Thursday, September 30, 2010

9月30日(木)

10.10 am Quantitative Analysis
11.45 am Amitと打ち合わせ
12.50 pm Teamwork for Business Execution
4.00 pm 自習
8.00 pm 帰宅

QuantはMultiple Regression(重回帰分析)。例えば、子ども用の本屋が近所の市場調査をするときに、本を買っていく数という従属変数を、周辺の家庭あたりの子どもの数、母親の教育レベル、収入などといった独立変数の関数として表しましょう、という話。計算はエクセルがやってくれるので、どのようなデータを集めて、どのように結果を読み取れば良いのか、そしてどのように意思決定を行うのか、というのがテーマ。

Amitは、Social Initiativeクラブというのを作りたいらしく、私とKenが呼びかけていたクラブと趣旨も似ているので協働しようかと話をしているのだが、大学のウェブサイトを通じてミーティングを呼びかけたにも関わらずHultのITシステムは絶不調で多くの人が連絡を受けていなかった様子。同じような状況の人も大勢いた様子で、どうにもうまくいかないものだ。ここのところ少し忙しく、この活動に関してはあまり時間を割けていない。どうしたものだが。

Business Executionの授業はおもしろかった。教官のKerrickがとても良い。Hultの講師としては割と高齢だと思うのだが、授業の進め方はとてもテンポが速く、そして楽しい。Team Buildingにフォーカスしていて、今はチーム形成の初期「Forming」の時期に当たるので、お互いを良く知るようにしようとか。どうやらHultのMBAプログラムは、学生のバックグラウンドの多様性を活かし、いわゆるソフトスキルに強みを形成していこうとしているのではないかと思ったりする。私としても関心のある分野だし、願ったり叶ったりだ。

ただ、今のTeamに関しては本当に問題が多い。誰1人として、人間的に嫌いというわけではないのだけれど、どうにもやりにくい。タイプとしてDirectorが多いのでみんな仕切りたがるのだが、いかんせん能力が追いついていないように感じてしまう。愚痴っても仕方がないので、どうやったらチームとしてのパフォーマンスが向上するかを考えるしかないが、このチームをマネジメントできるようであれば、かなり困った職場のチームだってどうにかできるような気がする。

授業の終了後は、翌日のExecutive Trackの資料、週の前半にあったMangement Communicationの提出物なんかを作成、Accountingのケースを読み、Global Managementの課題がまだ残ってるなあとか思いながら帰宅。Executive Trackの資料がキャリアに関するもので、私はまだ考えがふらふらしている部分があるから困ってしまう。とにかく、明日はコーチのJudyがETの講師としてやってくるから、時間がもらえたら話をしたいと思う。

9月29日(水)

まずは大学へ。

8.30 am 大学着
10.10 am Finance
12.50 pm Accounting
2.30 pm Global Case Challenge打ち合わせ
5.00 pm VCのK氏訪問

Accountingの練習問題に間違いが多くて見直しが必要。仕分けもケースと同じく筋トレのようなもので、繰り返すことで強くなるんだと思う。 Financeはキャッシュフローの分類について。特に問題なし。この後、ホゼやギレムたちと申し込むことにした、ケーススタディのコンペティション用の 文章を作成。参加の動機、チームの構成、強みなんかを軽く作文にして完成。

その後、ツイッターを通じてアポが取れてしまったボストン在住のVCの人に会いに行った。発言を見ていて、どうしても会いたくなってしまったのだ。KenとMerinaさんと一緒に、Green Lineに乗って久しぶりのボストン中心部へ。高くて、古いビルのセキュリティーは厳重で、そんなところの28階のオフィスはゴージャスだった。

VCのK氏は、なんかすごい人だった。ものすごく忙しいに違いないのに、話してくれた時間がなんと3時間。この話がとても勇気の出る話で、帰り道には3人ともすっかりモチベーションが上がってしまっていた。K氏が言っていたことは、主に自分の心が求めることをやりましょうっていうシンプルな話だったのだが、これはほんとにそうなのだと思う。私たちは自分の気持ちに蓋をすることに慣れてしまっているのかもしれない。波乱万丈な氏の生き方に、たくさんのヒントと勇気とをもらったり。

ボストンへ来て、希望は確かにあるのだけれど、忙しく、不安も大きく、ただシンプルに前向きになれないときは良くあるけれど、貴重な時間を精一杯に有効活用しようと思う。ビジネスのトレーニング、すごい能力や野望を持った人に会うこと、そして自分にできることをどんどん広げていかなきゃと思った水曜日。

Tuesday, September 28, 2010

9月28日(火)

授業が3つ、ミーティングが2つ。

8.30 am Quantitative Analysis
11.30 am Lunch Meeting for Global Case Challenge
12.50 pm Management Communication
4.10 pm Global Management
5.30 pm Team Meeting for Group Assignments
9.00 pm 帰宅

Quantは教官のLeggetが、株価と市場の動きを使っての統計概念の説明を諦め、もっとシンプルな事例を取り扱い始めた。理由はいくつか考えられるが、いちばん可能性が高いのは先日のQuizの出来が彼の予想以上に悪かったから。私は苦手の統計にもがんばって取り組んだ甲斐があって、正答率90%。成績で言えばA-が付く。とはいえ、減点された箇所を見てみるとバカみたいな計算間違いがあったり、ちょっとした説明が足りていなかったり、気をつければ防ぐことのできるものがほとんどなので、もっと集中力を高く保たないといけない。

私の元チームメイトで一緒に勉強していたりBhaktiがほぼ満点の24点を取っていたのだが、実際彼女には私がHypothesis Testingだとか、z-valueの求め方だとかを教えていたわけだから、きっと理解の程度は同じくらい。もうちょっとがんばれば、もっと良いスコアが取れたはずだと思う。ま、言っても仕方ないが、Bhaktiは私のおかげだと喜んでくれていたので良しとするか。

さて、取り扱う事例を変更したQuantの授業は、とても分かりやすいものになっていた。びっくり。そしてより一層はっきり分かるのが、Leggetの説明がとても回りくどくて分かりにくいということ。早口で、専門用語をふんだんに使ってまくし立てるので、アメリカ人フェルナンドをして、分かりにくいとか言わせてしまう。どうやら私がぽかんとしてしまうことが多いのも、英語の力が足りないせいじゃないか。

昼はGlobal Case Challengeのメンバーとランチミーティング。募集要項を見てみると、30日までに申し込むと費用の割引があるらしく、あわててエッセイを作ることになる。今夜中に自分の経歴だとか、イベントへのモチベーションなどを軽くメモして、明日文章をまとめることになった。割と小気味良く話がまとまったのは、それぞれきっと思考のプロセスだとか考えるスピードとかが似通ってるのだと思う。感触は上々。貴重な機会なので楽しみたい。

午後のManagement Communicationという授業がハズレ。3時間っていう長丁場なのだが、テーマはプレゼンテーション。「ClearでConcise」だけじゃ足りない、「あなたらしく」なければダメだとか。担当教官はハーバードのFacultyだったという女性なのだが、確かに上手なアメリカ人のプレゼンテーションという感じで話す。しかし、肝心のプレゼンテーションを上達させようと思ったら、講義をいくら聞いてもダメだと私は思う。やってみて、恥をかいて、見直して、またやってみる。結局実践無くして前には進めない。No pain, No gainだ。いっそ自分が実験台になっても良い。前に出て1分話してみて、ダメ出しされ、やり直させられるような経験の方が、ずっと実りは多いと思う。正直、内容はあまり覚えていない。

最後の授業がGlobal Management。文化の多様性への理解を深める、無意識に持っている自分の判断基準を振り返るようなことをやるようだ。Thomasは割と好きな教官だが、この授業から得られるものっていうのは、チームメンバー次第だなと思ったり。80分の短い授業だったし、お楽しみはこれから、か。

その後はチームのミーティング。Directorだらけ、指示したがり、仕切りたがりのメンバーが本領を発揮し始める。そして、要領を得ない。ああああ。ジュリーが先頭を切って早口で話すが、すでに3教科から合計10個近い提出物のスケジュールが発表されているので、みんなあんまり理解できない。

結局、良く分からないコメントが錯綜して話は進まず。私はホワイトボードに情報をまとめようとするのだが、アヌップがそのペンを奪って何か書き始める。そして、案の定、きちんと図示する能力が低い。がさつな見た目そのまんまだ(好きじゃないタイプ)。ホワイトボードいっぱいに矢印を引っ張ったのは良いが、その直線上に細かくイベントを書いていく。ミーティングも、締め切りも、課題がアナウンスされる日もごちゃ混ぜになっていて、到底理解可能なものではない。

いくつもプロジェクトを走らせるときには、左のようなタスクと日程をマトリクスにしたスケジュールを作るのは当たり前だと思っていたのだが、こういうのはプロジェクトを管理する人なら誰でも知ってるんじゃないのか。それともみんな、立派な会社で働きすぎてて、こんなアナログツールは必要なかったのだろうか。ううむ。結局、アルバロがまとめてメールするといっていたスケジュールも送られてきていないし。

