Thursday, March 31, 2011

3月30日(水) 朝スーダ、見学者来る、ダルコ先生を囲む会

8.30 am Management Communication
11.30 am Campus visit by HULT applicant
12.50 pm Operations Management (Guest Speaker)
4.00 pm Finance optional session with Prof. Dalko

朝からシスター・スーダのフリーセッション。4月締め切りの最終エッセイについて自由に質問してアドバイスをもらう。私は前回オフィスアワーに質問に行ってほぼストラクチャーができていたので、1人で作文に没頭していた。だいたい形になったので、また来週のセッションに来て終わらせよう。

その後、日本からHULTの受験を検討中というM氏の訪問にアテンド。同級生数名とランチを食べながら取り留めのない話をして、その後、オペレーションのゲストスピーカーによるセッションも見学してもらえた。某メーカーでサプライチェーンを担当していたそうなので、楽しんでもらえたならうれしい。

ランチを食べながらHULTの話をしていて、MBA受験をする人にとっての1番のハードルがTOEFLとGMAT、1番の気掛かりが卒業後の就職なのだよなと再認識。卒業後に関しては私も同じくらい気掛かりだが。HULTでの学習、就職、生活情報なんかをまとめた内部用Wiki的なものがあればよいのになと思う。@Wikiというウェブサイトを見てみたが、コンテンツは公開されてしまうようなので、できたらメンバー限定で閲覧できて、みんなが書き込める何かがあればきっと便利。知恵のある方より情報希望。

オペレーションのゲストスピーカーはGilletteのSCM担当者によるもの。いつも製品のイノベーションが鍵で、「これ以上のものはあり得ない」と思った製品を、次のイノベーションによって過去のものにしていくことが大切だという。そしてイノベーションは技術的な革新だけではなく、顧客が値段に見合うだけの価値を見出すものでないといけないとか。ひげ剃りに込められた知恵と熱意に感心。

サプライチェーンでいえば、Gilletteは2005年にP&Gに買収されたため、かなり効率的なSCを手に入れたらしい。北米で3つくらいの大きなDC (配送センター) があり、国内各地へオーダーから36時間以内に納品可能。また、SKU (パッケージ) が多彩で個別の需要予測が難しいため、サプライチェーンの後工程でパッケージ詰めを行うようになっている。それぞれのパッケージに独特な工程を後に遅らせることで、在庫の効率的な分配が可能なんだとか。

その後、ファイナンスのオプショナルセッション。教官のダルコが、課題になっているケーススタディーや、昨日の小テストのこと、ファイナンスに関する質問全般を受け付ける。レクチャースタイルを想像していたのだが、明日のCSRの試験もあって集まったのがたった15人。参加者でイスを寄せ合って座談会的な雰囲気になった。名して「ダルコ先生を囲む会」。

資金調達コストに関する質問なんかが出て、利率の低い日本でどうしてもっとレバレッジを掛けてビジネスをしないのかと、とても大雑把な質問がなぜか私に振られてきたりして困ったが、とにかくこの集まりはおもしろかった。内容について、とてもメモしておきたいところがあったので、別途エントリーにて書こうと思う。

ちなみに、上記質問に対して私が答えたのは、
  • 利率が低いときは景気が悪いので銀行は融資を渋る。お金に困っていて借金をしたいビジネスほどお金を借りられない。
  • 企業として借金をしてレバレッジをあげてもビジネスを伸ばす戦略がなければ仕方ない。
  • 文化としてあまりリスクを取りたがらないと思う。投資より貯金の文化だ。
  • 株主の構成も機関投資家の影響が小さかったので、投資による株主利益最大化への圧力が小さかったのではないか。
という内容。全く専門外なのでナンセンスなことを言っていなければよいのだが。もっと詳しい方がたくさんいると思うので、フィードバックは随時受付中。あるいは、こういうのをネタに飲みましょう。もっと知識が欲しい。

3月30日(水) PART 2. ビクトリアダルコ語る。

ファイナンスの教官ダルコが、課題になっているケーススタディーや、昨日の小テストのこと、ファイナンスに関する質問全般を受け付けるセッションがあった。レクチャースタイルを想像していたのだが、明日のCSRの試験もあって集まったのがたった15人だったので、参加者でイスを寄せ合って座談会的な雰囲気になった。名して「ダルコ先生を囲む会」。

ダルコはハンガリー出身。プロフィールによれば、27歳で同国民主議会、金融・税制・予算委員会のチーフスタッフ。その後、同国の中央銀行民営化に関して中央銀行総裁へのアドバイザーを勤めていたとか。私には想像もつかない世界だ。国家の頭脳 (または少なくともその割と重要な一部) とかいう表現が当てはまるんじゃないかと感心。

そんなダルコが今日のセッションの中でフランクなおしゃべりをしてくれたのだが、「あなたはファイナンス数式に懐疑的なコメントをするが、ではどうやってビジネスの評価をするのか、利益をどうやって計算するのか。投資はどうするのか」などと中国人Boが聞いたとき、こんな内容が飛び出した。
  • 数式を学ぶのは、それが議論の前提になるための言語だから。でも数式なんか信じちゃダメ。
  • 数式は例えば標準分布(?) に基づいていますが、こんなのウソです。有り得ない。
  • ファイナンスはあなたたちがマネージャーとして事業を分析するために有用です。
  • お金を転がすのを仕事にするのはやめなさい。
  • 特に人のお金を転がすのはやめなさい。
  • 個人で資金の小さな投資をするのはやめなさい。
  • 個人投資家は常に損を出しています。熱心に取引をするほど損が増えます。
  • ファンドマネージャーとして大きなお金を運用するなら利益が出る可能性はあります。
  • でも、損を出したときビルの窓から身を投げずに済む方法をファイナンスは教えてくれません。
  • あなたの時間はお金を転がすためじゃなく、もっと大切なことに使いなさい。例えば、子どもを育てるとか。
もっと大切なこととして、子どもを育てるというのが出てきたのが、私にとってはやけに感動的だった。確かに、お金が必要であることは疑いの余地がないし、利益を出さないビジネスは社会にとって税金を吸収して雇用を生み出さない点で悪だと思う。だけどその上で私は、人間がただお金のために生きるのではなく、愛情を持ったり、尊敬を抱いたり、やりがいを感じたりと、人間らしくいられることは、何よりも大切だと思っているし、資産運用の利回りを計算することよりも、信念や価値観を人に受け継いでいくことの方が大切だと信じている。

ファイナンスの人たちと言うのは、傾向としてMoney-driven (お金が動機) で、その辺りにやりがいを感じられる人が多いのだと思っているので、ファイナンスの教官からこういう発言が出てきたことはうれしく思った。取引でお金を儲けるためだけの学習ではなく、自分がマネジメントするビジネスための学習にできるように、授業でセオリーや数式を習うことに対して、自分の取るべきスタンスが見えたような気がする。

Sunday, March 27, 2011

3月26日 (土) ハーバード、GCCオツカレ会

ハーバードで授業。Mid-Termのペーパーを教官のJorritが気に入ってくれたようだ。

大雑把に言えば「チェンジマネジメント」を取り扱うこのクラスでは、参加者各人が今取り組んでいる変化を伴う課題について考えていく。私は、当初自分のチームをより良くしていくことを課題としていたが、チームに時々現れる問題が、実は学生全体だとかHULT全体という大きなシステムの中で相互に影響し合っているのだと書いた。

その上で、チェンジ・エージェントとしてどのようなアプローチが可能なのか考察。「どうあれば良いのか」というPublic Valueは見えているような気がするが、それを実現するための戦略は関わるプレーヤーの利害を分析しないと見えてこない。第一に必要なのは、自分たちの環境を良くしていこうという人々のエンゲイジメントだと思う。

