朝からインターン先で仕事をしていると、午後になってALPのメンターになっているIXLセンターのサムからメールが届く。内容は、月曜日に行ったビジネスのアイデアに対する、クライアント企業担当者からのフィードバック。しかし、この内容が私の予測と少し違っていて驚いてしまった。
ALP(アクションラーニングプログラム)というのは、HULT MBAにおける最終プロジェクトで、ボストン周辺に拠点を持つ企業に対して、ビジネスプランを提案するイノベーション・コンサルティングを行うプログラムだ。今年のボストンキャンパスでの参加企業は、欧州系大手医療機器メーカー、グローバル日用消費材メーカー、米国大手モバイル通信会社、ブラジル本社の自然派化粧品ブランド、米国大手塗料メーカーなど7社。
これら参加企業とHULTの連絡役となるのが、HULTとパートナーシップを結んでいるIXLセンター。新しい製品やサービスを生み出すイノベーションのコンサルティングを行っている。元ADLやMonitorグループなどの出身者が運営している小規模なファームで、ボストンのほかにも、いくつか拠点がある様子。IXLは、HULTでもモジュールBで必須のConsulting Methodsというコースや、モジュールCで選択科目のManagement Consultingを教えている。
このIXLセンターの方法論というのが少し特殊。まず、イノベーションの意図と狙い(どの程度の規模で、どういう要因で、何を目的とするのか)を明らかにした後は、徹底したブレインストーミングを行う。この狙いは、アイデアのDivergence(多様化、膨らませること)であり、通常ではあり得ない、今まで考えもしなかったようなアイデアが歓迎される。この膨らませたアイデアをBOMというツールを使ってマッピングし、書き記したアイデアの種を互いに線で結び付けながら、イノベーションの領域(FOP)を見つけていく。
さて、話を本題に戻すと、前回私たちがクライアントにプレゼンテーションを行ったのは、このFOPの提案を行うためだった。文献や二次調査から得た情報を元に、いくつか需要があると考えられるサービスの分野を選んで提案。このアイデアに対するクライアントからのフィードバックと言うのが、IXLの担当者経由で私宛にメールで届いた。
そのフィードバックの内容には、少し腑に落ちない箇所が2つ。私たちのプレゼンテーションの一部が、クライアントのニーズにマッチしていないということと、プレゼンのときにクライアントがいちばん気に入ったといったはずのアイデアについて一切触れられていないこと。
クライアントのニーズに合っていないという点では、実際にプレゼンを行う前にチームで激論を交わしたところだったので、分からないでもない。インドのマーケットについてのアイデア出しなのに、インドについて全く調べようとしない、自分の想像力が豊かすぎるメンバーもうちのチームにいるし、結果、私はいくつかのアイデアに対してとても強硬に反対することになった(結局時間切れでこのアイデアはプレゼンに紛れ込んだ)。
しかし、プレゼンの日にいちばん不可思議だったのは、クライアントからのコメントでいえば、このターゲットもズレていれば、狙いも違うはずのアイデアがいちばん好評を博したことだ。インドの低所得層に向けた健康状態の改善をビジネスにするという課題で、上流階級に向けたスパの話をしたのだから、いっそばっさり切り捨てられるか、完全に無視されることを期待していたのだが、「個人的にはいちばん好きだなあ」とクライアントが言い出すものだから、私は本当に困惑したのだ。
いろいろ納得は行かないにせよ、クライアントの希望がいちばん重要なので、私たちのチームはこのアイデアを含めたビジネスプランを立てようとしていた。その矢先の「クライアントの要望とずれている」なんていうフィードバックである。さて、どうしたものだろう。おそらくこの「フィードバック」はクライアントからのメッセージを元に、IXLの担当者が少し編集したり書き換えたりしているものなので、クライアントの真意が見えにくい。明日のミーティングで話し合い、IXLの担当者に相談しなければならない。
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