ええと、とりあえずグループの雰囲気は分かってきた。そして落ち着いて情報を整理してやることで貢献できることも間違いない。この忙しいモジュールAをある程度良い成績で乗り切りたいと思うが、他の楽しいこともあきらめないで効率的にやりたいなと思う・・・なんて言うものの、結局、完成度を上げたくて自分で抱え込んでいる予感がひしひしひし。

Monday, September 27, 2010

9月27日(月)

いちばん忙しいと評判のモジュールAが始まった。

8.30 am 大学到着。
10.10 am Finance
12.50 pm Accounting
6.30 pm頃まで資料整理、ミーティング、自習。

昨日ホゼが自分のタイムマネジメントのために毎日8時に大学へ行っていると言うので、それに便乗することにする。私は基本的に夜型なので、気付くと遅くまで作業をしていてそのまま寝坊というパターンが多い。フリーランスの仕事や自分1人で完結するものならそれで良いのだが、今後を考えるとそうも言っていられない。

アカウンティングの課題を終わらせて、ちょうどいい時間になったのでFinanceの授業へ。フレンチの教官が基礎から始める。とりあえず大切なコンセプトとして、お金の時間価値、キャッシュフロー、リスクとリターンの3つをテーマに挙げる。その後に話した内容を含めて、今回はほぼTool Boxの復習なので大丈夫。グループの課題が発表されたので、早くも新しいチームと短時間での打ち合わせがあった。

特定の企業を選んでその株価の動きを分析するんだそうだ。ピンクのパーカーを着たアメリカ人ジュリーがWAL MARTを推す。スペインのアルバロがSONYとかハイテクの会社が良いというんだけど、他のメンバーはWAL-MART派だったので、結局そっちに決まった。このチームは6人。私のほかに、ジュリー、アルバロ、そしてインド人のナミットとアヌップ、ベネズエラ人のキャロライン。初日の印象で言うと、前のチームよりずっと我が強いメンバーが集まった。

ジュリーはおそらく指導権を取りたがる典型的なアメリカ人Directorタイプで、インドのナミットも筋金入りのDirectorタイプ。自分でビジネスをやっていた話を授業中にも何度も言うので、彼の経歴はみんなが知っている。アヌップも同じくらい押しが強い印象で、アルバロは押しは強くないが、絶対自分の意見を曲げない。WAL-MARTに決まった後も微妙な顔をしていた。私がいちばん苦手なのがベネズエラのキャロライン。思いついたままに言葉を発する、そして人の話を聞けないタイプ。

・・・どうしよう、これ。

チームのファシリテーダーとしての私の実力の見せ所だが、なんかムリっぽい気もする。とてもMBAらしい人間が集まっていると言えばその通りなのだけれど。なんか容易に想像できるダメなシナリオは、(1) そのうち意見の通らないアルバロがやる気を失くす。(2) ジュリーとナミットが互いに相容れない意見を持ってきてしまって、グループとして矛盾した見解を含むレポートを提出する羽目になる。(3) 話を聞かないキャロラインに私が切れる。(4) 協調性のない人たちのかみ合わない議論に私が付いていけず混乱する。・・・なんだか考えれば考えるほど、自分が辛くなりそう。

AccountingはTool Boxに引き続きハンコックが担当。Wharton MBA出身の太りまくったおっさんだけど、話はとても面白い。仕分け(Journal Entries)をかなり念入りにやっている。これも勘定科目や仕分けのパターンがすっとアタマにうかぶようになるまでの、反復が重要だなあと思ったり。で、この課題も出たのでグループでテーマを決める。とりあえずここもジュリーが口火を切って、バタバタと話が進んだ。アルバロはストレスを貯めている様子。

その後、シラバスなどの書類をPCルームでプリントして整理。それに目を通したり、To doをまとめたり、Clubについてソーシャルエンタープライズに関心のあるインド人アミットと話したり、キャリアオフィスのアメリカ人キャロライン(ベネズエラではない方)と話したり。

うちに帰って、昨日Shaws(近所のスーパー)で買ってきた砂ずり、キャベツ、ジャガイモを塩コショウと味噌で味付けして食べた。美味い。やっぱり自炊がいちばんなのだ。

明日も早く大学へ行って、To Doの整理で一日を始められるようにしようと思う。たぶん、そうやって時間管理していかないと、課題がどんどん抜けていきそうな気がする。

Sunday, September 26, 2010

9月26日(日)

ノートパソコンの調子が少し良くない。スリープモードに入った後、再び使おうとするとスクリーンが真っ黒になってしまう。マウスカーソルだけは動くのだが、他に手の打ちようがなくてPCを強制終了せざるを得なくなる。おそらく、大学と家とを往復しながらそれぞれ違うネットワークに接続しているので、Skypeだとかウイルス対策ソフトだとかのウェブに自動的に接続しようとするソフトウェアが原因になっているんじゃないかと思う。根拠は、ない。

正直、毎日大学ではラップトップを使うし、もっと小さいものがあれば良いなと思わないでもないので、現在ネットブックの購入を検討中。アメリカではネットブックはいちばん安いもので230ドル(20,000円)程度からあり、日本で買うよりきっと安い。さっそくガレリアに入っているBEST BUYへ見に行ったのだが在庫が、全然ない。もう、使えない。

日曜日は、Case Analysisの課題とメンバーのPeer Evaluationを作成。夕方からスペインのホゼと会ってお茶を飲みながら話した。今年Hultが力を入れているイベントにGlobal Case Challengeというものがあり、このチームに入らないかと誘われた。メンバーは以前ドバイでのアセスメントセンターでも一緒だったExecutive Trackのメンバー、ブラジル人ギレムと、ホゼの仲良しらしいファビオ。彼もブラジル人。面白そうなので参加することにする・・・が、ほんとにいろいろなことに顔を出していて、自分がパンクしないか心配。

あと1人メンバーを追加できるらしいので、インドのビベックを推薦しておいた。本当はチームに女性が1人以上いると雰囲気が良くなるのだが、同級生の女性(約30%)を考えてもあまりピンと来る人がいなかった。Executive Trackメンバーでは紅一点がノルウェイのカトリンなんだけど、あんまり乗り気じゃなさそうだし。きっとビベックが入って、ブラジル2人、インド1人、スペインと日本(私)っていうチームになれば楽しい。

ちなみにこのGlobal Case Challengeなる企画は、学生が4-5名のチームを組んで実際のビジネスの課題への解決策を考えるコンペティション。詳細はこっち→ (http://hultglobalcasechallenge.com/) 私は仕事での経験がジュニアレベルというか、自分でアクションを起こすよりも誰かのサポート中心だったので、新しい企画を立ち上げたり、ネットワークを広げたりといった経験が不足。このプロジェクトを通じていろいろと経験が積めれば良いと思う。

で、ホゼがそのままうちに遊びに来て、Tool Boxの終了を祝って軽くビール。同級生の中にサブグループ的なものができていて、結局みんな同じ文化圏の連中とつるんでいるのが面白くないらしい。私に分かる範囲だが、今のコースではインド人コミュニティーと、ラテンアメリカコミュニティーが大きくて、あと日本人も割と身内の集まりがある。母国語や文化的背景が共通の人たちと集まると、確かに行間を読み易くて楽なのだ。ただ、それがメインになってしまうと留学に来ている意味もなくなってしまうので、それは自分が落ち込みそうなときだとかの特別な機会に取っておいて、普段はなるべくいろんな人とつるんでみた方が良いと思う。

私の場合ラッキーだったのは、英国での1年目のクラスにも日本人がほとんどおらず、仲の良かったフラットメイトたち(女子ばかり5名!)の割と上手な英語に囲まれて暮らせたことだ。しかも2年目には、大学院で160人の学生の中たった1人の日本人として、なんかいろいろ辛い目にあった気がすることだ。笑。周りはネイティブや半ネイティブ、在英5年以上(学部から)がほとんどで、ディスカッションについていくのも大変だったし、プレゼンなんて言語のハンデキャップによるプレッシャーがひどかった。でも、あれを乗り切れば自分にできることとそうじゃないことは見えてくるし、なにより自信がつく。

ホゼの話に戻せば、金曜日にはラテン軍団の集まりがあり、30人近い学生がみんなスペイン語で話していたとか。彼はラテンだが欧州系なので、直接はお呼びがかからず、一緒にいたファビオに連れられていったとのこと。ううむ、ラテン30名のフライデーナイトアウトっていうのはなんとも楽しそう・・・。

その後、テレビでスーパーマン2が始まってしまって、私もホゼも画面に釘付け。スーパーマン、彼こそヒーローの典型で、男のロマンだな。かっこいいなあ。

9月25日(土)

Tool Boxの終わった土曜日には、翻訳の仕事で徹夜のまま突入。今度はRtRとは別で依頼された案件。現代社会について語った文章で、近代とポストモダンなどの概念が頻出するため、適切な日本語を探すのに悪戦苦闘。学部で社会学をかじっておいて良かったとつくづく思ったり。長さは4ページと簡単に見えたのだけど、シングルスペースでぎっしり書かれていて、内容も短い文にいろいろ詰まっていたのでアタマを使う。