授業では、オランダでトルコ系移民がサンドイッチバーをオープンしようとして、煩雑な手続きに翻弄されるケース。政府のお役所仕事や部門関連系の難しさを解説した後、Jorritが所属するKafka Instituteという団体のアプローチを紹介。利害関係者をなんとか集めて、ディスカッションとアクションプランの作成を行うらしい。

アプローチとして、昨年参加したP. Sengeのワークショップに近いのは、まず問題のルートを探るために、即時の判断を一旦保留すること。おそらくオットー・シャーマーのU理論でUを下る段階を辿るのがこれにあたる。そして徐々にソリューションへと思考を移していき、最終的には、まず初めに起こすアクションを決めていく。大勢でこれを行えば、変化に対するスモール・ウィンが経験できる。

うちに帰った後、GCCオンライン・コンペティションのオツカレ会@ギレルメ夫妻の家。3歳の娘マヌエラが、去年初めて会った頃にはすごく人見知りだったのに、最近は愛想よくしてくれるようになった。小さい頃に少しの期間でも外国で暮らし、多くの人に接する経験と言うのは価値があるのだなあと思う。

ちなみに、このオンライン・コンペティションだが、結果として私たちのチームは決勝へ進めないことになった。ビデオやプレゼンテーション資料を審査した上での結論なので、まあ仕方がない。とにかく、このチームでのワークは楽しかったのでよしとしよう。

Saturday, March 26, 2011

3月25日(金) 寝坊、ファイナンス、和食

ストラテジーで製薬業界について、教官デネフの実際の経験を元にしたケースの解説を行ったらしい。ポートフォリオがキーらしい。その後、課題になっていたGoogleのケースの解説。前日に一生懸命やった甲斐もあってポイントは外していない印象らしい。全部が伝聞体なのは、Googleケースに睡眠時間を削られた後、痛恨の二度寝によって授業を寝過ごしてしまったためだ。デネフは遅刻を極端に嫌うため、5分以上遅れての入室は厳禁 (気にしない兵もいるが)。

仕方がないので (アタマもふらふらしていたし)、ファイナンスの予習をしながら次の授業を待つ。ストラテジーについては、クラスメイトを数人捕まえて習ったことを聞けば、それぞれに別のことを言うのでそれらをつなぎ合わせればなんとなく授業の様子が分かった感じだ。私たちのチームペーパーの方向性は良い感じだというのがうれしい知らせ。

デネフの授業のコツは、授業でカバーした内容をきちんと自分の知識として腹に落ちるまで消化すること。理論的な言い回しも複雑だったりするので、印象だけで分かった気になっていると、全く別の答えに行き着いてしまう。

午後、ファイナンスの授業がよい感じ。前日にBoがクラスメイトを招待して、課題になっていた問題を解説。これが非常によく効いたように思う。実りの多いファイナンスの授業になった。教官のダルコはとても解説が上手だし、授業にも緊張感があって良い。少し不思議な雰囲気を持った女性だが、アタマの切れには本当に感心してしまうことが良くある。

夜、アジア系の面々と美味しい和食。1週間分の疲労もあったのか、お腹がふくれると急激な睡魔に襲われる。周りからどうかしたのかと聞かれて、「眠い、眠い、眠い」を繰り返して笑われる。帰り道にみんなでアイスクリームも食べた。JP Lickという店に初めて入ったが、美味しかった。そして、レジ横で売っているチョコをかけたコーヒー豆が絶品だ。


Friday, March 25, 2011

3月24日 (木) WALMARTストラテジー、ファイナンス、Googleケース


ストラテジーがWALMARTのケース。戦略の鍵はロケーションとのこと。1つのデポから近隣の店舗に効率的に配送できるため、オペレーションコストを他社に比べて低く出来るとか。ここに競合が参入しても、エリア辺りでの規模の経済のため勝てない。しかも、複数の店舗で需要の増減も相互に補完してくれるため、全体的には安定した需要が見込まれる。そして商品切れが少ないという点でサービスレベルも向上する。

ちなみにWALMARTは、Everyday Low Priceというポリシーであまり特別なセールを打たないが、これも特定商品の売れ行きが上がったり下がったりしないように、という狙いもあるらしい。彼らの物流やサプライヤーとの連携による在庫管理には、相当秀逸なものがあるようだ。

ファイナンスでは、前半がテキストの内容のレビューと解説。ランチを挟んで、後半が株や債権の評価について。難しいことはしていないと思うが、ときどきアタマが追いつかない。いくつかの概念が腹に落ちていないため、思考のスピードが鈍い。

CAPMと呼ばれるモデルを使って、リスクフリーな利率、特定銘柄のリスクを示す標準偏差、史上の動きに対する敏感さなどの指標を使って、期待されるリターンを計算することが1つ。このリターンと、株の配当予測を使って、株の現在価値を計算することが1つ。たったそれだけのことなのだが、私の思考回路は時々ぷすんとショートする。実体験に結びつきにくい知識は吸収がよくないので、どうやらもうちょっと練習が必要。

夕方、ストラテジー。Googleケースのディスカッション。チームの面々からばらばらに上がってきているエッセイの各パーツのクオリティが正直よくない。ケースの読み込みと授業内容の正確な消化ができていない印象。多少の書き直しをしたり、新しいパートを引き受けたり、私は相変わらず自分で仕事を増やしてしまう。仕事、遅いのに。

6時から8時、クラスメイトの中国人Boによるファイナンス講座。翌日の授業のためのコツを教えてくれる。どうやら彼は授業の進み方の遅さに不満があるらしく、クラスのレベルの底上げを狙っている。私としてもそれはうれしい。

その後ストラテジーに戻って、結局自分のパートを終わらせたのが10時過ぎ。少し誤解があってやり直しを終えたのが、うちに帰った後の12時半。誤解だと思った部分が誤解ではなくて、別の苦手なメンバーから私に好意的なインプットが来たのが2時。これに気づいたのが3時。もう面倒だったのだが、レイアウトが見難かったので整えてやって3時半。

目覚めて、「超見やすい。サンキュー」とメールを受け取ったのが朝。さあ授業へ向かおうかと思ったところで痛恨の二度寝。金曜日に続く。

Thursday, March 24, 2011

3月23日 (水) オペマネ、ファイナンス、ストラテジー、苦手なタイプ。


朝からオペレーションの授業で、在庫ブルウィップ効果について学習。Barrilaというイタリアのパスタ会社のケースを使う。実は、これは英国時代に同じケースをやったことがあったので分かりやすかった。ビールゲームというSCMシミュレーションがよく知られているが、少しネタが古い。基本なので仕方がないけれど。

昼、ランチを食べながらファイナンスのケースのディスカッション。キャッシュフローのシミュレーションなのだが、前日もめた分の責任も感じていたので、かなり力を入れて分かりやすいエクセルファイルを用意しておいた。結果、ディスカッションはすんなり進んだ。細かい点の解釈についてのみ、少し話し合って方針を決めて、レポートとしても見やすいものになったので一安心。

その後、ストラテジーのGoogleケースについてディスカッション。特にメンバーの中の1名と性格が合わない。言葉数が多い上に論理に矛盾が多すぎて、どこから突っ込んでいいのか分からなくなる。しかし、これを全部確認していくとケンカになってしまうのはよく分かっているので、流したりすかしたり、時々釘を刺したりしながら話を進める。

私の苦手なこのタイプは、例えば「独り勝ち可能 (Winner-take-all) なセグメントであるための条件の1つとして、製品の差別化への需要が限定的であることが挙げられる」という理論を習ったときに、まず「差別化への需要」について混乱し、「限定的→独り勝ち可能」の部分でまた混乱し、よく分からないままに「YesなのかNoなのか」と混乱し続ける。

「差別化への需要がある」ということは、「特別な製品を欲しがる人がいる」ということ。「需要が限定的」というのは、「誰が作っても大体同じで、特別なものは期待していない」ということ。今回のケースは後者の条件が当てはまらないので、Googleのいるセグメントは、独り勝ち可能なセグメントの条件の1つを満たしている (が、他の条件を満たしているかどうかは別問題) というのが、正しい解答のプロセスなのだが、とにかくこれを解説しようにも聞いてくれない。悪いことに、1人で混乱する分にはかまわないのだが、人に的の外れた質問をするのでこっちのペースまで狂う。

