HULT グローバルケースチャレンジ(GCC)の学内予選の課題が発表された。
GCCというのは、実際のビジネスの課題を与えられて、 学生がチームに分かれて解決策やビジネスプランを発表するコンペティション。2年目にあたる今年は24チームがエントリー。私は、インドのビベック、ブラ ジルのギレムとファビオ、スペインのホセというメンバーでこれに参加。
予選のテーマとなるケースは、ナイジェリアで携帯 電話を使って不正医薬品のチェックができるサービスを提供しているSproxilというベンチャー企業の事例。日本では不正医薬品という単語を聞くこと は少ないと思うが、このケースによれば発展途上国では手に入る薬の30%だとか50%だとかがニセモノだとか。これは期待される効果を発揮しない不良品で あるばかりか、逆に健康を害するものであったりするらしい。年間の死者が何千人にのぼるというのだから酷い話だ。
このエントリーの最後に日記と関係のない記事へのリンクをいくつか貼り付けたのは、このケースに関連する情報をさっくりと集めるため。VOAの記事がいちばん読みやすく、The Economist誌の「Poison Pills」という記事がおもしろい。
医薬品業界の複雑なサプライチェーンが弱点となって、流通の過程で不正品が流れ込むのを防ぎにくいらしい。これを受け、世界中で製薬企業が不正医薬品対策 にあたっている。パッケージに複製の難しいホログラムを施してみたり、RFIDという薬剤のID情報をチップに登録したり、あと機械を使って薬剤の成分を チェックしたり。
今回テーマとなったSproxilのサービスは、銀はがし式の16桁の番号を薬剤のパッケージに貼り付け、消費者がこの番号を携帯 メールで送ると「純正品です」か「不正医薬品です」という返事がもらえるもの。以前The Economist誌で読んだが、アフリカの国々では、携帯の普及が目覚しく、パソコンよりも固定電話よりもずっと高いらしいので、なるほどユーザーにとっ て便利だ。
おそらく、この企業の成長戦略、競争戦略などのビジネスプランが課題になるだろう。強みと弱み、参入する国や業界、セールスチャネルなどについて、調べておくとよさそう。
参考記事など
● Cracks in the Pharmaceutical Supply Chain
http://www.cio.com/article/16565/Cracks_in_the_Pharmaceutical_Supply_Chain
● The Dangers of Counterfeit Drugs (First of Two Parts)
http://www.voanews.com/learningenglish/home/a-23-2010-02-22-voa1-84962182.html
● RFIDで医薬品サプライチェーンを守れ!
http://www.ciojp.com/contents/?id=00003326;t=0
● Poison pills (The Economist誌)
http://www.economist.com/node/16943895
● Pharmaceutical Security Institute
http://www.psi-inc.org/index.cfm
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