Monday, December 13, 2010

12月12日(日)

悪夢のような一日。テスト対策をするはずだったのだが、全てはクリエイティブ君の尻拭いに費やされてしまった。

午前11時過ぎ、電話が鳴る。チームメイトのジュリーだ。今日の夜12時が提出期限のファイナンスのレポートを見ろ、とのこと。言われるままに、インドのクリエイティブ君が取りまとめたレポートを開いてみると、とても見栄えのするテンプレートの上に、目も当てられないような内容のレポート。一部は、ウェブサイトからのコピー&ペースト (丸写し)、別の一部は、明らかにプロの文章であ、私たち学生が書ける内容ではない。もちろん、そこまでの内容は学生レベルなので、最後の20%ほどが極端に浮いている。

やられた、と思わずつぶやく。最後の浮いているパートを書いたのがクリエイティブ君。どうやら彼は、自分の株取引の参考にしているブローカーの文章を丸写しにしてしまった様子。

人の文章を自分の物として発表することを、英語でPlagiarism (プレイジャリズム / 盗作) といい、これはアカデミアにおいて大犯罪に当たる。大学院レベルでこれをやらかした場合、そのレポートに落第点を受けるだけでなく、その科目を落としたり、程度が酷ければ、当該セメスターの全ての単位を取り消されたり、場合によっては退学すらあり得る。

なんとか手直しをしてみようとしたのだが、正直ちょっとした書き直しや言いかえをしてみたところでどうにもならないクオリティーだ。アイデア自体が紛れもなくプロの文章であり、私たちの考察のレベルをはるか超越している。言葉遣いだけを変えてみたところで、内容が盗作であることをごまかせないレベルの酷い盗作っぷりだ。

1時間と少し掛けながら、内容を修正しつつ、どうしようもない部分にはコメントを付けて (これが大量にあった)、「これは提出できない。盗作で単位を失う可能性が高い」とチームにメールを送ると、クリエイティブ君から電話が掛かってくる。

「俺の個人的なブローカーの文章でもちゃんと引用先を示さなきゃダメなのか?」
(ブローカーの文章であって、君の文章でないなら、自分のレポートとして提出してはいけません)

もうクリエイティブ君には何を言っても無駄だと悟り、夜中までかかっても自分でやろうと決めて大学へ。パソコンを立ち上げると、新着メール。差出人はアルバロ。

「なんだ、俺の書いた分が盗作だって言うのか、この野郎」
・・・なんでそうなるのだ。

アルバロにメールで経緯を説明、とにかくまずいと伝える。幸いジュリーが大学にいたので、ネイティブの彼女を一緒に手直しを加えて、1時間と少しかけて使えない部分を削除してみたら、後半の30%程度が全部消えた。ジュリーが参考資料として用意したS&Pによるクレジットレポートを、クリエイティブ君は丸写しにしていた。内容も、言葉の使い方も、完全なコピーだ。頭を抱える私とジュリー。そして、ジュリーは避けられない用があって帰ってしまう。

締め切りまで残り5時間。とにかく手元にある資料を使って、ウェブから情報を拾い、消えた部分を書きなおすこと2時間、夜9時すぎになって文章を書き終えた。あわててジュリーにメールを送り、英語を修正してもらって、やっぱり自分で最終的に提出しないと気がすまないクリエイティブ君に再度メール。彼がまたテンプレートやらフォーマットやらを整えて提出したのが夜11時。正直、到底満足いかない出来なのだが、少なくとも単位を落としたり、退学処分を受けたりしない程度にはなったはずだ。

今日やらなければならないことはたくさんあったのだ。ファイナンスの授業も明日は大切な試験前レビューだし、アカウンティングも金曜の試験に向けて復習しなければいけない。その間にレポートの提出もあるので、これはなんとしても今日仕上げたかったのだが、全く何も出来なかった。この上、今日の経緯と、「盗作とは何か」について、明日は一応チームメイトであるクリエイティブ君に教えてやらなければならない。試験の成績が悪かったら、凹むだろうな。

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