4時から、スチューデントサービスによるOPTやCPTと呼ばれる、米国での就労許可についての説明会。その後、HSA主催のクイズ大会があって、私はイベントごとは好きじゃないと言っているのにスタッフ扱いで駆り出される。こういうイベントは卒業パーティーやYear Bookという卒業アルバム的なものの作成のためのファンドレイジングも兼ねているので、文句は言えない。

終了後にまた残っていた課題に取り掛かり、夜中までストラテジーの作文と、ファイナンスの予習。作文が終わったのが11時ごろで、ケースを読み終わったら1時前、3時ごろまでファイナンス。寝不足に拍車が掛かっている。

Wednesday, March 23, 2011

3月22日 (火) ファイナンス、IT、ストラテジー


朝のミーティングでファイナンスのケース。チームメイトには会計や財務のバックグラウンドを持ったメンバーがおらず、一応アカウンティングをかじっている私と言葉の定義が違っていて、少しもめたりする。みんなモジュールAでアカウンティングとファイナンスを学習したはずなのだが、やっぱりそれだけでは定着しないらしい。しかし、P/Lに載せる費用と、B/Sやキャッシュフローにしか現れない設備投資との区別ができないMBA生というのは問題だ。葛藤。

ITプロジェクトでは、なんだか古めかしい響きのするWeb 2.0についてレポートを書く。・・・与えられたテーマなので文句は言えないが、ちょっとネタとしても古すぎないだろうか。ITの授業は正直よく分からない。ERP (Enterprize Resource Planning) やBI (ビジネスインテリジェンス) などと言ったテーマについて学習するが、専門外としてどこまで理解しておけばよいのかいまいち分からない。「クラウド化してしまえばそんなの全部どうでもよくなるよ」と根拠のないことを言っても仕方がないけれど、自分の中でどこまでを知識として吸収できるのか現実的なラインを見つけないと。

ランチを食べながら、HSAの面々とミーティング。このメンバーの1人、ベネズエラ人のOは私のモジュールA、Sampsonコーホートの相棒だが、どうにも態度が悪い。当初はソーシャルイベントは俺に任せろ、とパーティー男らしいところを見せていたのだが、何度かのイベントでスチューデントサービスとの連携がうまく行かず、それ以来いじけている印象。今日も案の定、ミーティングに遅れてきた上に、ランチを買いに行ってしまったので実質的に参加できていない。「そろそろ首にしようか」と残りのメンバーで半分本気で話し合う。

ストラテジーのクラスでは、ネットワーク効果について学習。例えば携帯のキャリアのように、利用者が増えるほど、そのネットワークに参加することで得られる価値が増加するのがネットワーク効果。多くの場合、スイッチングコストが発生することで、新たな競合の参入に対するバリアの効果もあるのだと思う。 ポジショニング、組織能力と合わせて、課題をやるためのネタが揃った感じ。

相変わらず大雑把な私の理解として、戦略においては独自の価値を創り出すことが重要だけれど、このためには競争しているマーケットにおける位置取りと、自社の組織能力が大切。そして、自分の位置を決めたら、そのセグメントを完全にキープしてしまわないといけない、という話。このキープしてしまうために考慮すべきが、ネットワーク効果なんだと思う。

この後、ファイナンスでもめた分の責任を果たすべく、エクセルシートと格闘。翌朝のミーティングに備えた資料を作る。早め (とはいえ8時半過ぎ) に学校を出て、早く寝ると深夜に目が覚める。メールで友人からメールの英訳の依頼が来ていたので、これを終わらせて、早朝からケースを2本読む。

Tuesday, March 22, 2011

3月21日 (月) GCC締切、タバコ業界とCSR、エッセイと寝不足。


GCCのオンラインコンペティションの締め切りの朝。目覚めると順位が前夜の5-6位から9位に後退している。Facebookのチャットを通じてロンドンの友人に1人ずつ呼びかけ、10票程度を上乗せする。最終的に11時の締め切り時点で8位を死守。ベスト10までが協賛のWater.orgにプレゼンテーションを審査してもらえる。Hultボストンキャンパス内の4チームの中で最上位をキープできたのがうれしい。

グローバルシティズンシップの授業でAltriaグループ(タバコ業界最大手フィリップモリスの親会社) のCSRへの取り組みについてプレゼン。「タバコは害である。しかし、吸いたい大人に対しては、ぜひわが社の製品を。」みたいな複雑なスタンスがすっきりしない。Thank You For Smokingという映画の一場面を使ったプレゼンは、私としては気に入っている。この映画の最後の場面で、タバコ会社に雇われるロビイストの主人公が「20歳になったあなたの息子がタバコを吸いたいと言ったらどうしますか?」と法廷で聞かれ、答えて言う台詞が好き。

夜にハーバードエクステンションの課題を終わらせる。分量は1500ワードで大したことがないのだが、内容として自分の置かれている状況の分析がテーマのため、客観と主観を行ったり来たり、自分のエンゲージメントを気持ちを入れて書く必要があったり、一方で学習した理論を適用して客観的に分析したりする必要があったりでとても苦戦した。この時点で深夜近かったのだが、そこからストラテジーのケースを読んで、さらにファイナンスのミーティング準備など。月曜日から完全に寝不足コースへ突入。

Sunday, March 20, 2011

【HULT留学情報】英語、授業対策について

HULT MBA入学予定者の方からよく受ける質問シリーズ、第2弾 (第1弾は住居探し)。テーマは、英語と入学前に勉強しておくこと。質問に答えて送ったメールからの抜粋を少し手直ししただけなので、文章が粗い点についてはお目こぼしを (いつも粗いといえばそうだ)。


英語について


1. HULTの様子と、求められるレベルの話。
  • HULTの学生の英語のレベルは玉石混交。多くのスクールで課せられているTOEFLのスコアは100だが、HULTは90くらいからNon-conditionalな合格が出ている印象。教官もそれを知っていて講義中は多少ゆっくり話してくれている、と思う。正直なところ、ネイティブが少ないこともあり、英語のハードルで言えば、英語圏のビジネススクールの中でいちばん楽かもしれない。
  • 他校と迷っている場合で、英語に大きな不安がある場合は、議論に参加できる、自分の意見を言えるという面では、Hultの方がチームワークに参加しやすいかも。よく聞く話で、ビジネススクールにいるものの、日本人は議論に参加できず、最終的にプレゼンテーション用のパワーポイント資料の作成だけが仕事になることもあるとか。
  • これに甘えるのではなく、得意分野不得意分野はあれど、少なくとも言語の面だけを取ればクラスやチームの中心になってディスカッションできるくらいを目指さないと、本当に使えるレベルの英語が身につかないと思う。これには私も少し危機感を覚えている。
  • 実際、TOEFL iBTの100というのは、多くの場合「最低限」求められるスコアで、「これが取れないとどうにもこうにもコースについて行きようがない」という意味。100点を超えたからといって「言語面で何の問題もなくMBAの授業や議論、グループワークをこなしていける」という意味ではない。困ったことに、これがみんな直面する現実 (頭痛の種だ)。

