Friday, July 29, 2011

7月28日 (木) チャイナのBとチャイナのH

ALP、ビジネスコンセプトのプレゼンの日。

インターンの事務所にも今日は行かない。朝のうち、家で作業をしてチームとメールのやり取り。昼前になって、HULTのパソコンルームでパワーポイントをいじっていると、中国のボがいたのでとりとめもなく話をする。うちのチームのアイデアを勝手にバラし(今さらマネをされるわけも無いし、そもそも彼らのチームとはテーマが違う)、意見を求めてみると、どうやら現地に拠点を持つNPOと連携して若干の教育サービスを組み込めないかと言う部分が刺さったらしい。

そのNPOというのが、私が去年からボランティアで英日翻訳を行っているRoom to Readなのだが、この団体について話すと、興味津々でジョン・ウッドの本もAmazonで早速買うとのこと。彼が教育に関心があるというのは知っていたのだが、食いつきっぷりに少し驚いた。

ボーは、中国の東大みたいな北京大学出身、英国系銀行で法人営業をやっていたらしい。モジュールAでGPA3.80というほぼオールAの成績を叩き出した秀才で、クラスの面々も彼には一目置いている。彼と話していて思うことには、ほんと中国にはいろんな人がいる。これまで中国本土にべったり育った人間とあまり突っ込んだ話をすることは少なかったのだが(彼らが中国語圏学生同士で群れるため)、実は政府の批判をする人間だってたくさんいる。表立ってできないだけだ。今度、和食か中華でも食べに行こうかという話になる。

そんなことを思った後のミーティングで、同じ中国から来たチームメイト、Hが暴走。直前になって、すてきな背景のスライドに、お花畑が咲いている系のパワポ資料を送ってきた。前回のミーティングで決めたテンプレートは使っていないし、前回決めた目次にまったく沿っていない。プレゼンテーション本番まであと2時間半なのに、どうするのこれ?

スライドに関して決めたルールはこんな感じだ。「3つのラフなビジネスアイデアをクライアントにプレゼンするので、それぞれについて0. 背景(白地にオレンジの枠、共有済み)、1. プラン全体像(フレーム共有済み)、2. ターゲット、3. 提供するもの、4. 必要なリソース、5. 収支概算。」しかし、Hが作ったスライドにはなんとも言えず不思議な背景(青空の下にどこまでも続く道路)に、捉えどころのない抽象的な言葉が並び、それらが1枚のスライドにつき10回もクリックが必要なほど複雑なのにまったく効果的でないアニメーションと共に浮かんできて、無駄に、動く。パワーポイント覚えたての大学生か、と言いかけて、今の大学生はもっと賢いことに気づく。私が10数年前に大学生だった頃にやってしまった間違い、というだけの話だ。

作戦は2つ。彼女のスライドから使えるところを切り取って元のフレームと目次に収めるか、あるいは、彼女が発表するパートだけ、諦めてそのまま暴走してもらうか、だ。クライアントのいるプレゼンなので、どちらがクライアントにとってベターかを考えなければならない。結局、目の前でウニョウニョ動くアニメーションを解読して、切り貼りしてフレームに収めるのは無理だと分かる。いくら話を聞いても、いったい彼女が何を言いたいのか分からないからだ。今あるままを、とりあえず見た目だけ修正し、プレゼンのあとの質疑応答で周りがなるべくサポートすることにする。

結局、そんなこんなでバタバタとしながらプレゼン終了。クライアントからは3つ提案したアイデアのうち1つに対してGOが出た。これにまつわる現状の課題をきいて、次の8日のプレゼンまでにさらにリサーチして、提案を行う。心配したHのパートは、要するに全くなにが売りなのか伝わらなかったらしく、「大きな設計図だけど、そこにあることは全部すでにうちがやってるね」と、クライアントから根本的なダメ出しがでて、彼の時間をほぼ無駄に等しいので、私はとてもへこんだ。

とにかく、あと10日でALPも終わりだ。

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