終わったのが朝方で、少しおかしい箇所を直したかったのだが、思考回路が擦り切れていたので一旦保留して睡眠を取る。目が覚めた後、とりあえずクライアントに進捗を報告し、後ほど完成稿を送ると約束。ブログを更新したり、部屋を掃除したり、メールやブログをいじったり、日本やロンドンへ電話したり。

夕方、ボストン近郊のビジネススクールおよびロースクールの日本人が集まる会があった。新しく届いた自転車でチャールズリバーを渡り、中華街へ。Hultのほかに、MIT、Babson、BU、Sufforkの人たちが参加し、全部で30名ほどの大所帯。まだここへ来て一ヶ月ばかりなので、学外に知り合いは少ない。珍しく他の人と会えるのは楽しかった。同時に、多くの人に会えば会うほど、同世代の人の中での自分の経歴が異色で、将来に一抹の不安を覚えるのだが。まぁ、過去は変わらないので、やれることからがんばるか。

帰宅後、翻訳した文章の不明瞭だった点を、原文に戻って確認、修正して送付。その後深夜にメールが来ていて、クライアントはとても喜んでくれていたそうだ。何かするときには、結果を以って喜んでくれる人がいるとモチベーションが上がる。

Saturday, September 25, 2010

9月24日(金)

今日はMBA Tool Box最後の日。これはオリエンテーションにあたるプログラムで、AccountingやらFinance、Case Analysisなどは勉強するものの、どっちかといえばこれからの本番の授業に付いていくための準備期間。まぁ、若干睡眠不足ではあるものの、まだブログを書く余裕もあれば、シンプルなウェブサイトを作っちゃったり、翻訳のボランティアだとかネットワーキングの時間もあるんだから、まだまだがんばれるはず。

少し久しぶりの10時登校でのんびり。DeanのHenrikの話があって、ゲストの教授のスピーチ。内容は再生可能エネルギーのことなど。声が小さく、マイクの音量が小さく、かなり集中しないと聞こえない。そしてこのスピーチの内容に沿ったケースが与えられる。

うちのチームは4人。そのうちエウジェニオは飛行機のチェックインだとか、今さらホテルのブッキングにトラブルがあったりで、またしても心ここに在らず。Ramは相変わらず話が回りくどい。いろいろ意見を出してみるんだけど、結局ありふれた話に終始してしまって、なんともまとまらない。

しかもエネルギーに関する話だから、結局政府や議会が主導でやらないと、なんて到底MBAらしくない方向にアイデアは収束し始めて、つまんなくて仕方がない。フラストレーション。政府が通して欲しい法案1.2.3.なんて書いてプレゼンしようものなら赤っ恥だと思うのだが。


で、どこかで聞いたことある話なら、せめて何かフラッグシッププロジェクト的なものをまとめて、その点だけでもアピールできるようにしようじゃないかと、アイデア出しと試みるのだが、なんだかうまくいかない。つうか、4人チームの1人が上の空で、あと1人がディスコミュニケーションじゃどうしようもない。Bhaktiも今さらウェブで何か調べている。うぅむ。結局1人で5分でバタバタと模造紙に何か書いて、プレゼンも自分。あーあ、これは良くないサイクルだ。

仲良くすると、クオリティが上がらず、クオリティを上げようとすると、士気が下がる。議論が終われば仲の良い友達でいたいが、意見の交換は建設的にガツガツとやりたい。そういう空気を作り出せる人がいて、私は明らかに昔からそういうタイプではないのだが、だからって誰かに頼ってても仕方ないので、このリスクフリーの環境をめいっぱい使って練習してみるしかないんだよなあ。

何はともあれ、エウジェニオはこれでロンドンへ旅立っていって、私たちのチームのTool Boxはおしまい。モジュールAは月曜日からなので、週末には体調を整えつつ、あー、また翻訳の仕事がある。

Friday, September 24, 2010

9月23日(木)

今日はプレゼンの日。朝からチームで集まって資料の最終チェックとプレゼンのリハーサルを行う。

プレゼンは、Bhaktiが上手。コーチの役を買って出てくれて、トップバッターのRamにはかなり手厳しくコメントが入る。というのも、予想通りというかなんと言うか、1分~1分30秒の予定のところを、2分半も1人でしゃべってしまったからだ。相変わらず言葉に抑揚がないし、表現はまわりくどい。でもしばらくするとずいぶん上手になった。Bhaktiの名指導っぷりには舌を巻く (Ramじゃなく)。

私はプレゼンが苦手だ。英国にいる間に一通りの失敗はやったので、気をつけなければいけない点は分かっているのだが、どうしても緊張してうまく話せなくなってしまう。とにかく、いくつかポイントを絞っておいて、その入りのフレーズだけはアタマにいれるようにする。あとは最悪真っ白になったときのためのメモを持っておくこと。で、大きな声を出すこと。

結局、最後のパートを担当するエウジェニオがいちばん苦労していた。プレゼンの翌日のラップアップ・アクティビティーが終わるとすぐに飛行機でロンドンへ向かうということで、いろいろ身の回りのことに大忙し。心ここに在らず。気持ちは分からないでもないが。しっかりしてくれ。

順番決めのくじ引きでRamがまさかの最後を引く。ほんとに最後まで気が抜けない最低のくじ運だ。ほんとにやってくれる・・・。散々待たされながら他のチームのプレゼンを見る。私たちの本番は、いろいろ緊張したんだけど、妥当な感じに収まったか。自分が話す段で少し詰まったけれど、Q&Aで出しゃばってたりして本末転倒。授業の時間切れで質問もあまり突っ込んでなされず、助かったかも。

やっぱりプレゼンは上手じゃないが、キャラクターもあるのか、話してるときにはオーディエンスの注意くらいは引きつけるようにできている。話し方、身振り、その他の向上の余地はあるように思う。練習できる機会は自分からつかんで、この一年でスキルアップを図りたいところ。

Thursday, September 23, 2010

9月22日(水)

朝がFinance。その後は翌日のプレゼンに向けたミーティング。

スライドの構成はできていて、あとは適切な数値なんかをウェブから拾ってくるだけなのだが、要領の悪いチームメンバーにすっかりげっそりさせられてしまった。ノートパソコンが壊れたRamが、私と他のメンバーがプレゼンの構成を練り直している間、コンピューター室にこもってずうっと何時間も調べ物をしていたのだが、結局まったく使えない大量のプリントした資料と共に現れた。

今から、それをどうしろと?(笑
つうか、プレゼンの中身分かってるの?(笑

え?(怒

調べ物っていうのは、本当に時間を食う。いったい必要な数字は何なのか、目標を絞ってやらないと意味がないというのが、本当に本当に良く分かる。唯一使えるかと思った数字には、参照元が記載されておらず使用不可。見せてくれたURLの1つなんてインドでのマーケットシェア。残念、課題はアメリカについてだ。

結局、夜中に自分で数字を拾う羽目になったが、1-2時間あればプレゼン全体をカバーできるだけの数字は見つけることができた。私すごいじゃん、とか思うやら、チームメイトにますますムカムカしてくるやら。気分を害してても時間もエネルギーも無駄なんだけれど。私は今週この他に、13ページのマーケティング文書の翻訳を1件、HULT2011のウェブサイト更新、このブログの更新に、クラブ立ち上げの資料作成などの、事務作業をこなしている。本当はもっと読みたい本だってあるのに・・・。

チームは基本いい人間なんだけど、どうにも私に負荷がかかりすぎている・・・。この抱え込んでしまうマネジメントの仕方を変えなきゃなぁ。

Tuesday, September 21, 2010

9月21日(火)

大学に半日いるのが普通になってきた。
Module Aが始まったら、もっと忙しいらしいので、
もっと効率よく作業を終わらせるクセをつけていかないと。

10.10 am Quantitative Analysis
1.00 pm Meeting
2.00 pm Accounting
4.00 pm Team Meeting
8.00 pm Beer at Lingo

Quantは相変わらず意味が分からないし、質問をしようにも授業終了後は学生が教官を取り巻いている。みんな大混乱しているということだと思う。分かってるのは一握りじゃないかしら。

Meetingは、Amit、Aaronがサステナビリティーについてのクラブを立ち上げたいとのこと。Kenと話してたのとアイデアが駄々かぶりだ。Hultのキャンパスをつないだネットワークにしたいとか、草の根的な活動(電気を消してみる運動とか?)を呼びかけてみようとかって話。結局Amitが持ってるネットワークがどれだけのものなんだろう。

Accountingは減価償却の話。この辺は余裕。

Team Meetingでは木曜のプレゼンに向けたスライドを作成しながらアイデアをまとめていく。ラムの話が長い。何について話したいのか分からない。エウジェニオはラムが話し始めると集中力をなくしてしまうのが良く分かる・・・。ラム、たぶん年上なのになー。プレゼンの時間がたった8分なので、ポイントを絞りに絞って、時間を厳守してくれと頼んでおいた。