2. 英語に関するHULTのメリット
  • HULTは、語学学校であるEFと同じビルに入っているため、英語に不安のある学生はEFのスタッフから英語のサポートを受けられる。Dawnという英語教師歴のとても長い女性が主にサポートを行ってくれているようだが、とても親切だし説明上手。
  • 第2言語として英語を話す、あるいはインド英語、という比率が高いため、国際語としての英語を身につけることは出来ると思う。流暢なネイティブ的イントネーションや言い回しをカッコよく使いこなすのではなく、きちんと自分の意思を伝えて様々な相手と協働するための言語を身に付けざるを得ない。
  • 特に1年制のMBAプログラムなので、自分から積極的に参加しやすい点は大きなメリット。ネイティブに圧倒されているうちに1年なんて簡単に過ぎてしまう。特に英国の場合 (MBAではなく他の修士課程に限るのかもしれないが)、プログラムによっては、4月で講義などは終わってしまい、後は試験と論文執筆のみという場合もある。
  • 参考:私が以前いたスクール (専攻はビジネスだが非MBA) では、授業は6月中旬で終了、9月に論文提出、というスケジュールだった。
3. いろいろ踏まえた上での英語対策
  • スピーキングが重要。一般的な日本人の場合、リスニングとリーディングが良くて、ライティングがその次で、スピーキングがいちばん苦手かと思う。しかしMBAでは授業やミーティング中でも発言することがクラスやチームへの「貢献」として求められる。
  • 自分の意見を言えないことには、フィードバックを得る機会も逃してしまうし、しばしば周りをいらいらさせてしまう (気にしなければ良いが)。日本のカルチャーだと、黙っていても経歴だとかポジションだとか、たまにキラリと光る良いことを言ったりすることで信用を築けると思うのだが、お互い得体の知れない外国人同士の環境では、少し率先して自分に出来ることは出来るのだとアピールするくらいでちょうどよいと思う。黙っていては分かってもらえない。
  • タイミングよく、適切なスピードで話すことが課題。私自身、1対1だと話せるけれど、複数の外国人のグループに入ると会話についていけなかったり、発言のタイミングが見つけられなかったりした経験があるので、リスニング教材などを聞くときにただ理解することに努めるのではなく、どうやって返事をするか、切り返すか、自分はどう思うか、実際にコミュニケーションを取るつもりで練習しておくとよいと思う。
  • ただし、スピーキングを向上するためには、継続してのリーディングやリスニングによるインプットが必須。読むことや聞くことなしにはアウトプットに限界がある。初め少し伸びても、そのうち自分の知識内でしか上達しないので頭打ちになる。



一応、他の学校との比較コメントは、英国で1年間行った修士 (Cass Business School, MSc in Management) とHult MBAの比較。


授業対策 (英語対策に比べて内容が薄い)



  • 簿記3級の内容を知っているとアカウンティングの前半までが楽勝。特に教官のHancockは毎回テキストの問題を解いて提出させるので、予備知識がないとかなり時間を取られる。日本語での簿記3級の勉強は、薄い対策本を買えば一週間程度で出来るはず。
  • 企業のアニュアルレポートなど見ることに慣れておけば、プロジェクトで企業について調べものをするときに有利。勤務先、同業他社、他のメジャーな企業などのウェブサイト、IRセクションを、あまり見ることがない人は、時々見る癖を付けておくと良いかも。
  • ファイナンス、マーケティングなどについては、MBA参考書1冊持っておけば十分だと思う。私は通勤大学MBAの新書サイズのものが気に入っている (軽いから)。テキストは各教官が指定するし、教官によって科目へのアプローチも全く違うので、基礎を知っていて損はないが、下手に予備知識を詰めておいても必ずしも役に立たない。
  • 統計の概念を簡単に学んでおくと楽。来年度の教官が誰になるかは分からないが、おそらくオリエンテーションの初めの1週間、または入学前にオンラインコースで基礎をざっくりマスターすることを求められる。平均、分散、標準偏差、Confident Interval、回帰分析などシンプルなものだが、一から英語でやるのは時間の制限もありけっこう大変。
  • クラスで日本の企業の事例が多く出る。ここで日本企業の風土や、メーカーの品質改善活動など、日本人ならではの情報を発信できると周りから感謝される。大企業から来る人は自分のいた組織、マネジメント、業界についてはぜひ準備を。あとトヨタ情報は必須。

Saturday, March 19, 2011

【HULT留学情報】住居の探し方

今月の初めくらいから、今年度よりHULTのMBA留学にやってくる方たちから、連絡を受けるようになった。アジアでのアドミッションの責任者(だと思われる)Kが、入学予定者に対して私を紹介してくれている。一年制MBAのHULTでは、年度の違う先輩や後輩とネットワークを作るの難しいので、こういう機会をもらえているのは幸運なことだと思う。

さて、入学予定者の方々から受ける質問の多くは、以下のカテゴリーに落ちる。
  1. 英語への不安
  2. 入学前の勉強
  3. 住む場所の探し方
  4. 就職について
本当はここに「HULTの様子」というのが加わるのだが、このブログを読んで頂ければ多少の雰囲気は伝わっているのではないかと期待する。そして、入学予定者のみなさまからの質問にメールで質問に答えながら、内容をここにまとめておけば便利だろうと思い立ったので、手を付けてみる。

記念すべき第1回 (第2回以降に続く保証はない) は、HULT学生のための住居の探し方情報。ボストンでの家探しについて、私が留学前に参考にしたのが、MITの日本人学生が作成しているウェブサイト (http://web.mit.edu/sloanjapan/101/life/housing-when.htm) 。これがものすごく詳しくて便利なのだが、だからといって丸投げしておしまいでもつまらないので、実体験に基づいた話とHULTに限った話をいくつか。

まず、ボストンでの留学生の住み方の大雑把なパターンとして、「ホームステイ」、「ルームシェア」、「1軒借り」の形態がある。私はこの中でルームシェアをして暮らしているが、昨年こちらで家探しをしたときには不動産エージェントを使って1軒借りの物件もいくつか見たので、それについても分かる範囲で書いておく。ホームステイについては、正直分からない。

家を探す時期

HULTの授業が始まるのは8月末。私の渡米が8月9日だったので、7月に一度ボストンへ入り、家を探した。不動産屋によれば、アメリカではほとんどの契約が月の1日に始まり、そして1年間契約が通常。なので私は、8月1日からの契約を探すことになった。ちなみにボストンは留学生が多いため、8月になると部屋探しの競争は熾烈を極めるらしい。

なので、早めに動くことが大切だが、実はあまり早すぎても情報が少ない。特にルームシェアの場合には、割とすぐに入居できる人を探している場合が多いので、7月に探すなら8月入居、9月入居なら8月上旬くらいに見学に行って、かなりの即断を迫られる感じだろう。しかし、これが不動産屋を通す場合には、7月上旬の時点でほとんどが9月入居のテナント募集だった。

3月や6月からのIE-MBAに参加する場合には、当初HULTから紹介されたホームステイ先に滞在して米国生活に慣れながら家を探して、8月後半や9月1日から新しい場所に住み始める人が多い。

情報の探し方

私が利用したのがCraiglist (クレイグリスト) というウェブサイトだ (http://boston.craigslist.org/)。英国にはGumtree というのがあったのだが、とにかく何でも売りたい、買いたい、探している、などの情報を書き込むことが出来る掲示板だと思えば良い。

ここのHOUSINGセクションから、アパートを1軒 (Studio, 1BR, 2BR, 3BRなどがある) 借りるならapts/housing、ルームシェアならrooms/shareをクリック、Lechmere、Cambridge、Sommervilleなどの地名を入力して検索する (エリアについては後ほど説明)。

私はルームシェアのセクションにEast Cambridgeというキーワードを入れて検索。ボストンへ来る数日前に20件程度のリストを作成して、メールで片っ端からアポを取った。ボストンに着いたら、まずプリペイドの携帯をゲット、メール返事のあった物件に電話。日時を決めて部屋を見て、気に入ったら入居日や家賃の他の光熱費、通信費などを確認、契約書にサインをすれば終了。ルームシェアの場合、契約時に初月の家賃と1ヶ月分のデポジットを支払う。私にとっては、この手っ取り早さがルームシェアの魅力だ。

