずっと観察していて、各人に成績をつけている。

また、休憩時間の周囲との関わり方なんかも観察されていて、例えば、人と会話ができないとか、同じ人種とばかり話しているとかは、よろしくない印象を与える様子。最終プログラムの終了後のレセプションでも、ざっくばらんな打ち上げではあるものの、ハメをはずすとしっかり見られているので注意。

4. 留意点というかなんというか

ところで、エグゼクティブトラックに関しては、良くない印象を持っている学生もいる。というのは、去年まではこの存在もウェブサイトなどでは公にされていなかったので、突然その存在が知られたとき、「なにか特別扱いをされているやつらがいるらしい」という風に捉えられたため。また、優秀な学生の中にも、出願時期が遅かったためETの選考が終了しており参加できなかったものがいるため、一部は選考過程がフェアじゃないと不満を漏らしていたりする。

HULTはビジネススクールとしてまだまだ成長中で、常に何か新しいことが始まっているので、こういったゴタゴタは避けられないのだろうなと思う。大事なのは自分の軸を持って、無駄な不満を言うことに時間を費やすのではなく、この若いビジネススクールのリソースを精一杯自分のものにしていくことだろう。とはいえ、私も自分からETについては進んで話さないようにしているのが実際のところだ (ブログに書くなんて持っての外だ。笑)。

5月1日 (日) ラーメン!

最近知人から、ボストンでちゃんとしたラーメンが食べられる場所を教えてもらったので、突然思い立って食べに行くことにした。

グリーンラインのBライン、Packards Corner駅のすぐ近くにあるピカイチという店は、以前Ken's Ramenというボストンでいちばん美味しいラーメン屋さんがあった場所だ。Tを降りると右手に見える香港市場というアジア系食品の揃うスーパーの中にあり、フードコートを通り抜けるか、駐車場側から歩いて行くこともできる。

ボストンはラーメン不毛地帯らしく (ロンドンもそうだったが)、NYCなら一風堂をはじめとする日本式ラーメンがけっこう簡単に食べられるのに比べて、ラーメン屋といえばNewburyのあたりにある麺亭くらいしか知らなかった。ちなみにこの麺亭に関しては、ノーコメント。

小さな店内は、テーブル席が15くらい、カウンターが少し。メニューはとてもうれしいことにカレー、ラーメン、どんぶり、という典型的なくらいに私が恋しく思うものばかり。ラーメンには、しょう油、みそ、塩があり、今回はみそラーメンを注文した。


(5月8日、写真追加)

トッピングはいろいろ選べるけれど、何も追加しなくてもコーンとチャーシュー、海苔が入っていた。みそラーメンのスープはこってり、麺もいける。日本であれば、取り立てて騒ぐほど美味しいわけではないが、お店のラーメンらしいラーメンが食べられたことは、ボストン生活においては奇跡的ですらある (大げさ)。ボリュームもたっぷりで、値段は税込$9.08。

次の週末にも来てしまいそうだ。

ピカイチ
Pikaichi Japanese Restaurant
Add: Hong Kong Supermarket, 1 Brighton Ave. Allston, MA 02134
Tel: 617-789-4818