ミーティング後にメールの処理、スライドの手直し、調べ物、などなど。8時からAaronとWendyとで大学のパブで軽く一杯だけ。9時前には家に帰って、前日寝不足のため早めの就寝。Tool Boxもあと3日・・・。

Monday, September 20, 2010

9月20日(月)

月曜日。

8.30 am Finance

10.50 am Quantitative Analysis

1.30 Case Analysis
4.00 Team Meating

Financeでは、Future ValueやPresent Valueなどの計算。ファイナンス電卓なるものを買ったのだが、まだ使い方が良く分からなくて困る。しかし、この辺の計算は英国にいたときに習ったのでとりあえず大丈夫。ゆっくり考えれば分かるのだ。

ほんとの問題はQuantsだ。各国のストックマーケットの動きをエクセルに落として、相関の有無を見るのだが、この意味が分からない。covarianceっていうのがあって、それは「xの各値とxの平均値の差」と「yの各値とyの平均値の差」を掛け算したものを、「xとyの標準偏差の積」で割るのだそうだけれど、要するにこれはなんなんだろう。xが平均以上のときに、yもプラスであればこの値は大きくなり、yが平均未満ならこの値はマイナスになる訳で・・・。授業では、これとRisk-Returnを絡めて教官が話をしていたはずなんだが、どうにも理解が追いつかないので明日のオフィスアワーに質問に行くとするか。

Caseは相変わらず面白い。でも今日は少し予習不足だった感も否めず、ディスカッションに入り損ねた。言いたいことはあったのだが、これをサポートできるエビデンスまで読み込めていなかったのだ。なかなか、悔しい。次回は木曜日のプレゼンテーションを残すのみ。今までの内容とプレゼンというのが、実は結びつかなかったりもする。狙いは、なんなんだろう。

チームミーティングは、上記プレゼンのスライドの構成の検討と、内容についてのアイデア出しおよび絞り込み。うちのミーティングは、私がファシリテートするのが基本になってきた。先にスライドの構成から入って、後は話がずれないようにしたり、各パートがリンクしているようにレビューをしてみたり。自分より経験や知識やスキルのある人たちから、知恵を引き出すことで、プランが流れに乗っていくときというのは、私にとってはかなり充実感を覚える時間だったりする。

ミーティングは6時半頃まで続いた。修了後に、エウジェニオとバクティが、「良いミーティングだったね」とかうれしそうに言ってくれるのはうれしい。でも、ラムが少しご機嫌斜めに見えたのは、授業中にジュリーに詰められたのが原因か、それとも、私か。このチームとも今週でお別れなので、最後はいい形で終わりたいと思う。

その後、8時半頃までメールの返信、Quantのレビューをして、帰り道でテイクアウトのごはんを買って帰宅。食べてから少し居眠り。明朝Quantのミーティングがあるのでもう少し勉強。Caseの調べ物もしておかなきゃ。Tool Boxでこの要領の悪さでは、今後が心配だ・・・。

Sunday, September 19, 2010

9月18日(土) - 19日(日)

この日記はHULTとは関係がなくなってしまいそうなのだが。

私は英国に住んでいた頃から、Room to Readという非営利法人のボランティアとして、英語から日本語への翻訳作業を行っている。マイクロソフト社の取締役だったJohn Wood氏が立ち上げたNPOで、企業や政府と共同で発展途上国に学校や図書館を建てたり、女子が中等教育を受けられる機会を提供したりしている。

ボランティアを始めたのは、私自身、昔から本が好きだったし、教育を通じて世界を変えようという理念に共感したのが1つ。そして、現在のビジネスが社会に与える影響力の大きさを考慮するに、事業というのは社会の仕組みを形作っていくものであるというCSR的側面が今後のビジネスにとってとても重要だと考え、こういった試みに何らかの形で関わりたかったというのがもう1つ。

さて、土曜日は、この翻訳があった。内容はマーケティングやプロモーションに関するガイドラインで、長さは13ページ。もっと余裕を持ってやりたかったのだが、先週は授業やミーティングがやけに忙しく、手が付かないままに週末になってしまったのだった。困ったことに、翻訳していた資料の後半は、ガイドラインというよりも完全に契約書になっていて、語彙が分からない。意味が分かっても適切な日本語が使えない(法律用語なんて嫌いだ!)。

途方に暮れていると、夜になってKenとNoriがうちへ現れた。行き詰っていたのもあって、小一時間ばかり部屋でだらだらと話す。授業の様子や、周りの学生の様子、来月から始まるいちばん忙しいという噂のModule Aのことなど、とりとめもなく話す。私たち3人は年齢が近く(80-81年生まれ)、それぞれ仕事を辞めての私費留学なので、何かと立場が近い。そんなこんながあって、2人が帰った後、翻訳が朝までかかった。

日曜日は昼まで寝て、それからものすごく久しぶりにホームページなるものを触ってみた。このブログやボストンの情報、MBAへの受験情報などを集めて、今後のHultの人たちが参考にできるようにすれば良いという考えだ。とりあえずテンプレートを拾ってきて、いじってみているのがコレなんだけど、やっぱり出来は良くない。

○ MBA受験を考えている人がたどり着いてHultに関心を持てること。
○ 在校生にとっても訪問する動機があり、できるだけ頻繁な更新が行われること。
○ 結果、ページが将来的に継続すること。
というのが鍵だと勝手に思っているのだが、こういうのはITに詳しい人に聞いてみたほうが良いのかな。

明日は、QuantとCaseがあるので、Quantの課題の復習をして、ケースを読んで寝よう。
MBA Toolboxの終了まであと1週間になってしまったし、
今週もきっと忙しくなるんだろうな。

Hultがインドになった夜 (9月17日(金)part 2)

そのイベントの名称は、Karaoke Nightだった。

だけど夜の7時半頃にぼくが到着したその場所は、

日本語でいうカラオケの場所ではなくて、
インド人が踊りくるう祭の場。



少し前に見たときには、南米勢とインド系が同じくらいにはしゃいでいたのだが、
ペルー育ちでアメリカとオランダのハーフ、ムーツの誕生日パーティーに
南米系とヨーロッパ系が流れ、この場所はすっかりインドと化していた。

不思議な音楽。
不思議な歌声。
踊りくるうインド人。
もーすごいのなんのって。

これぞ、祭だ。

祭っていうのは、ハレとケという概念で考えたらいいんだよとか、
あれは要するに日常のすぐそばにある非日常の空間なんだとか、
昔大学で習ったんだか、本で読んだんだか。
そんなフレーズを思い出してしまうくらいのトランスっぷりだ。

普段はおとなしいインド人ビベックだって、走る、踊る、飛ぶ。
こいつは普段とても知的なんだけど、この日は野生的だった。

もうなんかヤケだったのでこの宴に混じろうとしてみたんだけど、
インド音楽で非日常側へトリップするのは難しかった。

去年か一昨年にロンドンで同世代カラオケの会を開いたことがあったんだけど、
あのときの私たちっていうのも、このくらいトランスしてたのかしら。
うん、あのときのなぞのエネルギーは、やっぱり祭だったんだろうと思う。

Saturday, September 18, 2010

9月17日(金)

10.00 am Presentation on Presentation Skills
10.30 am Accounting
12.45 pm Executive Track Kick-off Meeting
2.00 pm Case Analysis
4.00 pm Study Group for Accounting

8 時半に大学に着き、朝食をとりながら翻訳ボランティアの作業を進める。Room to Readという団体から依頼された文書の英日翻訳なのだが、ここ数日バタバタしていてスケジュールが遅れ気味。そろそろ授業の課題も増えてきたし、学外で の活動の量もコントロールしていかないと。

10時からはHultのManaging Directorのキャロラインから、「良いプレゼンテーションとは?」についてのプレゼンテーション。見た目と声で印象の9割方が決まるとか。これ自体 は確かによく聞く話だが、確かに米国人はプレゼンが上手い。自然に体が動くし、声を張る。またどんな内容だって自信満々に話せるその様子は、傲慢と映らな いでもないのだけれど、文化的背景の違う人々とやり取りするうえでは、必要以上に謙虚な姿勢よりずっと効果的なのだと思う。

ここでうれしいニュースが1つ。The Economist誌のグローバルMBAランキングが発表され、Hultが去年の44位から27位へとランクアップしたらしい。北米大陸では17位とのことで、こういうのは自分の実績ではないのだけれどとてもうれしい。

Accountingは主に仕分けの練習。簿記3級程度の内容なので、私にとっては昔の記憶を掘り起こすような感覚。その一方で、授業の進むペースは速 く、日本人クラスメイトのうち会計の経験がない人はかなり困っている。MBAは基本ビジネスの知識ゼロからでもついて行けるようにデザインされているが、 これには大変な努力が必要だし、さらに言語のハンデまで加われば、苦手科目のある日には夜通しの予習が必要になりそう。

もしも会計の知識のない人がMBAをやるなら、事前に簿記3級の勉強をしておくと良いと思う。1週間マスターとかのテキストを1日1時間から2時間くらい読み、仕分けや試算表の作成を練習しておくだけで、授業についていくのがずっと楽になる。