不動産屋を通す場合にも、基本的な手続きは同じだが、初月と末月の家賃、デポジット1ヶ月、不動産屋手数料1ヶ月、と最高で家賃4か月分に相当する金額を支払う必要がある。物件によっては、末月の家賃や不動産屋の手数料が不要だったりするので、この場合は2ヶ月分でルームシェアと同じ。不動産屋を使うメリットは、部屋を探す手間が省けること、物件下見を彼らの車で移動しながら効率的に行えること、入居前に問題があった場合に不動産屋が対処してくれること、契約に関して少し安心できる気がすることなど。

サブレット可否の確認

契約はほとんどが1年間だが、実際には1年を待たずに引っ越す場合も割と頻繁にある。この場合、契約者が部屋を引き継いでくれる人を探す (サブレット) ことになるのだが、大家によってはこれを認めていない人もいるので、契約時にきちんと確認しておくことが必要。HULTの学生として気を付けなければいけないのが、ローテーションプログラムに参加する場合。モジュールC、Dともに他のキャンパスで勉強する場合、サブレットが出来なければ3ヶ月の家賃を無駄にすることになる。

ロケーション

HULTの学生が多く住んでいるエリアについて。

1. キャンパス周辺
HultとLechmereの間に、RegattaとNorth Pointという大きなコンドミニアムがある。RegattaはHultから徒歩20秒、North PointはLechmere駅との真ん中辺りにあり、歩いて3分程度。どちらも値段はスタジオ (日本でいうワンルーム) で月1800ドルくらい気がするが、値段は常に変わるものなので要確認。契約は不動産屋を通すことになるのが普通だと思う。とにかく新しい建物で、内部も近代的で清潔。社費留学の人が多く住んでいるように思うが、予算が許すならとても快適な環境。

私費留学生が多く住むのが、Lechmere駅から西へ続く、Cambridge Street周辺。特にGore Streetと3rdからFulkerson Streetの辺りは、極端に多くのHult学生が住んでいる。3rd StreetからHultは徒歩10分程度。Fulkerson Streetからだと15分といったところ。ShawsというスーパーがGore St. と6thの交差点あたりにあるので、生活には便利だ。この辺りはルームシェアが中心。月700~800ドル程度が相場か。

Cambridgeで、もう少し賑やかなところに住みたければ、Central SquareかHarvard Square。夜遊びは楽しいのだがHultまで歩くと少し掛かる。Central Sq.まで歩くと40-50分。雪が降る冬場は自転車にも乗れないので大変そうだ。Harvard Squareは、ハーバード大学周辺。生活は便利だが、移動はバスになる。Lechmereまでバスで20分弱だが、バスが20分に1本。Tと呼ばれる地下鉄だと、かなり遠回りしてHultへたどり着くことになる。

Sommervilleは、Cambridgeの北西。移動にバスまたは車が必須。バスはこれも20分に一本程度なのでスケジュールに注意。ただ、Cambridgeよりも大き目の家や大きめの部屋に、安い値段で住むことができる。

Malden。オレンジラインでの通学になる。最寄のコミュニティカレッジ駅からHultは徒歩10分。ただ線路を越える高い端の上を歩くので冬場は寒い。インド人やラテンアメリカ人が駅前のマンションに住んでいるらしい。

Boston側、North Station近くもHultから徒歩圏内 (20分程度)。ただ、街の中心部なので家賃は高そう。そのままグリーンラインに乗っていって、Hultからだと40分ほど離れたBrooklineは、家族連れが良く住んでいる。通学は不便だが、街の雰囲気が良く、安全で、美味しい日本食屋もある。何より公共教育のレベルが高いらしく、子供連れの人に良く選ばれる。

以上、思いつくままに書いたので、後日気分が乗れば校正したいと思う。

Friday, March 18, 2011

3月17日(木) ファイナンスと避けられない違和感、CSR、中華街。

10.10 am Finance II
12.50 pm Finance II
2.30 pm Meeting for Global Citizenship

昼休みをまたぐ珍しい時間帯でダルコのファイナンス。課題になっていた30問の中から難易度の高いものを選んでコールドコール。「○○君、これ解いて」と指名された学生は、黒板の前で問題を解かなければならない。

一番手に指名された米人Sは数字を扱う科目が苦手で知られている。数行書いたところで「不正解。席に戻って」と退場になった。とりあえず教訓として「混ぜるな危険」。Sのやった間違いは、現在価値と将来価値をごちゃ混ぜにして1つの数式にしてしまったこと。これを混ぜるとダルコは怒るので危険。

将来のキャッシュフローは現在価値に換算して考える。ファイナンスの基礎といえば基礎だが、実はうちのチームメイトもミーティング中に同じ間違いをしていた。シンプルすぎる例で言えば、「1億ドルの投資で1年後に1.8億ドルだから利益率が80%でしょ?」というのが間違いで、1年後の1.8億ドルが現在価値に直していくらに相当するのかを考えるのが正解。どうにもモジュールAで習った内容を理解していない学生が多い。

この問題の後は、ケーススタディ。これもコールドコールがあり、指名された学生が黒板を使って解説しなければならない。そして第4問、私が指名された。クラスメイトが見つめる中、テクテクとボードに向かって歩き、タイムラインを書いて、キャッシュフローを図示、現在価値を計算して、結論を述べる。「This is it. Any questions?」と言うと、パチパチパチとダルコが拍手。ほっと一安心。前回の授業でも発言できているし、今回も問題を担当したので、クラスへの貢献としては今のところうまく行っている。

今日のいちばんの収穫は、ファイナンスではリターンが見込まれる投資を行った瞬間に、資産が増えたことになるという考え方を、簿価を基準にしたアカウンティングの資産価値計算と比較しながら学習できたこと。私は、日本にいたときの仕事がアカウンティング側に近い内容だったので、ファイナンスはときどき感覚的に納得いかないことがあるのだが、その理由がとてもはっきり分かった。

例えば、利子率10%の世界で誰かに1000円を貸して、来年2000円にして返してもらう約束をしたとする。会計では、資産として「貸したお金 1000円」と記録するが、ファイナンスでは「貸したお金の現在価値 2000/1.10= 1,818円」となる。そして、私には1,818円相当の価値を持つ資産があるので、これを保証に銀行から1,818円を借りてさらに経済活動をすることができる、と考える。

この1,818円は1年後に利子がついて2000円になるので (これが将来価値)、はじめに誰かさんに貸したお金が返ってきたら、これを返済することが出来る。ここで借りた1,818円を、利子率にあたる10%以上の利回りが予測される何かに投資すると、また私の資産の現在価値が増えて、その分さらにお金を借りて運用することができる。こうして資産がどんどん増える。

私にとっては、違和感でアタマの中が大混乱してしまうのだが、ファイナンスとしては正しい。実際こうやって考えればお金はどんどん増える (ような気がする)。とにかく性格に合わないと思うのは、「将来いくらになるはずだから」という前提で話が進むところ。将来に何が起こるかなんてわからないのだから、手元にないお金を元に借金をして、諸事情により入ってくるはずのお金が滞れば破産だ。まぁ、だからリスクマネジメントをするんじゃないか、と言われるのだろうが。

授業のあと、某タバコ会社のCSRに関するグループレポートをまとめるためのミーティング。しかし集まったのが5人で、インド人Aは現れないし、電話を鳴らしても出やしない。このレポートには、彼の担当パートもあるのに。私は今日、各人のパート持ち寄り、ポイントをまとめてフローを確認、レポートを完成させるつもりだった。そのために昨夜3時頃までカタカタとタイピングをやってたんだけどなぁ。

とはいえ、ディスカッションとしてはとても楽しいミーティングになった。ステークホルダーとして、株主、顧客、従業員、コミュニティなどに加えて、サプライヤー (タバコ農家)、競合企業、メディア、ロビイストや嫌煙団体、などが存在し、それぞれの思惑がある。この状況の中で、タバコっていう基本的に健康に害しか与えない嗜好品を作って販売するビジネスが、社会的責任についてどう考えて、何を行っているのか、そして果たしてその行動はどう評価されるべきなのか、と割と熱いトーンで話し合って終了。

