Sunday, March 20, 2011

【HULT留学情報】英語、授業対策について

HULT MBA入学予定者の方からよく受ける質問シリーズ、第2弾 (第1弾は住居探し)。テーマは、英語と入学前に勉強しておくこと。質問に答えて送ったメールからの抜粋を少し手直ししただけなので、文章が粗い点についてはお目こぼしを (いつも粗いといえばそうだ)。


英語について


1. HULTの様子と、求められるレベルの話。
  • HULTの学生の英語のレベルは玉石混交。多くのスクールで課せられているTOEFLのスコアは100だが、HULTは90くらいからNon-conditionalな合格が出ている印象。教官もそれを知っていて講義中は多少ゆっくり話してくれている、と思う。正直なところ、ネイティブが少ないこともあり、英語のハードルで言えば、英語圏のビジネススクールの中でいちばん楽かもしれない。
  • 他校と迷っている場合で、英語に大きな不安がある場合は、議論に参加できる、自分の意見を言えるという面では、Hultの方がチームワークに参加しやすいかも。よく聞く話で、ビジネススクールにいるものの、日本人は議論に参加できず、最終的にプレゼンテーション用のパワーポイント資料の作成だけが仕事になることもあるとか。
  • これに甘えるのではなく、得意分野不得意分野はあれど、少なくとも言語の面だけを取ればクラスやチームの中心になってディスカッションできるくらいを目指さないと、本当に使えるレベルの英語が身につかないと思う。これには私も少し危機感を覚えている。
  • 実際、TOEFL iBTの100というのは、多くの場合「最低限」求められるスコアで、「これが取れないとどうにもこうにもコースについて行きようがない」という意味。100点を超えたからといって「言語面で何の問題もなくMBAの授業や議論、グループワークをこなしていける」という意味ではない。困ったことに、これがみんな直面する現実 (頭痛の種だ)。

2. 英語に関するHULTのメリット
  • HULTは、語学学校であるEFと同じビルに入っているため、英語に不安のある学生はEFのスタッフから英語のサポートを受けられる。Dawnという英語教師歴のとても長い女性が主にサポートを行ってくれているようだが、とても親切だし説明上手。
  • 第2言語として英語を話す、あるいはインド英語、という比率が高いため、国際語としての英語を身につけることは出来ると思う。流暢なネイティブ的イントネーションや言い回しをカッコよく使いこなすのではなく、きちんと自分の意思を伝えて様々な相手と協働するための言語を身に付けざるを得ない。
  • 特に1年制のMBAプログラムなので、自分から積極的に参加しやすい点は大きなメリット。ネイティブに圧倒されているうちに1年なんて簡単に過ぎてしまう。特に英国の場合 (MBAではなく他の修士課程に限るのかもしれないが)、プログラムによっては、4月で講義などは終わってしまい、後は試験と論文執筆のみという場合もある。
  • 参考:私が以前いたスクール (専攻はビジネスだが非MBA) では、授業は6月中旬で終了、9月に論文提出、というスケジュールだった。
3. いろいろ踏まえた上での英語対策
  • スピーキングが重要。一般的な日本人の場合、リスニングとリーディングが良くて、ライティングがその次で、スピーキングがいちばん苦手かと思う。しかしMBAでは授業やミーティング中でも発言することがクラスやチームへの「貢献」として求められる。
  • 自分の意見を言えないことには、フィードバックを得る機会も逃してしまうし、しばしば周りをいらいらさせてしまう (気にしなければ良いが)。日本のカルチャーだと、黙っていても経歴だとかポジションだとか、たまにキラリと光る良いことを言ったりすることで信用を築けると思うのだが、お互い得体の知れない外国人同士の環境では、少し率先して自分に出来ることは出来るのだとアピールするくらいでちょうどよいと思う。黙っていては分かってもらえない。
  • タイミングよく、適切なスピードで話すことが課題。私自身、1対1だと話せるけれど、複数の外国人のグループに入ると会話についていけなかったり、発言のタイミングが見つけられなかったりした経験があるので、リスニング教材などを聞くときにただ理解することに努めるのではなく、どうやって返事をするか、切り返すか、自分はどう思うか、実際にコミュニケーションを取るつもりで練習しておくとよいと思う。
  • ただし、スピーキングを向上するためには、継続してのリーディングやリスニングによるインプットが必須。読むことや聞くことなしにはアウトプットに限界がある。初め少し伸びても、そのうち自分の知識内でしか上達しないので頭打ちになる。



一応、他の学校との比較コメントは、英国で1年間行った修士 (Cass Business School, MSc in Management) とHult MBAの比較。


授業対策 (英語対策に比べて内容が薄い)



  • 簿記3級の内容を知っているとアカウンティングの前半までが楽勝。特に教官のHancockは毎回テキストの問題を解いて提出させるので、予備知識がないとかなり時間を取られる。日本語での簿記3級の勉強は、薄い対策本を買えば一週間程度で出来るはず。
  • 企業のアニュアルレポートなど見ることに慣れておけば、プロジェクトで企業について調べものをするときに有利。勤務先、同業他社、他のメジャーな企業などのウェブサイト、IRセクションを、あまり見ることがない人は、時々見る癖を付けておくと良いかも。
  • ファイナンス、マーケティングなどについては、MBA参考書1冊持っておけば十分だと思う。私は通勤大学MBAの新書サイズのものが気に入っている (軽いから)。テキストは各教官が指定するし、教官によって科目へのアプローチも全く違うので、基礎を知っていて損はないが、下手に予備知識を詰めておいても必ずしも役に立たない。
  • 統計の概念を簡単に学んでおくと楽。来年度の教官が誰になるかは分からないが、おそらくオリエンテーションの初めの1週間、または入学前にオンラインコースで基礎をざっくりマスターすることを求められる。平均、分散、標準偏差、Confident Interval、回帰分析などシンプルなものだが、一から英語でやるのは時間の制限もありけっこう大変。
  • クラスで日本の企業の事例が多く出る。ここで日本企業の風土や、メーカーの品質改善活動など、日本人ならではの情報を発信できると周りから感謝される。大企業から来る人は自分のいた組織、マネジメント、業界についてはぜひ準備を。あとトヨタ情報は必須。

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