ランチタイムはExecutive Trackというプログラムのキックオフ・ミーティング。職業経験(min3年)、学業の成績、GMAT(min680)、そして一日かけてドバイで行ったグループワーク型面接の評価を考慮して選ばれた学生14名が参加できる。軽いランチを取りながら、まずは自己紹介、プロ グラムの紹介。志望業界に詳しいメンターの紹介、企業訪問の機械があったり、プレゼンテーションやセルフブランディングのワークショップなどに参加できる らしい。

集まった面々を見ると、ドバイの面接で会ったジャック(中国)、ホゼ(スペイン)、テリー(フランス)、ギレム(ブラジル)が知った顔で、今のクラス メイトからキャトリン(ノルウェー)が紅一点、あとビベックとスマンサ(インド)。他に初めて顔を見るインド人が3-4名。このうち1人はGoogleで働い ていたということ。Google人って初めて見たわ。

さすがにみんな英語も上手くてホッとする。クラスでのディスカッションでは何を言ってるか分からない学生も実際いるし。それぞれアタマが良さそうな顔をし ていて(思い込み)、いろいろ豊富な経験を持っているので、自分の自己紹介の段になって困った。能力で負けているとは思いたくないし、終日ぶっ通しの面接 の結果ここに選ばれているのだから自信を持たなきゃいけないのだが。なにはともあれ、メンターを付けてくれるのはうれしいし、いろいろメンバーから学ぶこともありそうだ。がんばろうと思う。

午後のCaseは、IBMのPC部門を買収したLenovoのマーケティングについて。ジュリーからのケーススタディでの発言の仕方についてのレクチャーがあり、それを踏まえてディスカッション。初回のことを思えば、ずいぶんと議論らしい議論ができるようになってきたと思う。コツはやっぱり結論を先に言うことで、聞き手があとの議論に着いていけるように誘導すること。つくづく同意。

私のチームのインド人ラムが困った人の典型だ。結論が見えない。言葉数が多い。話が長い。そしてポイントがない。イタリア人エウジェニオがここ数日切れ気味になってきた。私は、要点をまとめて議論をファシリテートしたり、つまらない冗談を言って多少空気を和ませたり、Relater特性をフルに発揮してみているつもりだが、いかんせん、ラムには伝わらない様子。ほんとにもう。・・・結論から言えー。

続く。

Thursday, September 16, 2010

9月15日(水)

忙しい一日。

8.30 am Quants (Quiz)
11.50 am Finance
1.30 pm Case Analysis

朝から定量分析。半分だけ授業があり、最後の30分はQuiz。問題は5問で、計算問題と記述問題がある。どちらかといえば、計算ができることではなく、コンセプトをしっかり理解しているかどうかを問われる内容だった。なんとか時間内に解き終えて一安心。

ファイナンスの授業ではWall Street Journalの読み方から始まって、Yahoo!ファイナンスをのぞいたり、ポートフォリオが動向と説明を受けたり。どうやらファイナンスを学ぶ一番い い方法は自分でやってみることのようだけど、私にはそのモチベーションがないのだけれど。

Caseはまたしてもケーススタディへの取り組み方。短い時間でケースをやってみた後、議論のフローについてのフィードバックを求められる。まず、結論を 出すべき事項やそのための障害となることをきちんと共有していないと、話はまとまらない。当たり前の話だ。そして、自分の意見はエビデンスでサポートす る。でないと水掛け論になってしまう。そして、最後はやっぱりインド人が全く文脈からかけ離れた発言をしてジュリーに詰められていた。なかなか、議論を組み立てていくのは難しい。

その後、このケースへのフィードバックを作成したり、定量分析の課題をグループでやったり、アカウンティングの宿題があったり、そうしているうちに夜の8 時になってしまった。定量分析の課題はエクセルを使うのだが、これをチームメンバーがぐちゃぐちゃに混乱させていく。ひぃぃ。実は前日にすごく早く寝て、 朝3時に起きてケースを読んだり、Quizの勉強をしたりしていたので、なんだか体力的に限界。
うちに帰って寝た。

エクセル作業だとか個人でやった方が早いことは個人でやるべきなんだよな。

Wednesday, September 15, 2010

9月14日(火)

火曜日、授業は1つだけ。
10.50 Introduction to Case Analysis

Hultの特色の1つ(とウェブサイトに書いてある内容)に、ケース・メソッドというのを使ったアクションラーニング形式による学習というのがある。実際の企業の事例を元にした「ケース」と呼ばれる10-30ページ程度の文章を読み、これにもとづいた議論によって、学生がシミュレーション形式でマネジメントを学習していくという手法だ(説明が下手なので、詳しい人に聞いてみて下さい)。

このIntro to Case Analysis (Case)という授業は、学生がケースメソッドをより実りあるものにしていくための準備だと考えれば良いと思われる。教官はジュリー・クーパー。小柄な外見のアジア系女性だが、授業は誰よりもパワフル。経歴もハーバード学士、某投資銀行、ハーバードMBAの後、戦略コンサルティングファームと、アメリカのエリートコースをひた走っている。

初回のケースは、ある若手起業家が自分の事業を競合に売却するか否かという設定。軽いウォーミングアップの後、ジュリーはクラスに向かって質問を投げる。「さて、あなたが投資家だったらこの事業に投資する?投資しない?それは何故?」。指名された学生が意見を発表すると、それに対する反対の意見、追加のコメント、様々な見解が続いて、そしてケース・スタディが始まっている。ちなみにこの発言は成績に反映されるので、学生はみんなこぞって手を上げることになる。笑

だけど、この授業はケースの内容以上に、どうやって建設的かつ内容の濃い議論をクラスルーム内に作り上げていくかがポイントなので、ある程度の意見が出たところでジュリーはディスカッションをストップし、これまでの発言や議論のやり取りについてのフィードバックを求める。

・ 自分の意見はエビデンスでサポートすること。
・ 自分の発言のポイントを明確にすること(何について、誰に賛同するのか、反対するのか、それはなぜか)。
・ 発言は回数ではなく内容によって評価されるので、クラスにとって意味のある発言を心がけること。
・ 意見を言うときには、内容だけでなくタイミングも考慮するべき。

などなどの意見が学生から出されるわけなんだけど、何が気に食わないかと言うと、この期に及んで「投資に関しては、俺達はもっとファイナンスの面をしっかり考慮すべきだ」なんていう授業の流れに沿わない発言をしてしまう学生がいること。つまり、議論や授業の流れが見えていなくて、自分の意見を言いたいがためだけにずっと前から手を上げていたわけだ。あまつさえ、実は誰かがすでに同じことを言っている。インド人の中に数名と南米系の学生の中に数名、この傾向がとても強い学生がいて、実は多くの学生から反感を買っている。私を含めた数名が思わず失笑。

Hultにいると、各国の文化的な違いというのは本当にいろいろな場面において見ることができる。私は日本を3年ばかり離れているので、今はある程度この違いを客観視することができると思うのだが、当初は確かに戸惑ったものだった。ただでさえ聞きなれないアクセントの英語で、的を射ないランダムなポイントについて授業の流れと関係なく、しかもかなり積極的に発言されると、訳が分からなくなってどんどん自分の英語のリスニングに自信がなくなってくる。不思議なもので、そのうち意味のない発言は自然と聞き流せるようになってくるんだけれど。

話はそれたけれど、こんなディスカッションがあって今日の授業は終了。韓国人ウォンとリー、日本人Kのランチに合流して軽い話をした後は、明日のQuizに向けたQuants勉強とCaseに向けたリーディング。2時ごろから7時半頃まで勉強した後、ウォンに誘われてHultの1階にあるバーに行くと、今日Quizを終えてご機嫌のメキシコ人イグナシオ、インド人アディタとスミタ、日本人のY氏が軽く打ち上げモードで飲んでいるというアクシデントが発生。1杯のはずが3杯になって帰宅。

夕飯後にケースを読み終えて、軽く眠って、早朝というか深夜起床。いま、このブログを更新してから、Quantsの最終レビューをしてQuizに臨もうと思う。明日は授業が3つもあり、しかも最後の授業が発言やクラスへの貢献の求められるCaseなので、脳の体力的にタフな勝負になりそうだ。ううむ、やっぱりバーへ行かなきゃよかった気が・・・。

Tuesday, September 14, 2010

9月13日(月)

朝の授業がアカウンティング。Assets(資産)、Liabilities(負債)、Stockholders' Equity(株主資本)、Revenue(収入)、Expenses(費用)に属するAccont(勘定科目)、いくつかの取引を仕訳しながら覚えていく。それぞれの取引をJournal(帳簿か?)に記入、Account(勘定科目)ごとのT-account / Leisure(勘定科目帳)を作成し、期末にTest Balance(試算表)を作成するところまで。定量分析に傷めつけられた脳に、少なくとも基礎を知っている会計の仕組みがすごく心地良い(簿記三級じゃ威張れないが)。