夕飯はチャイナタウン。昨夜の寝不足もあり、おなかがふくれると疲れが噴き出した。電車を待ちながら友達と話しているのに、気づくとまぶたが落ちてくる。電車の中で話しながら唐突にカクンと眠ってしまってアーネストやマークの失笑を買った。

Wednesday, March 16, 2011

3月15日(火) ストラテジー、ファイナンス、HGCC、地震

8.30 am Strategy
12.50 pm Finance

朝からストラテジー。ベルギー人でA.D.Littleのグローバルパートナー、私の中でモジュールAでいちばん評価の高かったデネフがHULTボストンに帰ってきた。早口で切れ味良く、授業の概要を説明し、ストラテジーとは?という講義開始。テキストで習うような「戦略 = コストリーダーシップか差別化」なんてのは現実では使えない、といきなり教科書へのアンチテーゼから入るところが面白い。「意外と中途半端なものが売れている(中級の車とか)」と言われれば確かにそうだ。

実際の企業というのは、極端な低コストや、抜群に差別化されたスター商品ばかりを抱えているのではなく、これといった競争優位性を持っているわけでもない。その中でどうやって厳しい競争を生き抜いて利益を出していくのか、リアルな戦略を教えてやる、とエキサイティングなことを言う。

今日の授業は、前提の前提として、「戦略= ポジショニング」という(乱暴に言えば)ポーター派
と、「戦略=組織の能力」という組織能力派(コア・コンピタンスとか好きな系)についてざっくり解説。この辺は、昔読んだのでとりあえずアタマに入っている。彼は早口だが説明はクリアなので、アタマがぼんやりする暇がなく、フル回転しているうちに3時間の講義が終了。

ランチを取りながら、HULTで日本向けの募金を計画し、スチューデントサービスやダイレクターのミシェルに話を通す。明日から、募金開始の予定。

午後はファイナンスの2回目。ドットコムバブルにおける金融仲介者の役割というケースを元に、VC(ベンチャーキャピタル)、プライベートエクイティ、投資銀行、アナリスト、格付け機関なんかの役割を、「理想」対「現実」と比較しながら学んでいく。

私自身は、ファイナンスに対してそれほど魅力を感じていない。1つには、会計の方が証拠がきっちり出揃っていて、地に足が着いた感じがして好きだというのが理由。しかし、もう1つの大きな理由としては、ファイナンス理論が不確定な将来のキャッシュフローに基づいているのに、あたかも何かを知っているような顔をしているのが気に食わない(完全に主観)。

英国のCassにいたときストラテジー分析を教えてくれたイタリア人講師のジャンビートが言ったのは、「インベストメントバンカーとストラテジストとは違うんだ。インベストメントバンカーは、将来のキャッシュフローを元にお金を動かす人で、将来のキャッシュフローを決定する戦略を考えるのがストラテジストなんだ」ということ。私はこっち側の考え方に属する人間。

しかし、そのファイナンスへの不信を踏まえたうえで、今のハンガリー人講師ビクトリア・ダルコの授業は面白い。いろいろな角度からランダムに発射される、学生たちの我流の知識(よい年をしたMBA学生の我流知識と思い込みは、経験と主観に裏打ちされている分とても強烈だ)に対し、どんと構えて立ち向かいながらしっかり授業をコントロールしている。

投資銀行の役割としてIPOについて話すなかで、企業の真の価値(Intrinsic Value)なんていう話が出てきた。私はここまで発言できていなかったのもあって、「真の価値なんてありえない。誰も不確かな情報しか手に入れられないのだから、全部主観、あるいはその時点の最善の推測に過ぎないのじゃないか」と典型的なファイナンス嫌いの発言をしてみた。

後に、その時点で入手可能な情報に基づいたとても合理的な推測のことを、ファイナンスの世界では真の価値と呼ぶのだと教えられるわけだが。ただ、これによって議論が前に進んだり、ダルコが「真の価値 についての3つのパラダイム」なんてレクチャーをしてくれたり、私にとっては学びの多い時間になった。授業が始まる前には、ダルコは日本人があまり好きではないとかいう噂もあって(根拠なし)、はらはらしていたのだが、ここまでの感覚として、この授業は他の多くのクラスと比べて断然おもしろい。

授業終了後の4時からHGCCのミーティング。オンラインコンペティションで、私のチームは180票を集めて、2位に70票以上の差をつけてトップに立っている。このビデオに加えて、日曜日までにスライドとワードも提出しなければならないので、他の課題、ハーバードエクステンションの課題、ボランティア翻訳、募金活動、HSAの活動なんかとも折り合いを・・・なんとかつけて、よいものを創りたい。(投票はここから http://apps.facebook.com/hultglobal/contests/101940/voteable_entries/17678918?ogn=facebook&order=recency

で、夕方からHGCCスライドのドラフトと、Room to Readのボランティア翻訳を終わらせ、地震災害復興の寄付のお願いメールを送り、早速のレスポンスに対応し、ケースを読んでいると今日もHULTで午前様。ブログ書いてないで寝なきゃ・・・。

Sunday, March 13, 2011

3月12日(土) 週末、ドイツ料理

土曜日、夜にドイツ人の友人がドイツ料理に連れて行ってくれる。彼とインド人2名と私という4人のメンバーだったが、ドイツのソーセージにはほとんど牛肉が使われているため、インド人2名が注文に四苦八苦。豚肉のみのソーセージと、チキンウイングを食べていた。残念。

私はドイツ料理は好きだ。むしろ、ドイツ自体が好きで、これまでに10回も訪ねている。半分は向こうに住んでいる父の知人宅でのホームステイのようなものだが、残りの半分は1人でバックパックを背負って出かけている。去年の春にはコブレンツという小さな街を訪ねた。ケルンやボンからさらに南、ライン川とモーセル川が分岐する場所で、そしてその豊かな土壌のため白ワインの美味しい街だった。近所づきあいの感覚が生きている、気の良い人たちとたくさん会えた街だ

ドイツ旅行はよい。ヨーロッパらしい町並みがきれいで、エコの国だから自然がきれいで、ソーセージが美味しくて、春にはアスパラガスが美味しくて、各種ビールが美味しくて、白ワインが美味しい。治安も良いし、電車はほぼ時間通りに来る。いったい一人旅にこれ以上何を求めろというのだろう。

そんなことを考えながら、ちょっと焼きすぎた感じのするボストンのドイツソーセージを食べた。ビールは美味しかった。

Saturday, March 12, 2011

3月11日(金) 地震、HULT日本人ウェブサイト、ビデオアップロード


東北の地震がひどいことになり、その後は長野や新潟でも揺れがあった。仙台の映像は見ていて胸が痛くなるほどだ。亡くなられた人の冥福と、生存者の無事、避難者が早くもとの生活に戻れることを祈る。

さらには原子力発電所についていろいろな情報が錯綜していて不安になる。日本大丈夫か?と大げさに考えてしまわないように、事実をしっかりつかんでいかなくては。

○ HULT Alumni のウェブサイト
Hultの日本人卒業生と在校生がこんなページを作ってくれた。まだ、中身を全部確認していないけれど、ここを見ている人にとって役に立つ情報があればよいなと思う。http://www.hult-mba.jp/

○ Global Case Challenge

GCCのオンラインコンペティションのためにビデオを用意したので、気が向いた方はFacebookのHult Global Case ChallengeのページからVoteしてほしい。「Green Water」という、手書きイラストのアイデアが私たちのグループ。

http://apps.facebook.com/hultglobal/contests/101940/voteable_entries/17678918?ogn=facebook

Facebookアカウントのない人のために、ビデオをここへ貼り付けたいのだが、うまい方法が見つからない。テクノロジーに詳しい友人を探すしかないか。

Friday, March 11, 2011

3月10日(木) CSR、ミネラルウォーター、GENKI YA

8.30 am Global Citizenship

今週はなぜだかバタバタしていて、気づくともう木曜日なのだから嫌になってしまう。ここ数日、家で作業することを諦めて、必要なエッセイとリーディングが終わるまで学校に残ることにしたのだが、確かに家で勉強するよりも集中しやすい。うちの床が少し傾いていることや、学校にはきちんとしたデスクやイスがあり、ベッドの誘惑がないことなどが要因。

しかし、一昨日はFIJIというミネラルウォーターに関するケースを読んで分析レポートを書いているうちに、やけに好奇心が刺激されてしまい、関連する新聞記事やニュース、ウェブサイトなどを調べ始めてしまって、最終的にいろいろ盛り込みすぎたレポートが完成したのが午前3時になったので、ちょっとやりすぎてしまった感じだ (そしてブラジルのカルチャークエストのあとで配られたカイピリーニャというカクテルが強くて、コップ一杯でしばらくアタマが働かなかったのも原因だ)。

そんなFIJIウォーターに関して、こんなビデオがクラスメイトの間でシェアされた。

Story about Bottled Water


少し雑なところはあるけれど、プレゼンテーションとしてはとてもおもしろい。複雑な問題に対して、分かりやすさとシンプルさを追求したプレゼンで、ビジュアルもよく出来ている。このStory about the Stuffシリーズはいくつかあって、私は二酸化炭素の排出制限 (CAP) についてのものが好きだ。

水ビジネスの興味深い点は、そもそも清潔な水道水の飲める国においては「なくても良い」ものであること、しかし需要は存在すること、そしてその需要が「造られた」ものであること、という主張があること。確かに15年も前にはボトル入りの水は今ほど売られていなかったはず。本来必要でないものが高値で取引され、そのビジネスが環境に対して相当な悪影響を及ぼしているとするならば、企業の社会的責任という立場からいったい何を考えて何をしていくべきなのか、と。

ちなみに、このFIJIウォーターのケースは、環境問題以外にも政府との関係も問題になっていて、2008年くらいから政府がボトル入りウォーターに突然税金をかけようとしたり、企業側がこれに反発して従業員を解雇、工場を閉鎖するなどの事態が起こっていた。その顛末はと言うと、FIJIのオーナーファミリーはこの企業をどこかのお金持ちに売却してしまうのだ。結局2010年12月から、フィジーではボトルウォーターに1リットルあたり15セント、それまでの50倍の税金が課されている。もともとのオーナーはこうして政府との問題をやり過ごしたわけなんだけど、馬鹿を見ているのは新オーナーと従業員なんじゃないだろうか。

そんなことを考える授業の後は、チームのミーティング。そしてGCC Wildcard枠に向けた話を少し。夜には在米12年になる友人Uと、とてもおもしろい日本食を食べた。アメリカの環境や感覚に適応しながら、日本食としての味は犠牲になっていない感じだ。写真を取り込めたら、ここにアップしようと思う。

Thursday, March 10, 2011

3月8日(火) スーダアポ、ブラジルのカルチャークエスト

午後からシスター・スーダのオフィスアワーにアポイントを入れて、最終のレポートに関するアドバイスをもらう。課題は自分が過去に経験した「BAD NEWS」を人に伝えるレターを書くこと。彼女が教える効果的なバッドニュースの伝え方というのが、まずニュートラルなトーンで事実を述べ、悪いニュースを伝えた後、なるべくポジティブに締めくくる、という形式。自分の事例を持っていって、構成についてコメントをもらうのだが、いつもながら文章が上手いなぁと感心してしまう。

午後、ブラジル人学生によるカルチャークエスト。いろいろネタが豊富だったので、メモを見ながら思いつくままに記しておく。


○ まず、ハローの言い方と題して、男女の友達が会ったときには、ほほに1~3回キスをします、とたのしい話題から始まる。サルバドール、レシフェなど各地のカーニバルの紹介した後は、ブラジル内部の文化の多様性を紹介していく。

○ 経済的には、GDPで世界7位。ビーフ、チキン、オレンジ、コーヒー、タバコ、砂糖の輸出で知られる。あと、電気の80%が水流発電でまかなわれている。バイオ燃料産業は世界一の規模。航空機製造のEMBRAERという会社も有名。

○ ポルトガル語セミナー。
「Se voce fosse sal, eu beberia o mar!!」
あなたが塩なら、私は海を飲み干してやる。情熱的でよい。笑

○ アマゾン河でサーフィン。
ポロロッカという自然現象があり、1年に1度満月が赤道直下にくるとき、河が50キロ、2時間にわたって逆流する。その様子は圧巻。サーファーたちはこの逆流を待ち構えて波に乗る。

○ 首都ブラジリアは、軍事政権が作った都市。有名建築家がデザインしていてユニークな建物が並ぶ。街も中央を大通りが走り、そこから左右に鳥が翼を広げたような形に住宅地が広がっている。

○ コモディティーの輸出国。砂糖、コーン、コーヒー、など。あとヘリコプターの基地が多い。世界2位。そして実は車も作ってる。世界4位。

ここでプレゼンターであるロベルトの愛息君が父親を追いかけてステージに立ってしまい、史上初の子ども抱っこしてのプレゼンが始まる。観客一同が爆笑。

○ ビール消費4位。カーニバル。肉の消費は5位。バーベキューは世界一、と言ったところでアルゼンチン人のナチョが反撃。俺の国のほうが上だ!と言いながら、なぜかカバンからアルゼンチンのサッカーチームのユニフォームを取り出して着始める。

○ 人種のるつぼ。86%が混血だというのだからびっくり。カルロス・ゴーン、白人モデルのBunchen、サッカーの王様ペレは黒人、土着のネイティブ・インディアン、日本人や中国系も大勢いる。日本、レバノン、イタリアの集落があり、ドイツ、イタリア人移民も多く住んでいる。

○ ワールドカップを5回制覇。というわけで、なぜかクラス中のW杯優勝経験国の学生によるリフティング大会が始まる。イタリア人ミケーレがサッカーをしないらしく、2回で終了。ドイツ、ポルトガル、アルゼンチンを押さえて、ブルガリアが15回でトップに立つが、満を持して登場したブラジル人リカルドが棒立ちのまま、左足だけで20回をこなしてしまう。予定調和っぷりに部屋中がブーイングの嵐。

○ 今後、W杯14年がブラジル12都市で行われ、オリンピック16年がリオに決定している。経済発展はまだまだ続く。

それにしても、ブラジルを紹介するビデオが素敵すぎた。

カルチャークエストはたのしい。

Tuesday, March 8, 2011

3月7日(月) スーダ、ワイルドカード、グリーン読書とグリーンカレー

8.30 am Management Communication
3.00 pm GCC Wildcard meeting

マネジメントコミュニケーションは、シスター・スーダによるビジネス文書の書き方講座。これが毎度とてもためになる。授業もあと数回しかないので内容をアタマに入れておきたいところ。

授業のあと、GCC (グローバルケースチャレンジ) のケースを読む。ワイルドカードといって、敗者復活戦のようなものがあるらしく、内容についてのプレゼンをビデオにとってfacebook (facebook.com) に投稿、Likeとかイイネの数が多い場合は、本線に進めてしまう可能性があるらしい。ケースはここから入手可能。

前回のチーム、ホセ、ビベック、ギレムに、新メンバーのマルコを加えて3時からミーティング。なんだかんだと議論しながらある程度の方向性を決めたが、なんとなく個人的には気に入らない。とはいえ、はっきり主張できるくらいに意見がまとまらなかったので、チームの方針に従うことにする。

その後、PCルームにこもってグローバルシティズンシップのケースや文献を読む。ケースはFijiというミネラルウォーターについてで、プレミアム商品として米国や豪州で成功を収めたあと、英国でひどく批判されて、困ったことになった事例。これよりも別の読み物課題の環境にやさしいことと競争優位性についての論文がおもしろかった。タイトルを思い出したいところだが、今は調べるのが億劫なので、気が向いたら加筆することにする。