授業のあとは、短いチームミーティング。メンバーのイタリア人エウジェニオが、母親が病気で手術を受けることになったため、このTool Boxが終わればHultのロンドン校へ移ることになったという。ボストンとロンドンではイタリアへのアクセスは全然違うので、何かあれば駆けつけられる場所にいたいとのこと。

エウジェニオは私と同い年、イタリア人には珍しく口数の少ない男で、じっくり考えて発言するタイプだ。9月2日のエントリーにあるいかだを作ったときには、いちばん中心になってストラクチャーを考え、実際に現場でモノを作ってリーダーシップを発揮した男なので、私にとってとても信頼できるチームメイトだったのだが、ここボストンで一緒に勉強できるのは残り2週間未満となってしまった。事情が事情だけに、残念だけれど仕方ない。私自身、約3年を過ごしたロンドンには良い友人も多いのでぜひ紹介してあげたいと思う。

ミーティングの残り時間では、Quantsの進捗確認、それぞれの分からない点の確認、他の課題の確認などをさくっと行い、その後はまたQuantsの課題に戻る。うちのチームは基本的に「分からなければ相談するが、そうでなければ勉強は個人でやった方が効率がよい」と考えるメンバーが揃ったのでやりやすい。チームによっては、四六時中一緒にいて一緒に勉強しよう、というポリシーを取り入れている(?)ところもある。私にはどうにも効率が悪いように思えて仕方がないのだが、いろいろな国籍、いろいろな性格の人間が集まれば、チームの様子もさまざまである。

さて、私自身のQuantsの進捗だが、週末の勉強に加えて、日本人クラスメイト間の驚くほど素敵なサポートもあり、どうやら合格ラインに乗ってきている。オンラインコースの最終アセスメント(練習問題)では、正答率65%合格のところ昨夜は70%(参考資料あり)だったのだが、今日の夜が76%(参考資料なし)となった。クラスメイトで某大手総研のシニアコンサルタントのT氏から、「スライドを全部見てもアタマに入らないから、先にアセスメントをやって間違った部分を勉強する方が効率的だ」と教えてもらったおかげである。

このT氏がすごい。さすが情報を扱うプロだけあって、与えられた情報を処理して整理するスピードが違う。私と比べれば(比べるのも失礼だが)、1995年ごろの家庭用パソコンと最新型のパソコンくらいの差がある。「スライドよりアセスメントを受けよう」と人にアドバイスする一方で、本人は数百ページのスライドにしっかり先に目を通し、その上でベターな解決策を考えて共有してくれている。さらに、アセスメントの問題は一度解いてしまうと見ることができなくなるため、自分が解答するときにページをスクリーンカットで保存し、解答付きでみんなに配ってくれる念の入れようである。・・・こんな上司が欲しい。

とはいえ、解答を見ていれば問題が解けるようになるわけでもないので、あとは自力でがんばるのみである。私のいるレッドライン・グループのQuizは水曜日なので、明日の授業のあとでどれだけ知識を積み増しできるかで成績は変わってくる。30分程度のQuizなので構えすぎても仕方ないが、ここでつまづくとバタバタといってしまいそうな気がしないでもない。自信を持って臨みたい。

・・・で、明日はケーススタディがあるからアーティクルを2つ読んでおかなきゃな。切り替えが難しい。

Saturday, September 11, 2010

9月11日(土) - 9月12日(日)

授業が始まって実質初めての週末は、いきなり慌しいものになった。週明けの火曜か水曜日の定量分析のクラスでQuiz(ミニテスト)が行われることになり、そのためにオンラインコースを受講して、まとめのテストを受けておくようにと指示されたのだが、これがクセモノで、私を含め大勢が軽いパニックに陥ることになっている。

このオンラインコースは、教官がハーバードでも教鞭を取っているのか、あるいはHultがその教材を取り入れているのか、HBSで使用されていると思われる統計の基礎コースだ。自分が新人コンサルタントになって、統計の手法を取り入れながらクライアントの課題を解決していく。しかし、困ったことに、このスライド数が300ページもあり、しかも音声付きなので1ページずつに時間がかかる。音声を最後まで聞かなくても、文字だけ目で追えばいいはずなのだが、1ページごとの文字数も多い。しかも、練習問題やセオリーの説明はページに含まれていなかったりする。総スライド数は軽く500ページ、一通り終了するだけ(注:アタマに入るかどうかは別)でネイティブで20時間から30時間。統計に疎かったり、英文の理解が遅ければさらにひどいことになる。

私は、統計が苦手だ。自慢じゃないが日本の大学時代に必修だった統計を2度落としている。3年生のときに1年生に混じって授業を受けた上に、最終テストの答案用紙に「
社会学系の専攻(うちの学部は心理学系、社会学系、教育学系が選択できた)に進んだ3年生なので、卒論に統計を用いることはありません。これを落とすと卒業に影響するので単位を下さい」なんて書いたことだってある。若気の至りといえばそうなのだけど、結果は「可」だったので、このコメントが効いた可能性は否めない。・・・恥を晒しても仕方がないが、ほんとのことだ。

しかも、実は英国留学中にも定量分析の授業を1単位取っていたりするのだが、やっぱりこれも専門用語を駆使して猛スピードで進む授業についていけず、結局グループのメンバーに頼りまくってなんとかパスした。成績もこの修士の一年間を通して2番目くらいに悪かった(一番悪かったのはファイナンスの生徒用の授業に混じったM&A)。

言い訳になるが、数字が全くダメというわけではなく、GMATのQuantitativeは2回受けて49と47(上位10-20%)だし、アカウンティングの成績は悪くない。日本では会社の数値管理の部署にいたし、大昔の大学受験だって二次試験に数学があったくらいだ。数字が苦手なのではなく、次から次へ現れる専門用語や、なんとなく「性に合わない」理系式の考え方を理解しない限り、「同じ言語を話しているのに意味が分からない」、あのディスコミュニケーションな感覚がどうにも気持ち悪く、勉強していて楽しくないのだ・・・と、いくら言っても仕方ないのだが。

こんな風に、長く長く愚痴ることのできるくらい苦手意識のある統計だが、今回はどうやら逃げられない。課題はタフさを増していて、英国の修士(Master of Science in Management)で5回の授業を使って講義したとほぼ同じ内容を「オンラインでさくっと勉強しておけ」となっている。しかも、Quizはグループではなく個人ワークだし、どうやら今後のModule AやBでもこれら統計的手法というのは使うらしい。これは三度目の正直(学部、修士に続く)と思いなおして、がんばってみているところである。そーだよな、MBAだもの。このくらいできなくちゃ、なのである・・・(自己暗示)。

Friday, September 10, 2010

9月10日(金)

今日の授業はLifetime Career ManagementとFinance。

実は朝から頭痛。1つ目の授業に出られなかったのだけど、内容を聞くと「自分をブランディングしよう」とかいうものだったらしい。わざわざ外部講師が来てくれていたそうなので、いきたかったのだけど。内容を推測するに、自分キャッチコピーのようなものを作ることで、応募先企業に覚えてもらいやすくするの狙いと、同時に自分のやってきたことに一貫性を持たせる狙いがあるのかしら。

3.00pmからはファイナンス。私は株に手を出したこともなければ、財テクなるもので資産を増やそうとも思わない人間なので、この授業はまるで別の言語を聞いているかの気分になる。今日は2回目なので、ファイナンスに関するいろいろな基礎用語とその性質を説明してくれていた。いちばん印象に残っているのは、金融関係者には倫理が必要だと繰り返し教官のハンコックが言っていたこと。それ以外は、ぶっちゃけ思い出せないほどに分からなかった。

授業後、ハンコックのところへ行って確認したのは、今日のメインポイントは数々の金融関係の用語を覚えることだよね?ということ。テキストをしっかり読んで、用語とその特徴を覚えれば分かるようになるはずとのことなので、この後でQuantsに飽きたらファイナンスのテキストを読んでおこう。

うちに帰ってネットにつなぐと、先月末に受けたTOEFLの結果が発表されていた。申し込みから3日で試験、手元に参考書なし、というぶっつけ本番だったのだけど、スコアは104点。Speaking 23、Listening 24は反省が必要だけど、Reading 28とWriting 29はよくできたと思う。

Hultの入学に必要な点数は94。私は3年間の英国生活のおかげでこれを免除されたのだが、1月以降に単位を互換できる外部の大学でのコースを受講したいので、その申請のために英語のスコアが必要だった。無事にTOEFLをクリアしたので、12月に入ったら外部の冬期講習の申請準備も進めていこう。

ひとまず、この週末はQuantsまみれになりそうだ。今後もっと忙しくなる様子なので、まだまだ音は上げてられない。

Thursday, September 9, 2010

9月9日(木)

朝からチームミーティング。Quantitative Analysis (Quantsと略す)の課題の進捗確認と疑問点についての勉強会。インド人女子のBhaktiが進度はいちばん遅くて、同じインド人、男子のRamが先頭を切っている。私はその次で、イタリア伊達男のEugenioは良く分からないけれど、とりあえず内容はわかっている様子。いくつかの概念について、ホワイトボードに図を書きながら喧々諤々。私は人に話したり説明したりするときに、いちばん学習が進むタイプなので、得意ではない統計をがんばってBhaktiに解説。Ramはよく分かっている様子で、ときどき補足してくれる。