夕飯にタイ料理の出前を取った。グリーンカレーはとても美味しかったが、少し値段が高い上に、食べようとしたらスプーンが付いていなくて焦った。幸い、以前カルチャークエストで使ったプラスチックのスプーンとフォークを残しておいたので、これを使う。ちょっと本当にどうしようかと思った。読み物の続きをして遅い帰宅。ブログ書いて…というか書きながら就寝。

Sunday, March 6, 2011

3月5日(土) ハーバードエクステンション、オイスター

毎週土曜日のハーバードエクステンションでは、Recovery.gov (http://www.recovery.gov/) を取り扱ったケースがテーマ。2009年の金融危機を受けてオバマ政権が行ったベイルアウト (量的緩和) のお金の行き先を追跡できる仕組みで、ウェブサイトに掲載された公共事業が実際には行われていないなどのケースなを発見した場合、市民はウェブサイトから政府へ直接訴えることが出来る。

大量の資金を、短時間で使い切る場合には、不正が多く行われ、少なくとも7%程度は誰かの私服を肥やすことになるのだとか。その対策、かつ開かれた政府としてのアピールを込めたこのウェブサイトの効果については、教官ジョリーは否定的。100万ドルくらいをかけて構築、さらに予算を使って保守されているこのサイトから、実際に報告された不正は30万ドル程度だそうだ。抑止力として役立ったと考えられないことはないが、それにしても少ない。

これをチェンジマネジメントとしての視点から見れば、こういった組織の枠を超えての協働 (この場合、政府、一般市民、外部ウォッチドッグなど) いちばん鍵になるのは人々の巻き込み。関わる人がどれだけコミットするかで、先週のような大きな変化へつながるケースと今回のいわゆる失敗事例とが分かれる。

授業のあと、バスを待つ時間にハーバードスクエアにあるRussell Tavern というパブへ入ったのだが、とても雰囲気が良い。土曜日の少しずつ忙しくなっていく店内を見ながら、カウンターでローカルビールを飲み、ボストンでは初めて生ガキを食べた。カキは地元で獲れるので新鮮だし、値段も1つ2.5ドル (200円) 。そういえばボストンのどこかには、1つ1ドルの店があると聞いたが、本当だろうか。

帰宅すると、ルームメイトからメールが届いている。なんでも4月から親友と住むことにしたので、部屋をサブレットしたいとのこと。誰かが部屋を見に来るときに、私も会わせてもらってなるべく性格の合う人と住みたいものだ。今のルームメイトはアメリカ人の女の子だったのだが、基本的には共有スペースは清潔だし、音楽も爆音で流さないし、フレンドリーだしきれいな英語を話すし、しかも美人なので気に入っていた。引っ越してしまうのは残念だが、ルームシェアだとそんなものだと思う。

Friday, March 4, 2011

3月4日(金) 超短期インターン最終日、金曜のオフィス

7時40分の電車でLechmereを出て、9時にオフィスの最寄り駅に着く。タクシーでオフィスに到着するのが9時20分。こうやって規則正しく生活するのがなんだか久しぶりで良い気分だ。たった4日間だけど、同じ事務所へ通っているうちに、受付のおばさんともチームの面々とも少しずつ仲良くなってきていたので、今日でまたMBA生活へ戻っていくのが少しさみしくもある。

最終日は、別の競合S社の直近の業績や戦略、製品の特徴なんかを調べて、また同じようにパワーポイントにまとめる。その後時間があったので、初日や2日目に調べた企業について、追加の調べものをしたり、スライドを少し見やすいように直したり。あと、エマが話しかけてきて、ヘンリが来週内容について説明してくれと言っているので、カンファレンスコールをしましょうとのこと。プレゼンは得意じゃないのだが、やってみるしかない。

金曜日はやっぱりみんな帰りが早い。このP社の人たちは普段私が駅へ向かう6時過ぎにはまだまだ事務所に残っていて、西欧の人はみんな5時ぴったりで帰るものだと思い込んでいた私にとっては意外だったのだが、今日は例外のようでみんな5時ごろからぞろぞろといなくなった。だけど、総合的に見て、アメリカ人はどうやらヨーロッパ人たちより長時間働いているように思われる。

現在、ボストンへ向かう電車の中。車両の中にWiFiが飛んでいてインターネットが使えるのがうれしい。帰ったら、もう少し資料をまとめなおして、プレゼンできるようにアタマを整理しよう。そして、明日はハーバードで授業があるので寝る前にリーディングを終わらせないと。

Thursday, March 3, 2011

3月3日(木) インターン、サムスンとヘルスケア業界、Union Oyster

朝からオフィスへ。ヘルスケア業界に新規参入した韓国サムスン電子に関する調べ物を行う。年末に帰国した際に、日本のテレビでは「韓国企業が元気だ、韓国企業に学べ」と盛んに繰り返していたが、英国にいた2007年だか2008年の頃から、欧州各地の空港や電化製品のショップではサムスンの製品が完全に日本製品を凌駕していた。

サムスンは2010年に今後10年の成長戦略を打ち出していて、新しい5つの成長分野にヘルスケアを含めている。これらのビジネス合計で440億ドルの売上、ヘルスケアだけでも100億ドルの事業に成長させようとしている。(参考記事 http://www.ft.com/cms/s/0/f8122690-5cab-11df-bb38-00144feab49a.html#axzz1FY3EElYV)

そして、最近大きなニュースになったのが、超音波機器で世界5位のシェアを持っていたMedison社の買収。いきなりGE、シーメンスなどとの大きな競合との競争に打って出ている。動きの速さは単純にすごいなと思う。(http://www.koreaherald.com/business/Detail.jsp?newsMLId=20101214000774)



ボストンへ戻って、HultのHSA (自治会) メンバーとUnion Oysterで夕食。オイスターやロブスターで有名な古いパブだ。また学内でいろいろと問題があり、話すことがあったので集まったわけだが、オフサイトでのミーティングというのは雰囲気が変わってよいと思う。私が食べたのは、シーフードの盛り合わせのような皿。名前は忘れた。美味しかったが、やっぱり量が多かった。

Tuesday, March 1, 2011

2月28日(月) インターン的なもの

ロンドン時代のクラスメイトで、今は国連本部(UN)でインターンをしている韓国人の友人は、日曜日の夕方にNYCへ帰って行ったが、彼女の2日間の訪問は私にとってはボストンを探索する貴重な機会になった。Quincy Marketで何かを食べたのも初めてだったし、松坂がプレーするフェンウェイ・パークのレッドソックスショップに行ったのも初めてだった。また、UNでの話も面白くて機会があれば、国際機関に関わるのもきっと面白いのだろうと思えた。

今週は、HULTでの授業が水曜日の1コマしかないので、メンターにお願いして彼女のチームに関わるプロジェクトにインターンのような形で参加させてもらっている。水曜日以外の平日にボストンから少し離れた事務所へ行き、デスクトップリサーチを行う。主なテーマは競合調査で、特に日本語が使える利点を生かして、日系企業の戦略や売上規模、特長的な製品などを調べてパワーポイントにまとめる。MBAでやっている内容とかなり近い。

初日は、H社、翌日にP社を調べる。どちらもヘルスケア業界に近年力を入れている日本の大手だ。この調べものをする中でうれしいことには、日本語を使える強みが生きる。H社はヘルスケアや医療機器に関わる子会社を持っているが、この会社は、英語での報告書が年に二回で、日本語では四回。つまり四半期報告書は日本語のみだ。そして、P社は昨年グループ子会社の1つをヘルスケアと改名し、この分野を重点事業の1つとしているが、まだ日が浅いためか、ウェブサイトには英語の情報がとても限られている。

調べたものについて社員のエマからフィードバックをもらって、少し修正して一日が終わる。最寄りのLechmereから電車に乗るのが朝の7時半過ぎ、帰り着くのが夜の8時ごろだ (オフィスが遠いのと、電車が少ないので)。でもなんだか充実しているのは良いことだ。