授業は2つ。
10.10 Quantitative Analysis
11.50 Leadership and Team Building

Quantsでは元気なDavidがテンポのよい講義。メインメッセージは、数式を解けることじゃなくて、その意味が分かっていて、自分の数式を組み立てていけることが重要とのこと。そして繰り返し言うのは、これは算数・統計の時間ではなく、Managementに関する定量的な意思決定を行うためのツールを学ぶ時間なのだと。

ギリシアの財政危機で不安に駆られた人たちは、いちばんリスクがへ低いと考える国債へと群がった。しかし、これは本当に妥当な判断なのか?国債のリターンは米国のインフレ率より低いのに、国債を買うことはマネージャーとして正しい判断なのか?どういったリスクが存在してどういったリターンが期待できるのか、今のマーケットにはそれを適切に判断できない人がいる。この授業では、この意思決定のためのツールを学習するとのこと。

今まで統計の授業は日本と英国で受けたけれど、これだけマネジメントのための意思決定にフォーカスして話をする教官は初めてで、私はそれがとても気に入っている。ダテにハーバードで教えてないぞ、David。・・・事例が金融、ファイナンスに関することばかりなので、知識不足で話が分からないことは多々あるのだけれど。

Leadership & Team Buildingは第5回。Tool Boxの最終セッション。
これまでの内容を踏まえて、今後よいチームを作っていくためのガイドラインを作りましょう、と。忙しいときと今の時点とで同じルールが運用できるはずがないと思うのだけど、現時点で心がけようと思うことを記録しておくのも悪くないかもしれない。

チームで話し合うときに困るのは、Analyserの気質をもつRamが詳細にこだわりすぎること。しかも、彼は話のメインポイントを絞るのが果てしなく下手。思いついたことは全部カバーしておきたいタイプというのが、なぜかインド人に多い気がする。授業中の質問ですら的を射ないから、教官も「結局、君の質問はなんなんだ?25ワードで言ってくれ」とか言ってしまう。それを聞きながら私は一人で失笑。そんなチームで、あーでもない、こーでもないとやりながら、なんとかガイドラインらしきものを作って今日は終了。

Quantsの課題をやりたかったので家に帰る途中、大学から近くのCambridgeside Galleriaというショッピングモールで遅いランチを食べていると、またしてもインド人のVivekとSumanthが現れて一緒することに。2人ともファイナンスに強いらしく、私が授業中に質問した内容についていろいろ教えてくれる。MBAのよいところの1つは、それぞれの学生が違う文化的背景と、専門知識を持ち寄っているので、互いの強みを活かしあったり、弱みをカバーできるところだ。

ついでに日本語について話をする。3種類の文字があり、漢字は2000個知っていないと普通の新聞が読めない。君の名前を日本語で書くとこうだと、ありふれた話をするが、彼らにとっては驚きの様子。一方、インド南部のハイデラなんとかという街から来た彼らの「州の公用語(ヒンディーでも英語でもない)」で私の名前を書いてもらうと、これがほとんどお絵かきの世界だ。イモムシかピーナッツみたいなにょろっとした図形を描いて、これが「ア」だって言われても困る。16の記号を組み合わせて文字を書くんだって。世界は広い。

明日は金曜日。この週末はQuants漬けになりそうだ。

9月8日(水)

ボストンは朝から雷雨。叩きつけるような雨。ものすごい雷鳴。

授業は下の2つ。
8.30 Leadership and Team Building
3.00 Accounting

Leadershipは、交渉の真似事。Competing作戦とCompromising作戦、Withdrawal作戦などの策をとってみながらのロールプレイ。私は性格的にRelatorなのでCompromise(妥協)するのが得意なんだけど、このスタンスだと相手がCompeting(強制)してくるとずるずる負けていく。最終的な妥協点に持っていくために、あえてはじめは相手と同じCompeting戦略でバトルに持っていき、息切れしたところでCompromising作戦に切り替えるとよいのかも。

AccountingはBalance Sheetについてが基本だった。複式簿記の仕組みが分かっていないとこれら財務諸表を作るのは難しい。友人の数名は会計の知識がないので苦戦。日本人同級生の1人は会計士なので、そのうちグループスタディでも必要かと思っている。私個人の経験で言えば、自分の会社の財務諸表を良く分からないなりに常にながめて、どの勘定科目がどの財務諸表の右か左のどっち側にあるものなのかを覚えてしまうのが手っ取り早い。

これと別に昼間にEnglish Support。TOEFLの点数が低かったり、英語の実力が未知数な70名が呼ばれてテストを受けたらしい。このうち改善の必要ありとされた人が忙しい授業の合間に英語の授業を受けることになる。私は英国生活がそれなりに評価されているのか呼ばれず。

空いた時間に、いまこっそり計画している学生サークルのアイデアを数人の友人および、HultのBusiness DevelopmentのDirectorであるLauraに話してみる。彼女の仕事は企業にコンタクトを取り、Hultの学生を宣伝をすること。できれば、それら企業が学生の卒業後の引き受け先になってくれることが狙い。私たちのサークルがとあるテーマ(まだ内緒)で学生を集めるから、ゲストスピーカーを呼びたいときにコンタクトをとるのに協力してくれと言ってみたところ、反応は悪くない。

夜には、ALPFA(Association of Latino Professionals in Finance and Accounting)という団体のプレゼンを聞く。要するに、ネットワーキングやジョブフェアの機会を提供するヒスパニック系の学生団体の様子。アメリカのヒスパニック系人口というのは私が思っていた以上に大きい様子で、南米出身の学生はこのような団体を作ることで自分たちの就職を優位に運ぼうとしている様子。アジアでも同じことができるかと考えた場合、ハードルは言葉だろうなと思う。

後で話を聞くに、結局アメリカでの就職を探すならネットワークが必要だということ。できればCEOとか高いポジションの人に個人的なツテを持っている方がよいらしい。各所のブログを見るに、アメリカでの日本人の就職というのはとても厳しいようで(とはいえ、これらブログの書き手は結局なんとかしているのだが)、なるほど本当に就職を何とかするならば、正攻法で履歴書を送るだけではなく、自分自身の人物像をプッシュしてくれる人とのネットワークが必要なのだ。とはいえ、おそらく前述ブログの著者達も当然ネットワーキングを駆使した上で「それでも就職は厳しい」と言っているのだろうけれど。

今日に限って言えば、問題は私がFinanceとAccountingにあまり関心がないことだ。ネットワークできるのが財務・会計系の企業のように思えたり。確かに、人には多く会っておいた方がいいのだが・・・。学生の間は年間費用が20ドル。卒業すると120ドル。・・・迷ってる時間ももったいないか。

Wednesday, September 8, 2010

9月7日(火)

私のいるRed Lineグループの授業は以下の3コマ。
8.30 Quantitative Analysis
11.50Leadership & Teambuilding
3.10 Finance

Quantsでは、MBAにおける統計とはデータをマイニングすることではなく、統計を用いて数値による意思決定を行うことに主眼を置くのだと教官のDavidが大きな声で話す。ハーバードでも教鞭をとる彼の講義はとてもテンポ良く、ダイナミックなクラスになる。統計の手法を使って、より確からしい意思決定をすることでカジノで大勝ちした話などはおもしろい。
来週からはいくつかの銘柄を選択し、株価を追いながら「未来に起こりうること」を「定量的」に分析することによる、合理的な意思決定を学んでいくとのこと。私自身はファイナンスに疎いので講義に付いて行けるかと心配がないわけでもない。なるべくWall Street Journalなどに目を通し、語彙に慣れておくしかないか。

リーダーシップでは、チーム内のコンフリクトの事例についてのディスカッションを行う。会社で戦略担当になった元コンサルタントが、各部門のマネージャーを集めたチームをまとめて自社の再ポジショニングをしようとするが全くうまく行かない話。マネージャー同士の仲が悪く、元コンサルタントにはリーダーシップがなく、社長は顔を出さない。実際にこういう事例があったとしたら、手は付けられないよなあと思ってしまう。特に20年以上に渡ってビジネスの現場にいたFさんにとっては、なかなか葛藤を覚える事例だと聞いた。アカデミアと実践の差か。

後半は、対人行動パターンによって人を4つに分類する、よくあるパーソナリティ・テスト的なものを紹介。結果&タスク重視のDirector、結果&人間重視のExpressioner、プロセス&行動重視のAnalyzer、プロセス&人間重視のRelatorというカテゴリーに学生を分けると、おおよそ2:2:3:1くらいだったように見えた。こういうテストの多くはあくまで自己評価なので、実際人から見た場合とズレがあることは多いが、Directorと自己診断した面々を見ると納得。きほん、やつらは人の話を聞かないし、自分の思うことは言わずにいられない。笑

Analyzerが多かったのはMBAとしては異色だそうだが、おそらくFinanceやIT関連のバックグラウンドを持った学生が多いためではないかと教官の分析。要するに、インド人が多いという話。私を除く2人の日本人はここ。で、私自身はRelator。チームメンバーのコラボレーションを目指し、衝突を避けようとするタイプ。Relator同士が集まったミーティングは、笑ってしまうほどに平和で、円滑で、そして突飛なアイデアはあまり生まれない。Relatorの主張をまとめると、「私たち適応能力高いし、チームに調和をもたらします。でも、私たちと話すときには攻撃的にならず、そして話をちゃんと聞いて」となる、と言ったらクラスが爆笑。

Financeは、第一回の授業なのでFinanceとはなんぞや、という話から。教官のハンコックは、Wharton出身のやり手ファイナンス人間らしい。ちなみにAccountingを教えてくれているのも彼だ。どうやらFinanceの世界では、CSRとかが熱い議論になっているらしく、企業は社員の生活や、地域活動や、環境問題に責任を持つべきなのか、といった雑談もあっておもしろい。

しかし、その直後に流れたビデオが、日本の長時間通勤、長時間労働と過労死してしまった23歳の女性の話。そしてそれと対比して従業員満足度の非常に高いアメリカのSAS Softwareという企業の事例。日本の事例もかなり古く現状を反映していない上に、日本の特に待遇の悪い中小企業と米国のいちばんよい事例を比べるなんて、そんなバカな比較があるものかと、日本人としてきちんとクラスに向けて言っておいた。舌っ足らずではあったかもしれないが。

ビジネススクールにいると、日本の事例はかなり頻繁に出てくる。米国でも英国でも、自分たちと全く違う社会様式を持ちながら、ビジネスでは大きな成功を収めた日本という国は興味の対象であるらしい。しかし、バイアスのかかった情報もあふれているので、自分の国が好きなら、的外れの批判や意見にはきちんと反論していける準備が必要。

Friday, September 3, 2010

9月2日(木)

下の写真はMBAの授業の一つ、
How to sail the ocean with your vessel (いかだで海を渡る方法)。


というのは、半分冗談なのだけど。事実、いかだの上にいる帽子をかぶったアジア人は私だ。もちろん、趣味でいかだを作って海へ漕ぎ出したりしない。これも、MBAの授業の一環なのだ。

MBAの課題のほとんどはグループワークになる。4-6人程度のグループで課題を与えられて、プレゼンテーションやエッセイを作成するわけなので、リーダーシップやチームワークっていうのはこのコースでよい成績を収めるためのとても重要なファクターになっている。

これは実際の仕事において成果を出せるマネージャーを輩出することを目的としているからだと思う。マネージャーの仕事というのは、個人が成果を出すことで はなく、メンバーをマネジメントして部署やチームとしての成果を最大化することだから(この辺には異論もあるだろうけれど、MBAのチームワー クはきっとこの前提に基づいている)。

チームをマネジメントするのは大変だ。しかも、全員国籍が違い、文化的背景が違い、性格も違う上にそれぞれ過去の経験、特に成功体験があって、プライドがある。特にMBAの環境では、ほとんどが英語を母国語として話さないし、いろんな誤解が生まれる。そんな中で、チームをまとめて成果に結びつけるのが、きっと優秀なマネージャーなんだと思う。

そして、MBAが始まって2日目、私たちはチームビルディングの一日ワークショップに参加した。ボストンのハーバーから小さな船で30分ほど離れた島へ行き、いろいろなチームビルディング・アクティビティを行う。チームごとに違ったテーマが与えられていて、テーマに沿った学習ができるようにデザインされている。私のチームのテーマはコミュニケーション。それぞれ第二言語としての英語できちんと意思統一、効果的な意思決定をするために大切なことをたくさん学ぶことができた。そして、死ぬほど日に焼けた。

ちなみに、いかだは目標半ばにして崩壊、沈没。
まだまだ修行が足りない。

Wednesday, September 1, 2010

米国学生ビザ(F-1)取得のメモ

私が米国への学生ビザを取得したのは2010年の8月16日。申請の場所はロンドン。日本での申請と手順は違わないはずだが、大使館の様子や業務のプロセスなどは違うかも。とにかく、参考になれば幸いなので、これに関する手順を記録しておく。

大学からの入学許可からビザ取得までの流れをまとめると、
1.資金証明を大学に送りI-20取得、
2. 大使館アポ設定(アポ代支払い)、
3.SEVIS Fee支払い、
4.NS-160記入、
5.面接
そしてビザ取得、となる。

以下、各項目についてのもう少し詳しい情報を記す。

まず必要なのはI-20と呼ばれる書類。これは留学を希望する本人が申請するのではなく、大学がUS Department of Justiceから取得するものなので、私がしたことは、資金に関する書類を大学へ提出すること。大学から送られてきたフォームに必要なお金とその資金源に関する情報を記入、あとは英文の残高証明をスキャンしてPDFで大学Admission Officeへ送るだけである。

ここで起こった問題は、当初用意した残高証明が日本の銀行の定期預金だったため、「この資金が必要なときに引き出せるものである」ことを証明しなければならなかったこと。結局、定期を崩して普通預金に移し、その残高証明をもらったのだがこれに時間が掛かった。日本の銀行の場合、英文での正式な書類を発行してもらうのに1週間近くかかることもよくある様子。

これらの必要書類を受け取った後、大学側がI-20を学生へ送付。ここに書かれているSEVIS番号というのを取得することで、米国大使館へのビザ面接のアポを入れることができる。HULTの場合は、I-20の原本を受け取る前にメールでこのSEVIS番号を知らせてくれたので、実際にI-20が届く前にアポを設定することができた。

ロンドンでのビザ申請の場合、アポは電話で取ることになる。日本だとインターネットでできるかもしれない(要確認)。困ったことに、この通話料が高い(£1.20/分)。学生ビザ(F-1)の場合、面接は5-6日営業日待ち。要するに1週間と少し。私がアポを設定したのは5日、面接は14日。この予約を入れるときに、アポ設定料金$140.00が必要。電話口でのカード払いなので、クレジットカードかデビットカードを手元に準備しておくこと。

アポの設定の後、必要な書類や作業がいくつかある。1つはSEVIS Feeと呼ばれる、ビザ申請料金$200.00の支払い、もう1つはとてもめんどくさいDS-160というオンライン書類の記入だ。SEVIS Fee($200)は、アポ設定料($140)とは別に必要で、なんてずるいお金の稼ぎ方なんだと憤らないわけではないのだが、500ポンド(7万円程度)払わせる英国での学生ビザ延長に比べれば半額だ。これは、米国大使館のウェブサイトから、ビザに関するページへ飛ぶことで支払いが可能。ちなみにSEVIS Feeのレシートをプリントして持っていかないといけないので要プリンター。

DS-160はクセモノだ。完了まではとても長い道のりになる。写真をアップしたり、学歴、職務経歴、米国渡航暦、犯罪歴、両親の情報などなど、こういうのは面倒だけれど必要なのだ。大きな注意点は、このウェブサイトがよくダウンするので、入力した情報をこまめに保存しないと、毎度1からやり直す羽目になること。保存というのも、ただ画面上の保存ボタンを押すだけでなく、それまで入力した情報を特殊な形式のファイルで自分のPCに保存しないといけない。保存しておけば、次回はそのファイルをアップロードすることでそこまでの入力を省略できる。このDS-160も入力完了したページを印刷する必要があるので、ここでも要プリンター。

ビザ面接当日は8時に在ロンドン米国大使館。入館までのセキュリティチェックは空港よりも厳重。携帯や電子機器の持込は一切禁止。アポ用紙をプリントしてきていないと入館不可。なお、7時40分の時点で30人程度が並んでいた。いったん入館してしまえば、あとはとてもスピーディーに審査プロセスは進む。まず、1つ目の窓口で自分の番号が呼ばれるのをしばし待つ。書類の確認があり、指紋の採取が行われる。私はNS-160入力時にWebからアップした自分の写真が、メガネをかけていたためNGになり、証明写真を取り直した。フォトブースは館内にあり、値段は4ポンド。

これをクリアすると、次の窓口へ呼ばれるのを待つ。簡単な質問が3,4点あり、その場でビザは承認される。とてもフレンドリーな面接官で幸運だったし、面接には正直2分しかかかっていない。受けた質問は以下のようなものだ。

【質問】
学部では何を勉強した? → Human Sciences
アメリカでは何を勉強する? → MBA
修了後の予定は? → 米国を去る意図を伝える

帰り際に、パスポートを家へ郵送してもらう手続きがあり終了。ただし、このときキャッシュは受け付けてくれないのでクレジットカードかデビットカードが必要。送料16ポンド、午前中指定で5ポンド増。終わってみると、9時15分。入館してからは1時間未満で手続きは済む。これが英国Home Officeであれば3時間では済まないところなので、効率の良さに惚れ惚れしてしまった。さらには、翌日には携帯にテキストが入り、パスポートが発送されたことを知らされる。受け取りはその翌日、つまり面接から2日目。ちなみにこれが英国ビザであれば、早くて3週間かかる。

つくづく、英国のシステムの効率の悪さには嫌気がさす(米国留学と関係ないけど)。